内視鏡センター

特色・専門領域

内視鏡センターは, 消化器内科, 消化器外科, 呼吸器科および救命救急センターの医師で構成されています。 上部消化管(食道・胃・十二指腸)や下部消化管(大腸)内視鏡、気管支鏡、膵胆道系内視鏡検査(ERCP)などを合わせ、年間3,000~4,000件の内視鏡検査を行っています。また当院は三次救急病院であるため消化管出血をはじめとする緊急内視鏡症例が多く、二次救急や院内発生の症例を合わせると緊急内視鏡検査は年間400件にのぼります。
近年内視鏡を用いた治療手技が普及し、当センターでも早期がんやポリープ等に対し内視鏡的ポリペクトミー・粘膜切除術(EMR)および粘膜下層剥離術(ESD)を積極的に行っています。その他胃・食道静脈瘤に対する結紮術(EVL)や硬化療法(EIS)、総胆管結石に対する内視鏡的乳頭切開術(EST)やバルーン拡張術(EPLBD)、食道や胆管, 大腸などの癌など各種疾患に対するステント挿入術、食道狭窄に対するバルーン拡張術、消化管出血に対する緊急止血術など、多岐の疾患にわたり幅広く検査治療を行っています。
さらに近年注目されている小腸疾患に対しては、カプセル内視鏡やシングルバルーン内視鏡での評価を消化器内科にて施行しております。
また、当センターの特色の一つに医療連携の一環として、地域医師会の先生方より当日来院のみで実施する上部・下部消化管内視鏡検査のご依頼を直接お受けしております。

関連リンク

内視鏡検査のご案内

診療実績

検査実績(平成31年度)
検査名件数
上部消化管内視鏡(GF)2,041
大腸内視鏡(CF)1,336
内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)157
気管支鏡(BF)102
代表的な処置(平成31年度)
処置名件数
ポリペクトミーおよび内視鏡的粘膜切除術(EMR)352
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)70
内視鏡的乳頭切開術(EST)50
内視鏡的胆道ステント留置術55

当日来院のみで実施する大腸内視鏡検査について

当センターは平成22年渋谷区医師会との共同検討により、検査当日に受診いただくだけで大腸内視鏡検査を実施する連携体制を開始し、後に他の近隣地域や東京都島しょ地域の医療機関へ受入れを拡大して参りました。その結果をご紹介いたします。
平成25年度から28年度までの4年間に460例(男性245,女性215)実施いたしました。年齢は平均61.5歳(24~90)でした。検査理由は図1の通りで便潜血陽性は43%でした。腹部症状で同日検査を見送られた1例を除き,459例に大腸内視鏡検査を実施したところ、盲腸までの到達は454例(99%)で非到達例中2例は直後にCTコロノグラフィーで評価いたしました。250例(54%)にポリープ等の隆起性病変を認め、病理組織学的に176例(38%)が腺腫でした。145例(32%,待機例13例を含む)に内視鏡的粘膜切除術を実施し77例を入院といたしました。他18例に進行がんを認め、そのうち11例は同日外科受診にて手術予定まで検討いただきました(図2:5mmや10mmはポリープの最大径)。偶発症は内視鏡的粘膜切除後の再出血2例のみでした。

図1 検査理由
図2 検査所見のまとめ

事前受診等の手間を省き、検査処置、入院そして外科受診と直接連動することで、アクセスの短縮が図れております。
質の評価項目としての盲腸到達率(95%以上)や腺腫指摘率(25%以上)なども十分クリアしております。またCTコロノグラフィーや内視鏡的粘膜切除術および入院、そして外科受診など当院ならではの完結力も自負するところです。今後も質の向上をモットーに連携体制を地域に展開して参ります。
〔上記結果は第25回JDDW2017(日本消化器関連学会週間)のワークショップにて一部発表しました〕

なお、当院で内視鏡検査をお受けになる際には、従来行っていた血液での感染症検査は一切不要です。平成15年以降、事前感染症検査は撤廃し今日に至っております。

当内視鏡センターはリニューアルオープンしました!

新しい内視鏡センターが平成29年3月21日、2階の220病棟跡にリニューアルオープンしました。
十分な広さの待合室や検査室に加え, 検査後には回復室でゆったりとお休みいただけます。

受付
待合室
検査室
回復室

最終更新日:2022年4月12日