心理・福祉科

診療内容診療実績

診療内容

心理福祉科は、公認心理師、ソーシャルワーカーで構成されています。
病院に訪れた子どもと家族の心理的な悩みや経済的な悩み、地域との連携などに総合的に携わり、治療が円滑に進むようにバックアップしていきます。利用に際しては主治医からの依頼が必要となります。

1 医療福祉相談

特色・取り組み

 子どもの病気やけがに伴って発生する生活上の問題や悩みに対してのご相談をお受けしています。特に子どもの場合、地域医療・福祉・教育機関との連携が不可欠です。内容に応じて院内のスタッフを始め、地域の諸機関と連携しながら、社会保障制度や福祉サービス等を活用して患者さんやご家族と一緒に問題解決が図れるよう支援していきます。

主な業務内容

 ソーシャルワーカーが、からだ・こころ(外来、入院)、思春期デイケア等を担当し、受診、入院、退院後の生活に関すること等についてお話を伺います。
 相談をご希望の方は主治医、看護師等にお伝えください。また2階21番うりぼうカウンターに直接お越し頂いても結構です。事前に電話でご予約頂くとスムーズです。

2 心理業務

特色・取り組み

 さまざまなこころの問題や身体疾患を抱え治療を受ける子どもたちやその家族に対し、心理の専門性を基に、診断・治療のサポート、子どもの発達支援や家族支援を行っています。全科を対象に、チーム医療の一員として多職種と協働して対応しています。また、こころやからだに疾患をもちながら育つ子どもたちが、地域社会生活の中で成長し自立していくために、地域保健医療機関、教育、福祉機関とも連携しています。

主な業務内容

 診断・治療・支援のために心理学的アセスメント(発達評価、認知機能や精神発達・情緒面の評価、家族関係の評価など)、心理面接(子ども・家族)、心理的ケア(個別・集団、家族)等を行っています。また、緩和ケアや虐待等の事例についても多職種との連携の下に対応しています。

  • こころ
     各病棟に心理士が1名配置されており、心理学的アセスメント、心理面接、集団精神療法等を実施し、多職種と連携して入院治療をサポートしています。また、社会適応上の問題を持つ子どもたちに対して、ソーシャルスキルトレーニングなどを行っています。発達や精神的な諸問題を抱える子どもたちやその家族に対して、それぞれの方の疾患や特性に合わせた支援を行います。
  • からだ
     さまざまな身体疾患の治療を受ける子どもたちや家族の心理社会的背景を考慮しながら、入院生活のストレスができるだけ少なくなるよう、また、安心して治療に取り組めるように支援します。発達段階やライフサイクル上に生じた心理社会的な問題についてアセスメントを行い、多職種とも協働しながら、治療支援及び子どもの健全な発達に向けた支援を行います。
  • 周産期医療
     新生児科病棟においては、NICU・GCU入院中の赤ちゃんと家族との関わりを軸に、家族の不安に寄り添い、愛着形成の支援や、心理社会的問題のアセスメントを行います。退院後の新生児フォローアップ外来においては、発達検査や、育児や療育上のアドバイスを行い、新生児科の医師や多職種、地域の子育て支援機関と協力しながら、新生児期からの継続したサポートに取り組んでいます。

心理実習生について

 当センターでは、年度ごとに大学院および大学からの申し込みを受け、教官の推薦を受けた学生を実習生として受け入れています。学生個人からの実習の依頼には対応しておりません。また、現在実施しているのは、半日程度の施設見学実習のみとなります。

3 電話相談(こころの電話相談室)

特色・取り組み

 近年、発達障害・ひきこもり・不登校・うつ病・統合失調症など、子どものこころの問題への関心の高まりから、精神科を受診されたり受診を検討されるお子さん・ご家族が増えています。「こころの電話相談室」では、子どものこころの問題や発達の問題などに関する相談や精神科受診に関しての相談を受けています。

主な業務内容

○ お子さんの行動やこころの問題、発達の問題に関して、電話での相談に応じています。
 例えば…発達の遅れや偏り・落ち着きのなさ・友人関係での問題・不登校やひきこもり
 反抗や暴力が激しい・手洗いなどに強くこだわる・食事をとらず痩せてきた、など。

○ 対 象:3歳から18歳までのお子さんのご相談でしたらどなたでもご利用できます。ご本人やご家族だけでなく、学校の先生など関係者からのご相談にも応じます。

○ 相談員:心理職

○ 相談日:月曜日~金曜日(祝日・年末年始を除く)

○ 時 間:午前9時~12時

○ 電話番号:042-312-8119 (相談室直通)

よくあるご質問について(Q&A)

  • 発達障害
    Q:小学2年生の子どもがいますが、お友達との関わりがうまくできません。小さいころから育てにくさがあり、同年齢のお子さんとの違いを感じていました。本やインターネットで調べたところ、発達障害ではないかと思うのですが、どのように対応してあげたら良いでしょうか。

    A:実際にどのようなうまくいかなさがあるのか、通っている学校の先生とよく相談し、集団生活の様子を聞いてみることは大切でしょう。また、本人の様子について、ご家庭と関係者とで共有し、対応の仕方を相談することでうまくいくこともあるでしょう。心配な状態がつづくようであれば、スクールカウンセラー、お住まいの地域の教育相談センター、子供家庭支援センター、児童相談所、専門の医療機関への相談をお勧めします。
  • 不登校・登校しぶり
    Q:中学1年生の子どもが学校に行きたがらないのですが、どうしたらよいでしょうか。朝になると「学校に行きたくない。」と言い、理由を聞くと、腹痛や頭痛を訴えることが続いています。

    A:まずはかかりつけの小児科や内科で、身体的な病気について相談をすることが大切でしょう。身体に問題がない場合には、心理的問題の可能性が考えられます。ただし、子どもが学校に行きたがらないときには、学業、友人関係、進級にともなう変化などさまざまな要因が考えられ、理由がひとつではない場合や、はっきりとしない場合もあります。周囲には、学校生活を含めて、お子さんの全般的な成長を支えていくという視点も必要です。学校と情報共有をすることで、本人への対応を一貫させることが大切でしょう。ご家庭だけで悩まずに、学校の先生やスクールカウンセラー、お住まいの地域の教育相談センターに相談してみてください。
  • 家族に対する暴力
    Q:高校生の子どもが、些細なことをきっかけに家族に対して物を投げる・叩くといった暴力をふるいます。学校では特に問題はないと言われています。

    A:外では頑張っているお子さんが身近なご家族へは暴力をふるうというご相談は少なくありません。初期の場合は、子どもの気持ちを否定せず聴くことで暴力が収まることがあります。その際、「あなたのことを心配している」というメッセージと、暴力や不当な要求は断固として認められないことを伝える必要があるでしょう。暴力が長期化しエスカレートしている場合は、警察をはじめとした第三者の介入や、家庭外への避難などが必要になってくるかもしれません。また、暴力が、うつ病や統合失調症などの精神疾患や、注意欠如・多動症等の発達障害に起因する場合もあります。お住まいの地域の子供家庭支援センターや児童相談所、専門の医療機関へ相談してみてください。
  • 当センターの精神科受診希望
    Q:都立小児総合医療センターの児童・思春期精神科の受診を検討しています。どのような症状に対応していますか。外来・入院で行っている診療内容を教えてください。また、受診方法を教えてください。

    A:対象となる疾患と、診療内容は、児童・思春期精神科診療案内のページで詳しくご案内しております。
     当院の外来初診は17歳以下の方が対象です。地域の医療機関と連携し、紹介予約制をとっております。
     詳しい手続きについては初診外来予約方法のご案内のページをご参照ください。
  • 心理検査
    Q:小学3年生の子どもに、知能検査を受けさせたいのですが、どのようにしたら良いでしょうか。

    A:まずはお住まいの地域の教育相談センターや子供家庭支援センターにご相談ください。そちらで心理検査が必要であると判断されれば、実施される場合もあります。当院での心理検査は、主治医が必要と判断した場合に実施することになります。検査のみを目的とした診療は行っておりませんので、まずは外来受診の予約をお取りください。必要性については、ご本人の状態やその他の状況から総合的に判断するため、ご希望の通りに心理検査を受けられない場合もありますが、ご了承ください。

相談機関へのリンク

東京都には、子ども・子育てに関して電話などで相談できる公的な機関が複数あります。
1から6の機関では、保護者や関係者の方だけではなく、子どもさん本人からの相談も受け付けています。相談内容や対象者などの詳細については、以下のリストからお住まいの地域の機関を参照し、ご活用ください。

  1. 東京都児童相談所担当区市町村一覧(外部リンク)
  2. 子供家庭支援センター(外部リンク)
  3. 東京都立(総合)精神保健福祉センター(外部リンク)
  4. 東京都教育相談センター(各市区町村教育相談所(室)から地域の教育相談所のホームページが閲覧できます)(外部リンク)
  5. 警視庁少年センター(外部リンク)
  6. 東京都発達障害者支援センター(TOSCA)(外部リンク)