一般撮影検査・X線透視検査のご案内

一般撮影検査とは

一般撮影検査とは、レントゲン(X線撮影)のことです。
X線を使用して胸部や腹部、骨など様々な部位のX線写真を撮影する検査です。
当院のX線写真は画像処理にコンピュータを用いたデジタル画像を提供しています。

胸部X線写真
腹部X線写真
頭部X線写真

・一般撮影検査の注意点

現在妊娠している、又は可能性のある方は検査前に必ず医師または放射線技師に申し出てください。
撮影する部位に貼り薬や金属、プラスチックのものがある場合は検査前に取り外してください。
撮影の際、着替えの必要があるときには説明をします。服装によってはそのままで撮影することも可能です。
ご不明な点があれば、職員にお尋ねください。

X線透視検査とは

X線透視検査とはX線を使って体内の透視や撮影を行う検査です。
この検査は多岐に渡っており、X線透視撮影装置のみで行う検査もあれば、X線透視撮影装置と内視鏡や超音波(エコー)を併用する検査もあります。
また、検査の内容によってはX線で体内を透視しながら検査と治療を同時に行うことも可能です。

・当院のX線透視撮影装置

当院のX線透視撮影装置はFPD(フラット・パネル・ディテクタ)方式を用いているため、従来のX線透視撮影装置と比べ、画像にゆがみがなく広い範囲を観察する事ができます。
この装置には「低線量透視モード」を導入しているほか、余分なX線を除去するフィルタや絞りも搭載しているので、被ばく線量を抑えた検査を提供しています。

・X線透視検査例

X線TV室での代表的な検査を紹介します。

1. 上部消化管造影検査

  • 一般的に「胃のバリウム検査」と呼ばれている検査です。健康診断でも行われるため、検査をしたことがある方も多いかもしれません。
  • 検査着に着替え、バリウムという白い造影剤と胃を膨らませる顆粒の薬を飲んで検査を行います。
  • ベッドの上で身体の向きを変えながら撮影をして、胃や食道の粘膜の状態を把握していきます。
食堂二重造影
胃充満像

2. 下部消化管造影検査(大腸造影)

  • 肛門にチューブを入れて造影剤や空気を流して大腸を膨らませて行う検査です。
  • 胃のバリウム (上部消化管造影)検査同様、寝台上で身体の向きを変えながら検査を行います。
  • 大腸全体に空気と造影剤を送り、大腸の粘膜に異常がないか確認します。
  • 検査中に痛みは特にありませんが、大腸を膨らませるのでおなかが張って苦しい場合があります。
下部消化造影検査
ERCP

3. 内視鏡的逆行性胆道造影検査(ERCP)

  • 胆道系(胆嚢、総胆管、肝管など)や膵臓の病気が疑われる際に行う、透視装置と内視鏡を併用した検査です。
  • まず口から内視鏡を飲み込んで、十二指腸にあるファーター乳頭という小さな穴の位置を確認します。ファーター乳頭とは胆道系や膵臓の中にある膵管の出口です。
  • 内視鏡の先から細いチューブを出して、内視鏡の映像を見ながらファーター乳頭にチューブを挿入します。
  • チューブの先から造影剤を注入し胆道系と膵管の中に流し込みます。透視装置でその造影剤の広がり方を確認することで、結石の有無や位置の把握、胆道系のがんや膵臓がんの有無、慢性膵炎の様子を診ることができます。
  • また、胆道系や膵管に直接チューブを挿入しているので胆汁と膵液を採取でき、胆道系のがんや膵がんに対する検査を行うことも可能です。
  • さらに、この検査は結石が見つかればその場で結石を取り出すことができるため、「治療」の面も兼ね備えています。
  • ERCPは内視鏡を使用するので胃カメラが苦手な方は少し大変かもしれませんが、情報量が多いことに加え検査と同時に治療も行えます。

4. 子宮卵管造影検査

  • 子宮卵管造影検査は、子宮口からカテーテルという細いチューブを子宮の中に入れて造影剤を注入し撮影を行います。
子宮卵管造影検査
脊髄腔造影検査

5. 脊髄腔造影検査

ミエログラフィー(脊髄腔造影)は背骨(脊椎骨)の中を通る神経の様子をみる検査です。脊髄の神経は脊柱管の中にあり、チューブのような、じょうぶな膜(硬膜)に包まれて、脳脊髄液の中に浮かんでいます。ミエログラフィーは、この脳脊髄液の所に造影剤を注入し撮影を行います。

・X線透視検査の注意点

  • 検査前日・当日の飲食や医師から処方されているお薬、および検査の準備については医師の指示に従ってください。
  • 検査後のお食事は普段通りお召し上がりください。水分は普段より多めに摂るよう心がけてください。
  • 検査に消化管の動きを抑える薬を使用した方は、目の調整機能が低下することがありますので、車の運転は時間をあけるなど十分注意してください。
  • バリウムを使った検査をした方には検査後に下剤を処方する場合があります。下剤を処方された際には必ず飲むようにしてください。バリウムが腸内に長時間残っていると便秘や腸閉塞、腸穿孔の原因となります。
  • バリウムの検査後2~3日以上排便がない場合や強い腹痛が起きた場合など変わったことがございましたら、主治医、もしくは当院放射線科へご連絡ください。