転移性脳腫瘍に対する放射線治療

脳転移の放射線治療をお勧めする患者さん

更新日 2026年4月21日

放射線治療は脳転移で最も広く利用される治療法です。手術が必要な場合や薬物療法(分子標的薬など)で治療ができる場合でも、いずれかの治療段階で放射線治療を組み合わせることが多いです。
放射線治療は治療用の寝台で仰向けになった状態で、治療内容により10-40分ほど安静にしていただく必要があります。意識障害などのために仰向けで安静を保てない場合は放射線治療を受けていただけないことがあります。

放射線治療の流れ

放射線治療の流れ

脳転移の放射線治療の種類

定位放射線治療

いわゆるピンポイント照射です。脳転移のある場所に細いビームを集めて、局所に強い治療を行う方法です。1mm以内の高い位置精度で照射を行う高精度放射線治療です。その結果、病変部には高線量照射が可能となるため高い腫瘍コントロール率が期待できます。
治療の回数は1回から5回で、転移の大きさや場所により異なります。1回の治療時間は約30分です。

全脳照射

脳全体に均一に放射線治療を行う方法です。転移の数が10か所を超える場合や髄膜播種など、画像で確認できる部位以外にも転移が広がっている可能性が高い状況などに用います。
治療の回数は(5~)10回です。

放射線治療の副作用

定位放射線治療では数カ月~数年後に腫瘍周囲の正常脳組織に放射線性脳壊死が生じる場合があります。症状を来すような脳の浮腫を認める場合は抗浮腫薬の投与や手術が検討されます。全脳照射では急性期の副作用として脱毛、中耳炎、唾液腺障害が、治療から3か月以降には認知機能障害をきたす可能性があります。

上記のような「副作用のリスク」と「治療をしなかった場合のデメリット」を天秤にかけて、治療適用を判断します。

脳転移の放射線治療に用いる装置

サイバーナイフ、ガンマナイフなどの脳転移向けの治療装置による治療が知られていますが、当院では他の腫瘍の治療にも用いられる(汎用型装置)、ほぼすべての脳転移の治療にTrueBeamという装置を使用しています。

TrueBeamによる定位放射線治療には次のようなメリットがあります。

  • フレームの頭蓋骨へのピン固定を要さない
  • 回転照射により一度に多数の病変を治療できる
  • 2.5mm幅の細かいコリメーターにより腫瘍の形状にあわせた分布で治療できる

詳しくは放射線治療部のページをご覧ください。