臨床検査部門

【構成】

医師7名、臨床検査技師総勢35名(うち非常勤職員17名を含む)で構成されています。医師は病理専門医、臨床検査技師は、細胞検査士3名、超音波検査士3名、認定血液検査技師2名、認定一般検査技師1名、認定臨床微生物検査技師1名、認定病理検査技師1名など、専門性の高い学会認定技師を配置して、質の高い検査結果を迅速に提供しています。

【役割、特色】

・24時間365日の緊急検査を実施し、病理診断科の迅速で正確な病理診断を支え、安全な輸血療法を推進することで当院の高度な二次救急医療を実現しています。

・院内感染対策(ICT)、栄養支援(NST)、糖尿病療養指導など当院の特徴であるチーム医療に積極的に参画しています。

・検体検査部門は、新型コロナウイルスに対し的確に検査方法を見直すなど臨床現場からの要望に柔軟に対応しています。生理検査部門は、当院の特色である小児の終夜睡眠ポリグラフィ―をはじめ心電図、超音波、足首上腕血圧比(ABI)、脳波、神経伝導検査、呼吸機能検査など多岐にわたる生体検査を行っています。

・2020年より、血液内科医師の指導の下、末梢血幹細胞(PBSC)採取時の細胞保存操作および得られたPBSC製剤の輸血検査システムを用いた保管・運用を行っています。

臨床検査部門

採血を受けられる方へ

採血について

採血イメージ

採血は、身体の中を流れる血液を採取する医療行為で、医師の指示のもとに行われています。 採血によって得られた血液で、健康状態の判断、疾病の診断、治療方針の決定、症状の程度や治療効果判定の指標を得る事ができます。
採血室での採血は、国家資格を有する臨床検査技師と看護師が担当しており、十分な管理のもと細心の注意を払って、実施しております。
しかし、時には「採血針を刺しても採血できない場合」や「1 回の採血で必要量を採取できない場合」があります。
その際には、針を刺す場所を変えて再度、採血させて頂きますのでご了承ください。

採血室からのお願い

採血室では採血を「安全に」「間違いなく」行うために、以下のことを確認させて頂いております。

  • ご本人確認
    「採血取り間違い防止」のため、ご自身の姓名と生年月日をお伺いしております。場合によっては、付き添いの方にお伺いすることもあります。
  • 消毒薬(アルコール)に過敏症をお持ちの方
    採血時の消毒薬でかゆみや発疹を初めとするアレルギー症状が出現することがあります。アルコールに過敏症をお持ちの方は、お申し出ください。他の消毒法に変更いたします。
  • 採血後の止血
    採血後の不十分な止血操作が原因で、血が止まりにくかったり、跡が青くなったりすることがあります。採血後5 分間程度、揉まずにしっかり押さえて止血していただきますようお願い致します。
  • 下記に該当する方は採血スタッフにお申し出ください
    ◎血液透析中の方
    ◎抗凝固剤(血液がサラサラになる薬)を服用されている方
    ◎乳房切除手術を受けられた方
    ◎医師から採血する腕の指示がある方

採血に伴う合併症について

止血困難・皮下血腫

針を刺した場所を5分ほどしっかり押さえて予防してください。
内出血は、採血後の止血が不十分な場合や、採血困難時に起こってしまいます。時間がたてば周囲の組織に吸収され、あざはなくなりますのでご安心下さい。

神経損傷

採血後に手指へ拡がる痛み、痺れなどが生じ、一定時間が経過した後も持続します。約1 万~10万回の採血に1 回の頻度で起こるとされています。皮膚表層近くの神経の走行は個人差が大きいため、神経損傷を100%防止することできませんが、通常の採血では、太い神経の断裂などの可能性は低く、損傷は軽度で症状は軽く一時的な場合がほとんどです。
おおむね1週間程度で改善傾向に向かいます。
採血時に、「いつもより痛い」「激痛がする」「指先に痺れあるいは灼熱感がある」等ありましたらすぐに採血スタッフにお申し出頂きますようお願い申し上げます。

血管迷走神経反応

心理的に緊張、不安が強いと起こりやすいとされ、採血前に起こることもあります。迷走神経が興奮し、急激に血圧が下がるため、めまい、気分不快感、意識消失などを引き起こします。報告によりさまざまですが、0.01%~1%の頻度で起こるとされています。今まで採血時に、上記のような症状があった場合には採血前にスタッフにお申し出下さい。

アレルギー

採血時の消毒薬やスタッフの手袋(ラテックス)などでかゆみ、発疹を初めとするアレルギー症状が出現することがあります。
今まで採血時に、上記のような症状があった場合には採血前にスタッフにお申し出下さい。

採血に関するQ&A

Q.なぜ、姓名や生年月日を言わなければいけないのですか?
採血において採血検体の取り違いは、誤った検査情報を与える原因となり、その結果によっては生命にかかわる危険性があります。 また、同姓同名の可能性も考慮し、生年月日も伺っております。
Q.なぜ、何本も採血するのですか?
採血管イメージ

検査の種類によって、必要な採血管(血液を入れる試験管) が違うからです。
採血管の中には、血液の成分を検査に適した 状態に保つための薬が入っています。
その薬は、検査の種類によって使い分ける必要があります。
そのため、検査の種類が増えると、採血本数も増えることになります。

Q.透析治療のためのシャント側の腕はなぜ採血できないのですか?
感染、圧迫、出血、閉塞を予防するためです。これらはシャントに負担をかけることに なり、シャントを長持ちさせることが出来なくなってしまいます。 採血だけでなく、血圧測定も同様の理由で、非シャント側で行うのが原則です。
Q.乳房切除術をした側の腕はなぜ採血できないのですか?
乳癌の手術では、乳房の手術とともに腋窩(わきの下)リンパ節の郭清(取り 除くこと) が行われることがあります。リンパ節を郭清するとリンパ液の環流が低下し感染に対 する抵抗力が落ちるため、腕や手指の傷口から感染が拡がる リスクが高まります。 このため、手術した側の腕からの採血は避けた方がよいと されています。
Q.なぜ、血をとりやすい人、とりにくい人がいるのですか?
最も血をとりやすい人は、太い静脈が皮膚の下にすけて見える人です。血をとりにくい 人は、皮膚の奥(皮下脂肪に埋もれている)に血管が通っていたり、加齢に伴い静脈 が見えにくい人です。血管が硬くなっていると、見えていても針から逃げられてしまい、 上手く刺せない事があります。 また、採血前にお水を飲んだり、採血するところを温めておくと採血しやすくなります。
Q.毎回同じ場所から採血しても大丈夫ですか?
大丈夫です。
しかし、同じ場所で繰り返し採血をすると、血管が硬くなり、針が刺さりにくくなる場合があります。その場合は採血担当者にご相談下さい。
また、採血した腕に腫れや痛みなどが無ければ、同じ腕で点滴しても大丈夫です。
Q.血液が黒い気がするのですが?
採血は静脈より行いますので、とれた血液は黒っぽく見えます。 血液は肺で酸素を受け取り、赤い動脈血となります。そのあと心臓より全身に送り出さ れ、体中で酸素が使われて黒っぽい静脈血となります。
Q.どれくらいの量を採血するのですか?
検査の内容にもよりますが、採血管2~3本の場合で、おおよそ大さじ1杯(10~15 ml)くらいの量です。 献血においては、体重50kg以上の方は、400mlまでは安全であるとされています。
Q.ご飯を食べてきたけど大丈夫ですか?
採血は基本的には、空腹時に行います。
食事をすると、血糖・中性脂肪・インスリンなどの項目に影響します。食後に採血をした場合は、診療の際に主治医にお申し出下さい。
食事の影響が無い項目もあります。
Q.私の血液は、ドロドロしていないですか?
テレビなどで『ドロドロ血』と表現される事がありますが、肉眼的に判るものではありません。 しかし、『ドロドロ』と表現される血液の状態は、血液中の脂質や糖分、赤血球数の多さなど によって大きく影響されます。 また、生活習慣病や過度のストレスなどによっても起こりえるとされています。 まずはこれらの病気の発見をすることが大切です。
Q.お風呂に入っても大丈夫ですか?
大丈夫です。
しかし、採血した場所を強くこすったりしないで下さい。
出血してしまう可能性があります。
Q.検査結果はどのくらいで出ますか?
病院内で行う検査は1時間~1時間半ほどで結果が出ます。 病院外で行う検査だと2~7日かかる場合があります。 検査結果が出ても診察や混雑具合により、待ち時間が多少長くなることがあります。