駒込病院 後期研修をご検討の先生へ -職場環境と先輩からのメッセージ-
初期研修後、いよいよ専門性を持った医師としての扉を開ける時、どんな環境でどんな先輩たちとどんな医者を目指して研修生活を送りたいですか?このサイトを見てくださっている方は、消化器内科を専門と決め、初期研修の次のステップとしての病院を探されている先生が多いと思います。今回は先生方が将来働くかもしれない職場のご案内をさせていただきます。また2人の素敵な先輩方からのメッセージもあります。東京にあるがん・感染症センター駒込病院の消化器内科後期研修(レジデント)をぜひ知っていただき、我こそはという先生方、ご見学をお待ちしています。
目次
1. 消化器内科の職場
消化器内科は救急と検査と治療という3つの役割があります。我々の施設では治療に重きが置かれていますが、いずれにしても勤務の大半は内視鏡センターで過ごします。各検査室に内視鏡室専門の看護師1名がつき、毎日概ね全部屋を活用しで検査や治療を行なっています。ワークステーションでは各部屋の検査状況をみんなが共有できるよう集中モニターが設置されています。内視鏡室専属看護師さんの約半数が技師免許を取得していることも、学ぶ環境としてはおすすめです。
2. 職場レイアウト
日中の大半を過ごす内視鏡センターのレイアウトを写真と共にご紹介します(図1)。
内視鏡センターには内視鏡室が13部屋あります。うち11部屋で消化器内科医が上部内視鏡、下部内視鏡、EUS、ERCP、小腸カプセル内視鏡検査、小腸内視鏡検査を行なっています。
検査後に患者さんにお休みいただくリカバリー室は計17(ベッド4台、ストレッチャー5台、リクライニングチェア8台)と充実しています(図2)。また内視鏡も多種類揃えており、上部消化管用、下部消化管用、超音波内視鏡用、ECRP/小腸用の計4ヶ所の保管場所に分けられています(図3、図4)。検査室、リカバリー室、内視鏡本数の充実は当施設の誇れるところです。
内視鏡はスクリーニンング用、精査用、拡大内視鏡、細径をはじめ複数用意され、それぞれの症例に適した内視鏡選択も後期研修医の学ぶ工程の一つです。
3. 後期研修を希望される先生方の背景
それでは駒込病院の消化器内科後期研修にはどのような人が集まっているのでしょうか。過去24人の内訳は以下となり、当院初期研修から、他院初期研修後、他院勤務後、などと偏りは少ないように思います。全員医局に所属していないことが特徴と言えます(図5)。
4. 後期研修終了後の進路
さてここで皆さんが気になるのは後期研修を終了した後の進路ではないでしょうか。過去21人のシニアレジデント研修の先生の進路は以下となっています(卒業翌年の配属先、図6)。当院にそのまま就職する先生は、就職時には消化管チームか胆膵チームに配属され、さらに専門性高く研鑽を積みます。消化器内科の後期研修は決して楽ではないと思います。しかし反対に後期研修の4年間を過ごせばどこに行っても通用する臨床的・学術的な力を備えた医師になれることを目標としています。長い医者人生の中でこの4年間は“頑張ってよかったな”と思える多くの経験ができることでしょう。
5. 後期研修医を経験された先輩方からのメッセージ
ここでは2人の後期研修(レジデント)を経験された先輩から、当院消化器内科の特徴を教えてもらいます。将来一緒に働くかもしれない先輩からのメッセージです。
田畑先生からのメッセージ -胆膵チーム配属-
Q 田畑先生の駒込病院歴を教えてください。
A ジュニアレジデントから駒込病院に入職し、後期消化器内科レジデントを4年、非常勤職1年を経て、現在消化器内科・胆膵グループに所属しています。胆道癌と膵癌を中心に診療を行っています。
Q 駒込病院の魅力を教えてください。
当科の魅力は『市中病院としての症例数の多さ』と『がんセンターとしての学術活動』の両者があるところだと思います。前者は消化管ESDや胆膵超音波内視鏡(EUS)について全国有数の症例数があり、後期研修から多数の症例を経験することが可能です。後者については、初期研修から年1回程度の学会発表が経験でき、後期では多数の発表や論文作成を経験しています。
Q 当院消化器内科ならではの特徴はなんですか。
各領域(上部消化管、下部消化管、胆膵)でチームに分かれており、チームとして業務を行うことで休暇がとりやすくなっています。出産、子育てされている女性医師も多く働いており、比較的働きやすい環境だと感じています。
Q 後期研修後の進路を駒込病院に決めたきっかけやエピソードがあれば教えてください。
後期研修中に胆膵領域を専門にしたいと考え、胆膵EUSとERCPの件数の多い当院に残ることに決めました。
Q 駒込病院でレジデントを検討している先生方へメッセージをお願いします。
ぜひ見学に来て下さるのを楽しみにしています。
ガイドワイヤー挿入の手つきも胆膵専門家らしさが出ています!
森口先生からのメッセージ
Q 森口先生の駒込病院歴を教えてください。
A 後期研修 (医師3年目)から駒込病院に入職し内科専門医4年コース(消化器内科)の現在4年目です。
Q 駒込病院の魅力を教えてください。
A 当院のウリはなんといっても内視鏡の治療件数の豊富さにあると思います。当院では咽頭・食道・胃・大腸のESDを行っており、国内でも有数の治療件数をこなしています。レジデントは最初は治療の介助から始まり、技術の上達に伴って部分的に治療を行ったりという形で、治療に関わっていきます。もちろん技術の熟練した上級医が常に側にいてくれるため、安心して治療を行うことができます。個人の技量や状況に応じますが、シニアの期間に主実施医として治療を完遂する方もいます。
Q 他院を経験された先生に伺います。当院ならではの特徴はなんですか。
A 当院は内視鏡治療をメインに行っているので、一般的な急性期病院よりは緊急内視鏡の件数が少ない傾向がありますが、院外研修で墨東病院や多摩総合病院などの急性期に強い病院をローテートすることができるため、全体としてバランスのよい研修をすることができます。当直の回数も月に平均2回と比較的少なく、日々の診療により集中できる環境であると感じます。
Q 働きやすさ、学びやすさ、専門医取得に関して教えてください。
A スタッフに優しい方が多く、内視鏡室を始めとして働きやすい環境であることや、内科と外科がカンファレンスなどを介して連携がしっかりしている点などは魅力的です。資格の取得に関しては、内科専門医はもちろんのこと、消化器病学会専門医や消化器内視鏡学会などの専門医まで取得が可能です。
Q 森口先生が後期研修後の進路として当院を選択した理由はなんでしょうか。
A 駒込病院の長所かつ短所なのですが、症例が癌に偏っているため、シニアレジデント終了後は他の市中病院で幅広い疾患をみてみたいと考えた時期もありました。しかし、今後の自身キャリアとして内視鏡治療を極めたいと改めて感じたので、内視鏡治療の経験豊かな上級医の指導を直接受けられ、また症例数も豊富である駒込病院に残ることに決めました。
Q 駒込病院でレジデントを検討している先生方へメッセージをお願いします。
A 少しでも当院の消化器内科に興味を持っていただければ、ぜひ一度見学にいらしてください!
後輩の成長をよく見ていて、いいところをとことん誉めてくれる先生です。
6. まとめ
駒込病院の職場環境が少しでもイメージできましたら幸いです。
- 検査室、内視鏡、専属看護師など環境面において充実している
- がんセンターとしての特徴から消化器癌のエキスパートになれる教育体制が整っている
駒込病院で消化器内科コースの研修にご興味を持っていただけた先生、ぜひ私たちと一緒に最先端のがんの治療を学びましょう!先生方の見学を心よりお待ちしています。
レジデント募集:後期研修(シニアレジデント)-消化器内科コース募集概要-
リンク:新専門医制度でのシニアレジデント募集についてhttps://www.tmhp.jp/komagome/recruit/kenshu/senior.html
臨床研修に関するお問い合わせ:km_komagomeboshu@tmhp.jp