てんかん総合治療センター

てんかんセンターとは

 都立神経病院てんかん総合治療センターは2014年に開設されました。全国で37施設(2022年現在)あるてんかんセンターはてんかん医療構造における三次医療に位置し、難治てんかんの包括的な診断・治療のみならず、てんかん医療構造全体にわたるてんかんケアを視野に、その改善のために活動する施設です。

包括的てんかんケア

 てんかんの治療は発作の抑制だけでなく、身体・心理・社会面への影響も考慮した包括的な診療が不可欠であり、複数の診療科が関わることは言うまでもなく、てんかんに関する知識を豊富にもつ看護師、薬剤師、検査技師、臨床心理士、ソーシャルワーカー等が密に連携したチーム医療が重要となります。これを踏まえ、2021年4月より日本てんかん学会による「包括的てんかん専門医療施設」認定が始まりました。「包括的てんかん専門医療施設とは、てんかん患者とその家族がてんかんという疾患を克服し身体的、精神的、社会的に充実した幸福な生活をおくるという目的を達成するために、地域医療機関および関連機関と連携して適切な医療とケアを提供するための組織化された専門医療施設である。」と定義されています。厳しい施設基準であり現在認定を受けているのは当院を含め全国で17施設のみですが、当院のこれまでの診療実績、コメディカルを含めたてんかん医療体制が評価されたと受け止めています。

 さらに当てんかんセンターは、目の前の患者さんの診療にとどまらず、地域のてんかん診療連携、地域の一次・二次診療医への情報提供、都民公開講座などの社会啓発活動、臨床研究、新薬の治験などを行うことにより、地域に密着したてんかん診療と将来を見据えた研究活動を展開しています。

メンバー写真

主な活動

  • 院内向け勉強会および症例検討会(全職種参加、月1回)
  • てんかん外科カンファレンス(週1回)
  • てんかんカンファレンス(難治症例検討会、月1回)
  • 脳波判読カンファレンス(週1回)
  • 抗てんかん薬の治験、使用成績調査への協力
  • 学会・研究会等における研究発表

    日本てんかん学会、日本てんかん外科学会、日本小児神経学会、日本脳神経外科学会、日本脳腫瘍学会、全国てんかんセンター協議会総会 など

    全国てんかんセンター協議会総会(JEPICA)における看護師、臨床心理士による研究発表(2022年3月)
  • 近隣住民に向けた都民公開講座(年1回)
20223年11~12月 Web配信

てんかんセンター概要

概要

  • 2014年開設
  • 日本てんかん学会 認定研修施設
  • 日本てんかん学会専門医 5名
    脳神経外科1名
    神経小児科2名
    脳神経内科1名
    神経精神科1名
  • 迷走神経刺激療法認定医4名

てんかんの検査

  • 長時間ビデオ脳波モニタリング(5台)
  • 頭蓋内脳波記録
  • MRI (1.5テスラ、3.0テスラ)
  • fMRI(機能的MRI)
  • CT
  • 和田テスト
  • 核医学検査
  • 高次機能検査(臨床心理士)

てんかんの治療

  • 薬物治療
  • 外科治療(小児・成人)
  • 迷走神経刺激療法
  • ACTH療法・ケトン食療法などの特殊治療

 都立神経病院てんかん総合治療センターは乳幼児てんかんから高齢者てんかんまで幅広く対応しています。詳細は小児神経科、脳神経外科へのリンクをご利用ください。