乳腺外科

概要

乳がんの治療では、手術、放射線治療、薬物治療(抗がん剤治療やホルモン療法など)を組み合わせ、一人ひとりの病状に応じた治療を行います。
当院では科学的根拠に基づいた標準的な治療を基本としながら、患者さんのご希望や生活スタイルも大切にし、ご本人と相談しながら最適な治療方針を決定します。
再発をできるだけ抑えることはもちろん、日常生活の質(QOL)にも配慮し、安心して治療を受けていただけるよう努めています。

診療内容

診断・検査

初めて受審された方には、マンモグラフィ(乳房X線検査)を行い、その後診察を行います。
必要に応じて乳房超音波検査や、細胞診・針生検などの検査を行い、乳がんの有無を詳しく調べます。検査結果は通常1~2週間後にご説明します。

乳がんと診断された場合は、乳房MRIなどでがんの広がりを確認し、手術方法を検討します。
必要に応じて、CTや骨シンチグラフィなどの検査も行い、転移の有無も確認します

手術

検査結果をもとに、患者さんのご希望も伺いながら最適な手術方法をご提案します。
乳房を残せる場合は、乳房温存術を基本とし、病状に応じて乳房切除術を行います。

また、形成外科と連携し、乳房切除と同時に乳房再建術を行うことも可能です。
適応については診察時にご相談ください。

センチネルリンパ節生検

センチネルリンパ節とは、乳がん細胞がリンパの流れに沿って最初に到達すると考えられるリンパ節で、「見張りリンパ節」とも呼ばれます。
手術では、乳房の近くに色素や放射線同位元素を注射し、その目的をたどってセンチネルリンパ節を摘出します。摘出したリンパ節は、手術中に迅速病理診断を行い、がんが転移しているかどうかを確認します。

転移が認められない場合は、脇の下のリンパ節(腋窩リンパ節)を広く切除する必要がないため、腕のむくみ(リンパ浮腫)、しびれ、肩の動かしにくさなどの術後合併症を軽減できることが大きなメリットです。
一方、転移が認められた場合は、がんの進行状況や最新の診療ガイドラインに基づき、追加のリンパ節手術の必要性や、薬物療法・放射線療法を含めた最適な治療方針を患者さんと相談しながら決定します。

当院では1998年からセンチネルリンパ節生検を導入し、患者さんの負担をできる限り少なくする乳がん治療に取り組んでいます。

薬物療法

乳がんの種類や進行度に応じて、抗がん剤治療、ホルモン療法、分子標的薬などを組み合わせた薬物療法を行います。
手術前に薬物療法を行い、腫瘍を小さくしてから手術を行う場合もあります。
治療方針は、最新の診療ガイドラインに基づいて決定します。

放射線療法

乳房温存術後の再発予防や、病状に応じた治療として放射線治療を行います。
放射線治療専門医と連携し、一人ひとりに適した治療を提供します。

臨床試験

当院では、より良い治療法の確立を目指し、臨床試験(治験・臨床研究)にも積極的に取り組んでいます。
参加をご案内する場合は、内容を十分にご説明し、ご本人の同意をいただいたうえで実施します。