医療安全

豊島病院における医療事故について

令和2年2月18日

豊島病院における医療事故について


豊島病院 
病 院 長
医療安全担当 副 院 長

 平成29年3月、当院において、アデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術を受けた患者さんが一時的に心肺停止状態となり、遷延性意識障害となった事故が発生いたしました。
 患者さん並びにご家族の皆様に対し、多大なご迷惑とご心労をお掛けしておりますことを心よりお詫び申し上げます。

 本件につきましては、ご家族との話し合いにより和解が成立しておりますが、医療事故の重大性並びに当院の社会的責任、また他の医療機関への警鐘となる事案であると判断されたことから、このたび事故の状況等について別紙のとおり公表いたします。

 なお、事故の発生を受けて、医療事故特別調査委員会を設置し、事故発生状況の確認、要因の検証、再発防止策の検討を行うとともに、院内で防止策の取り組みを行って参りました。
 引き続き、再発防止に総力を挙げて取り組むとともに、職員一丸となり、医療の安全と質の向上に努めていく所存です。
  • 公表内容につきましては、患者さん、ご家族のプライバシー保護に配慮するとともに、ご家族からご了承いただいた範囲とさせていただいております。

豊島病院(代表)☎ 03-5375-1234

医療安全のための取組みについて

当院では、医療安全の水準向上を目指し、病院全体として組織的に医療に係る安全管理及び事故防止に取り組んでいます。

医療安全管理組織図

医療安全管理組織図

医療安全管理体制

  • 医療安全管理室:医療安全管理対策の企画、立案、実施ならびに検証をしています。
  • 医療安全管理委員会:当院における医療安全管理の基本方針を決定しています。
  • 専従リスクマネジャーを配置し、組織横断的に病院全体の医療安全対策の推進業務を行います。
  • リスクマネジャーを各部課(科)に配置し、医療安全対策推進及び医療事故の予防に関し責任者を補佐しています。 
  • リスクマネジメント推進会議:委員会の決定方針に基づく医療安全の推進に関する対策を検討しています。
  • 抗がん剤委員会:適正な抗がん剤治療を安全に遂行するため検討を行います。
  • 医薬品安全管理委員会:医薬品の安全管理体制に関する検討を行います。
  • 医療機器安全委員会:医療機器の保守点検・安全使用に関する検討を行います。
  • 透析機器安全管理委員会:透析機器の安全管理及び透析用水、透析液の適正管理に関する検討を行います。
  • 患者の声相談窓口:患者さんやご家族からの医療安全に関する相談、苦情、不満、訴え等を、事務員が伺い、迅速かつ適切に対応しサービス向上を図っています。適宜、医療安全管理室に報告し、事実関係の確認と改善策の検討を行い、その結果を報告いたします。

主な活動内容

  1. 医療安全研修の実施
  2. インシデント・アクシデント・レポートの集計分析、対策の立案と評価
  3. 専従リスクマネジャーから医療安全情報の提供と周知
  4. 多職種合同転倒転落パトロールの実施
  5. 他の医療機関と連携し、医療安全対策に係る相互チェックと評価

小児緊急度評価表の運用

入院している0歳から15歳(中学生)までの全ての小児患者さんを対象として、急変の兆候や状態の悪化を早期に発見し、担当医師と小児科医師が連携して速やかに診療を行うために実施しています。

患者さん・ご家族へのお願い

医療安全の取り組みは、私たち医療者だけの努力で達成できるものではありません。患者さんやご家族とのご協力も欠かせません。安全に医療を受けていただくために、積極的なご協力とご参加をお願いするとともに、以下のことにご協力をお願いいたします。

1 自身のお名前を医療スタッフと一緒に確認してください。
診察・検査・注射・手術など、お名前の確認が必要な時は、ネームと生年月日を患者さんに言っていただくと共に、入院患者さんついては、リストバンドを装着していただき確認をしています。また、外来患者さんは、診察券もご提示いただき確認しています。

2 質問や気になることがありましたら、遠慮なくお尋ねください。
検査や治療、お薬の内容、病状などについてわからないことは、遠慮なく医療スタッフにお尋ねください。

3 治療内容を医師や医療スタッフと一緒に話し合いましょう。
外来における治療や、入院時の治療計画や検査、輸血の際は、医師や医療スタッフとよく話し合い、説明内容を確認しましょう。「説明・同意書」は、内容をよく読み、納得した上で話し合いましょう。

4 転倒にご注意ください。
入院中は、医師や医療スタッフの指示を守り、歩行が不安定な場合には、医療スタッフと一緒に歩きましょう。
転倒・転落防止のために、安全用具の使用について、患者さんやご家族にご相談・ご協力をお願いすることがあります。スリッパ・クロックスは、転倒の危険があるためご遠慮ください。