てんかん総合治療センター

概要

  • 2014年開設
  • 日本てんかん学会 認定研修施設
  • 包括的てんかん専門医療施設
  • 機能的定位脳手術技術認定施設

 東京都立神経病院てんかん総合治療センターは2014年に開設されました。全国てんかんセンター協議会に登録されている38施設(2026年4月現在)はてんかん医療構造における三次医療に位置し、難治てんかんの包括的な診断・治療のみならず、てんかん医療構造全体にわたるてんかんケアを視野に、その改善のために活動する施設です。また、当院は日本てんかん学会から包括的てんかん専門医療施設の認定も受けています(全国13施設)。難治性てんかんの高度な診断・治療や多職種連携による包括支援を行う専門施設として厳しい施設基準を満たしています。

センター長からのメッセージ

 てんかんは国内の患者数が80-100万人と推定されており、頻度の高い脳疾患の一つです。
 約7割の患者さんは抗てんかん発作薬により発作が抑制されると言われていますが、薬物治療のみでは発作がおさまらない患者さんも少なくありません。当院てんかんセンターでは各科てんかん専門医が密な連携をとり、「正確な診断と最適な治療法の提案」をモットーに診療にあたっています。特に、抗てんかん発作薬を服用しているのに発作が止まらない、薬が増えてしまい副作用に困っている、そもそもてんかんという診断に疑問がある、など非専門病院では対応が難しい患者さんは一度受診してみてください。

診療体制

医師(日本てんかん学会専門 7名/迷走神経刺激療法認定医 6名/日本定位・機能神経外科学会技術認定医 2名)

診療科役職氏名
脳神経外科医長松尾 健
脳神経外科医員泊 祐美
神経小児科部長福田 光成
神経小児科医長石山 照彦
神経小児科医長柏井 洋文
脳神経内科医員本多 正幸
神経精神科医長日野 慶子

コメディカル

看護師、薬剤師、臨床検査技師、臨床心理士、リハビリテーション、ソーシャルワーカー、医療連携事務

主な取組

包括的てんかん患者支援

 てんかんの治療は発作の抑制だけでなく、身体・心理・社会面への影響も考慮した包括的な診療が不可欠であり、複数の診療科が関わることは言うまでもなく、てんかんに関する知識を豊富にもつ看護師、薬剤師、検査技師、臨床心理士、ソーシャルワーカー等が密に連携したチーム医療が重要となります。これを踏まえ、2021年4月より日本てんかん学会による包括的てんかん専門医療施設認定制度が始まりました。ソフトとハードの両面において厳しい施設基準であり、現在認定を受けているのは当院を含め全国で13施設のみです。包括的てんかん専門医療施設とは、「てんかん患者とその家族がてんかんという疾患を克服し身体的、精神的、社会的に充実した幸福な生活をおくるという目的を達成するために、地域医療機関および関連機関と連携して適切な医療とケアを提供するための組織化された専門医療施設である。」と定義されています。
 さらに当てんかんセンターは、目の前の患者さんの診療にとどまらず、地域医療機関とのてんかん診療連携、地域の一次・二次診療医への情報提供、都民公開講座などの社会啓発活動、臨床研究、新薬の治験などを行うことにより、地域に密着したてんかん診療と将来を見据えた活動を展開しています。

主な活動

  • 院内向け勉強会および症例検討会(全職種参加、月1回)
  • てんかん外科カンファレンス(週1回)
  • 多施設合同てんかんボード(難治症例検討会、月1回)
  • 脳波判読カンファレンス(週1回)
  • 抗てんかん発作薬の治験、使用成績調査への協力
  • 学会・研究会等における研究発表
    【国内学会】
    日本てんかん学会、日本てんかん外科学会、日本小児神経学会、日本神経学会、日本脳神経外科学会、日本臨床神経生理学会、日本定位機能神経外科学会、全国てんかんセンター協議会(主にコメディカル)
    【国際学会】
    米国てんかん学会、米国神経科学学会、国際抗てんかん連盟、アジアオセアニアてんかん学会
  • 神経病院公開講座(年1回)
2025年12月〜 Web配信

検査項目

てんかんの検査

  • 長時間ビデオ脳波モニタリング(令和7年度施行件数 616件)
  • 頭蓋内脳波記録(慢性硬膜下電極、定位的頭蓋内脳波(SEEG))
  • MRI (1.5テスラ、0テスラ)、機能的MRI(functional MRI)
  • CT
  • 核医学検査(FDG-PET、SPECT)
  • 高次脳機能検査
  • 和田テスト

治療内容

てんかんの治療

  • 抗てんかん発作薬による薬物治療(小児・成人)
  • 外科治療(小児・成人)
    焦点切除術、脳梁離断術、機能的大脳半球離断術、迷走神経刺激療法(VNS)、焦点てんかんに対する脳深部刺激療法(DBS)、定位的温熱凝固療法(SRTC)等、あらゆる外科治療に対応
  • ACTH療法・ケトン食療法・免疫療法等の特殊治療