運営理念・方針

Tamahoku Philosophy

Tamahoku Philosophy

運営理念

1. EBMに基づいた科学的、倫理的、患者さんの価値観に寄り添った、安全で質の高いあたたかい医療を実践しよう

2. 今の医療を超えてゆく心意気で医療の質向上を図り、自身の成長と社会貢献を果たすことなどでやりがいを感じられる病院を全員で作り上げよう

3. 救急医療、専門医療、地域包括ケアシステムへの貢献など、地域が抱える医療課題に取り組み「安心して日々を暮らせる地域づくり」の一翼を担う病院になろう

4. 持続可能な病院運営を実現しよう

2023年度 多摩北部医療センター運営方針

「地域の人々が安心して暮らせる街づくりの一翼を担う」ために引き続き北多摩北部保健医療圏の中核を担う地域医療支援病院として、地域の医療機関と積極的に連携を図りながら急性期医療を提供する役割を果たしていく。

1) 当院の目指す方向

  1. 科学的かつ倫理的、患者さんの価値観に寄り添った、安全で質の高いあたたかい医療を実践
  2. 働きがいのある病院
  3. 地域との連携により「安心して暮らせる街づくり」の一翼として貢献
  4. 持続可能な病院運営を実現

2) 運営目標

1 患者中心の良質であたたかい医療の提供

1.患者さんにとって価値ある医療の提供

【救急医療】
  • 着実な救急患者の受入れを実施するため、診療体制を強化 特に2040年に向けて高齢者救急対応を強化
  • 高次救急医療は多摩総合医療センターや小児総合医療センターとの密接な連携により機能分担を確立
【がん医療】
  • 東京都がん診療連携協力病院(大腸がん・前立腺がん)として、地域のがん診療の中核的役割を果たす
  • 消化器病センター、内視鏡センター、前立腺診断・治療センター、通院治療室、無菌治療室、ロボット支援手術、高精度放射線治療機器の効果的活用等による、集学的がん治療の提供により、地域がん医療の水準向上に貢献
【高齢者医療】
  • 今後迎える超高齢社会に対し、急性期病院としての立ち位置から、生活習慣病を始めとした高齢者医療に対応
【小児医療】
  • 北多摩北部保健医療圏における小児医療の中核病院として、小児総合医療センター及び地元医師会・医療機関等との連携を強化
  • 着実な救急患者受入れのための小児救急体制の維持及び強化
  • 専門的小児医療に対応するための外来機能の充実
  • こどもの心の診療体制を構築
【災害医療】
  • 北多摩北部保健医療圏の災害拠点病院として、自治体、医師会、消防署等との連携を強化し、災害時における重症患者の受入体制を整備
  • 災害訓練を通じた発災時における職員一人ひとりの防災意識と対応力の向上
【総合診療】
  • 総合診療体制の基盤作りを実施

2. 安全で質の高い医療の提供

  • インフォームドコンセントの充実、クリニカルパスの促進等による効率的かつ透明性の高い医療の提供
  • 各職種の専門性を活かしたチーム医療の推進と患者満足度の向上
  • 地域医療ネットワークの展開による、地域医療機関との相互医療提供体制構築の推進
  • インシデント・アクシデント報告制度の推進と医療事故未然防止、事故発生時の迅速な対応及び事例検討会開催等による再発防止策の徹底
  • 院内感染の予防・再発防止策の徹底

3.ホスピタリティ溢れる医療の実践

  • 思いやりや慈しみのこころで患者さんにそっと寄り添う姿勢を常に意識

4.患者さん・連携医に選ばれる病院づくり

  • 改築までの施設・設備の老朽化への対応と、地域ニーズを踏まえた改築基本計画の策定を機構本部と実施
  • 患者満足度調査、ご意見箱等の意見・苦情への迅速な対応
  • 患者・地域サポートセンターの強化と活用
  • 病院マーケティング活動により「たまほくファン」を創出

2 働きがいのある病院、人材の確保・育成

  • 病院の改築や働き方改革を意識して、診療機能拡充、施設整備、職員が働きやすく働きがいのある病院づくり
  • 診療科・部門間、職員間のコミュニケーションを円滑に行い、互いにリスペクトし、協力しあう職場づくりを実現
  • 職員の創意工夫で「東京の片隅で何か面白いことをやっている病院」を目指す
  • 大学医局や東京都立病院機構グループ内施設との連携や新規開拓等により、地域医療を支える人材を確保
  • 指導医及び各診療科が横断的に連携し、質の高いレジデントの育成・定着を実施
  • 資格取得を支援し、学会発表を奨励することを通じて、専門的な知識、技術を持つ職員を育成
  • 国を挙げた働き方改革の方針に適切に対応し、職員の意見を尊重した働きがいのある職場、働きやすい職場環境の整備

3 医療連携強化による地域への新たな貢献

1.地域包括ケアシステムへの貢献

  • 在宅療養後方支援機能を発揮し、在宅患者の急性増悪時の円滑な受入れにより地域医療機関等を支援する取組を推進
  • 近隣医療機関や福祉・介護施設等とのネットワーク強化による入院前からの退院及び在宅医療の支援を推進
  • 他職種連携を図りながら地域活動の輪を広げてゆく

2.地域医療連携の更なる強化

  • 初診患者獲得に向けた計画的かつ効果的な医療機関訪問を実施
  • 医療機関訪問等で把握したニーズへの迅速な対応により信頼関係を強化
  • 連携医からの紹介患者を確実に受け入れ、適切な返送・逆紹介を推進
  • 医療安全・感染防止対策に関する取組を地域医療機関と共に推進し、カンファレンス等による双方の医療の質向上に寄与

4 自律的経営の追求

  • 新型コロナウイルス感染症診療と一般診療の両立をさせ、病床稼働率や紹介・逆紹介などの指標を改善

  • 柔軟な人材雇用、関連病院との積極的な人材交流、スケールメリットを活かした経営力向上

  • 直面する経営課題の改善を図るだけでなく、強みを活かした戦略的な取組を進め、病院経営を改善

  • 職員一人ひとりの経営意識を向上させ、病院運営に積極的に貢献していく組織文化を醸成

  • DPC分析ツールや原価計算システム等を活用した収支改善を図り、自律的経営を促進

  • 費用対効果を踏まえ考えた備品等の購入、交渉権入札による契約や省エネルギー対策による光熱水費削減等、経費縮減への取組

  • 入院患者確保に向けた手術室の整備と拡充

  • 個人情報保護方針の遵守と情報セキュリティ体制の強化

  • 病院機能評価の受診を通じて、病院の質をより一層向上

倫理方針

①患者さんの人権を尊重します
・患者さんの自律性を尊重します。
・医学的情報を十分に提供するとともに、患者さんの価値観についても共有した上で治療方針を話し合うことで、患者の意思決定を支援します(Shared Decision Making
・真実を語ります
・プライバシーを尊重し守秘義務を順守します

②患者さんにとって最善と考えられる医療を提供します
・患者の益になる診療行為を行います
・患者の害になる診療行為は行いません

③社会的視点からも適切な医療を提供します

医療安全管理指針

1. 基本的考え方

当院の役割は、患者が安心して安全な医療を受けられる環境を整え、良質な医療を提供することである。
しかし、日常の診療場面では、医療従事者の不注意や、コミュニケーションの欠如などから、患者の安全を損なう状況が発生している。患者の安全を確保するためには、常日頃から、職員一人ひとりが事故を未然に防ぐための努力が求められるとともに、病院全体として患者に実害を及ぼさない仕組みを構築することが重要である。
この指針は、上記で示す考え方を基本に、病院全体として組織的に取り組む事故防止と、医療従事者自身が個人レベルで取り組む事故防止を行うことで、患者の安全を守り、患者の信頼を得ることを目的とする。
なお、当院における医療安全に関する取り組みは、「医療事故防止マニュアル」に基づき実施する。

2. 委員会・その他組織

当院における医療安全対策を推進するために、以下の委員会等を設置する。
なお、詳細は別途「委員会等設置要綱」で定めるものとする。

  1. 医療安全管理委員会
  2. 医薬品安全使用委員会
  3. 医療機器安全使用委員会
  4. 医療放射線安全管理委員会
  5. 医療ガス安全管理委員会
  6. 高難度新規医療技術評価委員会
  7. 医療安全管理室会
  8. リスクマネジメント推進会議

3. 当院での新しい治療手技を導入する場合

治療実施前には関連する部署の職員と手順、器材の使用方法を周知する。

  1. ガイドライン等で治療手技が標準的とされるものであれば、導入の妥当性を診療科内カンファレンスで協議し、診療科責任者がその可否を決定する。
  2. 担当医が経験の無い新規の手技に関しては、医療安全推進担当副院長に報告し了解のもと経験豊富なスペシャリストを招聘し、指導のもとに実施する。
  3. ガイドライン等で臨床試験として行うべきとされるものについては、医療安全推進担当副院長に報告し了解のもと、倫理委員会に諮る。

4. 医療安全管理のための研修

  1. 委員会において策定した計画に基づき、全職員を対象とした医療安全管理のための研修を年2回程度開催するほか、必要に応じて開催する。
  2. 研修の方法は、院長の講義、外部講師による講義、事例分析、外部の講習会・研修会の報告等の 方法によって行う。研修の実施内容について、記録・保管する。

5. 医療安全管理を目的した改善方策

  1. 事故等が起きた場合は、インシデント・アクシデントレポート実施要綱に基づき報告する。
  2. 委員会は、報告に基づいた情報を分析し、再発防止策・予防対策を策定し、職員に周知する。
    また、各部門での実施状況を把握し、再発防止策・予防対策の評価を行う。

6. 事故発生時の対応

委員会で定めた「医療事故発生時の対応」に基づき対応する。

7. 患者等に対する当該指針の閲覧に関する基本指針

  1. 医療事故防止対策に対する理解と協力を得るため、病院ホームページに掲載し、閲覧の推進に努める。
  2. 本指針は、患者及びその家族から閲覧の求めがあった場合には、これに応じるものとする。

8. 外国人患者への対応

  1. 外国人患者については、当指針及び外国人対応マニュアルに基づいて適切に対応する。
  2. 外国人対応窓口である患者・地域サポートセンターから医療安全管理委員会へ委員を選任することにより、外国人患者に関する医療安全対策を検討する。検討の際は、言語・文化的背景・母国の医療制度等の面での差異が存在することに留意する。

9. その他

その他、医療安全の推進に必要な方針は、委員会で定める。指針の見直し、変更についても同様とする。
院内に投書箱及び患者相談窓口を設置し、患者及びその家族からのご意見を、医療安全管理に反映していく。

付則
1 この指針は、平成17年4月1日施行
2 平成19年10月17日一部改訂
3 平成20年1月16日一部改訂
4 平成29年7月19日一部改訂
5 平成30年1月17日一部改訂
6 令和元年8月21日一部改訂
7 令和2年4月1日一部改訂
8 令和5年10月1日一部改訂

院内感染対策のための指針

多摩北部医療センターにおける院内感染対策を進めるため、本指針を定める。

1. 院内感染対策に関する基本的な考え方

当院における院内感染の防止に留意し、感染等発生の際にはその原因の速やかな特定、制圧、終息を図ることは、病院にとって重要である。このため、院内感染防止対策を 全従業者が把握し、この指針に則った医療を患者に提供できるように取り組む。

2. 院内感染対策のための委員会、組織に関する基本的事項

(1) 院内感染症防止対策委員会

院長をはじめ、診療部、看護部等各部署の責任者で構成される同委員会において、院内感染対策の病院全体に関わる方針を決定する。

(2)院内感染防止対策部会(ICT)

感染制御チーム(Infection Control Team:ICT)は、院内感染防止対策の実務を担当し、院内感染に関する監視を行い、情報を収集し、指導・啓発する役割を担う。医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師、事務部門その他院長から指名を受けた各部署からのメンバーにより構成される。

(3)院内感染防止対策部会(AST)

抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)は、薬剤耐性菌の蔓延を防止するため、抗菌薬の適切な使用を推進することを目的に、抗菌薬の選択・用法容量・投与期間を監視し、指導・啓発する役割を担う。医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師、事務部門その他院長から指名を受けた各部署からのメンバーにより構成される。

3. 院内感染対策のための従業者に対する研修に関する基本方針

院内感染対策のための基本的考え方及び具体的方策について、個々の従業者の院内感染に対する意識を高め、業務を遂行する上での技能やチームの一員としての意識の向上等を図ることを目的として、年2回程度定期的に開催するほか必要に応じて行う。

4. 感染症の発生状況の報告に関する基本方針

法令に定められた感染症の届出及び院内の菌分離状況のサーベイランスを行い、必要に応じて院長への報告、ICTでの検討及び現場へのフィードバックを行う。

5. 院内感染発生時の対応に関する基本方針

感染症患者が発生した場合は、医師または看護師から所定の様式をもってICTに速やかに報告する。また、緊急を要する感染症の発生時は、直ちにICTへの報告を行い、医療安全管理委員会及びICTにおいては、緊急対策を講ずるとともに再発防止及び対応方針を検討する。

6. 患者などに対する当該指針の閲覧に関する基本方針

感染対策の理解と協力を得るため、病院ホームページに掲載し、閲覧の推進に努める。

7. その他の院内感染対策の推進のために必要な基本方針

院内感染対策の推進のため「院内感染対策マニュアル」を作成し、病院従業者への周知徹底を図るとともに、このマニュアルの定期的な見直し・改訂を行う。

付則 この指針は、平成19年10月1日から施行する。

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