泌尿器科

概要

  • 質の高い泌尿器科地域医療の提供により、地域社会に貢献することを使命としてスタッフは日々研鑽に励んでいます。
  • 日本泌尿器科学会専門医教育施設として認定されており、泌尿器科全般に対応可能です。特に尿路結石分野では地域内で中核的施設として高度医療を展開しており、近隣施設からの紹介が多く、豊富な治療経験を有しております。
  • 泌尿器がん分野では、早期がんから進行がんまで標準的な検査・手術・放射線治療・化学療法・緩和療法などきめ細かく的確に行います。高度医療に関しては大学病院や都立病院と連携して対応します。
  • 地元診療所・病院の先生方との密接な医療連携を構築し、地域住民の皆様に効率良い医療を提供したいと考えています。
  • 笑顔とともに「お大事に」「ありがとうございました」の言葉が行き交う医療現場で、患者さんとの信頼関係に根ざした医療を提供し続けたいと願っています。

泌尿器科の特色

豊島病院泌尿器科での尿路結石症治療の特色

尿路結石症は頻度の高く、致命的でないにしろ症状や治療で患者さんの社会生活に著しい影響を及ぼす疾患です。豊島病院泌尿器科ではこの領域に対して特に力を注いでおり、治療手段も豊富です。専門施設として患者さんに質の高い医療を提供するため以下ような取り組みを行なっています。

排石促進薬

1cm以下の小さな尿管結石の多くは、入院や特別な処置は必要なく、尿とともに自然に体外に排出されます。しかし、体外へ排出されるまではしばしば救急室受診せざるを得ないような激しい痛みを伴うことが多く、現在では鎮痛剤の投与や運動、飲水指導などを行うのが一般的です。
最近、欧米では優れた排石促進効果のある薬剤に関する研究が進んでいますが、これらの薬剤の多くは本邦では保険適用として使用出来ないのが現状です。
当科では尿路結石症患者さんの苦痛を軽減できるように、この分野での新しい薬剤治療に取り組んでいます。

体外衝撃波破砕術(ESWL)

容易に体外に排出されない結石、疼痛をコントロールできないような結石に対しては積極的治療が必要です。ESWLは体にメスを入れたり麻酔をかけたりすることなく、体外で発生させた衝撃波エネルギーを用いて結石を破砕するもので、細かくなった破砕片は尿とともに体外に排出されます。
当科では1泊2日の入院で治療を行なっており、治療経験数も豊富で良好な治療成績を誇っています。

内視鏡手術

結石の大きさや位置などの状況によって、ESWLより内視鏡手術のほうが優れた治療成績が得られる場合があります。当科では的確な診断のもとに最適な治療方針を選択します。3泊4日程度の短期入院で、ホルミウムヤグレーザーと細径尿管鏡(硬性・軟性)を用いた手術(経尿道的破砕術:TUL)を行っており、治療経験豊富で成績も良好です。
さらに一般の施設では、治療の難しいサンゴ状結石や2cmを超える大きな腎結石に対しては積極的に内視鏡手術(経皮的破砕術:PNL)を行っています。

再発予防

近年のESWLや内視鏡手術などの技術進歩により、尿路結石症治療の成績は向上しましたが、もう一つの問題は、5年間で半数近くの患者さんが該当するほど、高頻度に再発がみられることです。
再発予防のためには、結石成分分析、血液検査、尿化学検査などによって原因をはっきりさせて、それに応じた治療が必要です。さらに最近の研究では尿路結石と生活習慣病との関連が指摘されており、食事指導や生活指導も必要です。
当科では国内外の最新のデータに基づいたきめ細かな生活指導・食事指導・薬物療法を行っておりますので、過去に他院で治療を受けた後も再発に悩んでおられる患者さんは是非ご相談ください。