院長 松本 潤

大塚病院は令和4年7月1日より、東京都が直接運営する病院から、地方独立行政法人が運営する病院に変わりました。都立8病院と東京都保健医療公社6病院1検診センター、計15施設で構成される法人の一員となったわけです。地方独立行政法人への移行後も引き続き、民間では困難とされる行政的医療を確実に提供してまいります。終息が見えない新型コロナウィルス感染症にも引き続き対応し、地域医療に貢献していく所存です。
当院の最重点医療は、総合周産期母子医療・小児医療です。当院では、ハイリスク妊娠に対する医療や、NICU(新生児集中治療室)、GCU(中等症・回復期治療室)における新生児への高度な医療を提供しており、出生時体重1,000g未満の超低出生体重児の入院診療数や、母体搬送件数は、都内でも有数の実績があります。
地域の産婦人科医と連携して、「産婦人科地域医療連携システム(大塚モデル)」というセミオープンシステムを展開し、通常分娩は地元で、ハイリスク分娩は大塚病院でという役割分担が有効に機能し、連携協力医も増加しています。
小児医療では、二次救急の小児救急患者に対応しています。地域の小児科医が参加する平日準夜間小児初期救急診療事業を展開し、地域との連携を密にしています。児童精神科医療は東京23区をカバーし、小児外科や重症心身障害児医療等の患者さんにも対応しています。
救急医療も地域で必要とされていると考え、二次救急医療機関として可能な限り「断らない救急」を実践し、休日夜間緊急手術や脳卒中救急にも力を入れてまいります。地域医療機関から各診療科医師へ直接電話が繋がる、緊急診療依頼直通電話(ゴールド電話)もご依頼いただいております。
また地元の豊島区唯一の災害拠点病院として、豊島区との合同防災訓練や区西北部保健医療圏の合同防災訓練を通して、地域の災害対策に貢献して行きます。
当院は築30年以上が経過し、水漏れなど老朽化は否めません。そのため病院運営を継続しながらの大規模改修工事を行っております。今後病棟の改修が予定されており、コロナ対応に引き続き病床数の制限が続きます。令和5年度後半に終了予定ですが、当院の医療機能を保ちながら地域の皆様や医療機関のご協力を得て安心安全な工事を心がけてまいりますので、皆様のご理解とご支援をお願いいたします。
私ども職員一同、地域医療支援病院として「いつでも誰にでも安全で良質な医療を提供し都民に信頼される患者中心の医療」を実践し、皆様のご期待に応えられるよう心がけています。引き続き大塚病院を宜しくお願い致します。