ステロイドは、副腎という臓器で作られるホルモンで、体内のさまざまな働きを調整する重要な役割を担っています。特に炎症を抑える作用があり、糸球体腎炎や膠原病の治療に使われます。
ステロイド治療には副作用があるため、慎重に行います。主な副作用として、以下のようなものがあります:
- 感染症にかかりやすくなる
- 血糖値が上昇する
- 骨粗しょう症(骨が弱くなる)
- 高血圧や高脂血症(血圧やコレステロール値が高くなる)
- 筋力低下
- 白内障や緑内障
血糖に関しては、ステロイドを使用すると、夕方から夜間にかけて血糖値が高くなることがあります。糖尿病の家族歴がある方や40歳以上の方には特に注意が必要です。当院では、ステロイド治療を行う際に、血糖測定を行い、必要に応じてインスリンを使用します。血糖がコントロールできない場合、退院後に経口薬を服用していただくこともあります。
骨粗しょう症対策としては、ステロイド治療前に骨密度を測定し、予防のためにビスフォスフォネートという薬を服用していただきます。これは週に1回、起床時に服用します。また、抜歯が必要な場合、治療前に歯科で確認し、2〜3か月の休薬期間を設けることもあります。
消化性潰瘍の予防には、ステロイドと一緒に胃酸を抑える薬を服用します。血圧や高脂血症、不眠などには、個別に対応していきます。
ステロイド治療は副作用を理解し、適切に管理することで、効果的に行えます。