
法人職員へ転籍したきっかけ
異動しても各病院で仕事ができる機構に魅力を感じて
大学を卒業したあと公務員として東京都に就職し、最初は税金関連の仕事をしていました。その後、医療、環境、スポーツなど様々な分野を経験しましたが、その中で都立松沢病院へも派遣されました。立場的には都の職員として業務を行う中、令和4年に旧公社病院と都立病院が合併で独立行政法人化し、都立病院機構が生まれました。この当時、ちょうど私は東京都病院経営本部で独法化の準備を担当していました。
私は病院の仕事が楽しかったので、都の公務員から14病院をもつ機構の固有職員へ転籍させてもらうことになりました。それまでいろんな職場を経験してきましたが、係長昇任で行った松沢病院での2年間が最も大変で面白く、やりがいを感じたからです。
都職員ではなく、法人職員だからこそできること
提案を素早く活かし、結果を出せる病院という現場
都の職員は数年ごとにさまざまな職場に異動して幅広い仕事を経験することになるのですが、機構なら異動しても行先は病院ですし、これまでのスキルを活かし専門性を高められます。
また、機構に入職して感じたのは、業務に関する反応の早さでしょうか。私が都の職員だった頃は、たとえば税金や補助金関連など、法令、制度などをいかに正しく運用していくか、また都民ニーズに沿って制度をつくる業務に関わることが多かった。やりがいはありましたが、都の規模で仕組みを変えるとなると時間もかかりますし、担当一人でできることにも限りがあります。
しかし病院という現場では、自分の提案や企画をすぐに試せますし、反応や成果が素早くわかる仕事が多いのです。小さいことですが、以前患者さんの声をもっと吸い上げるためご意見箱の場所を変えてみたら一気に投書が増えました。今、担当が進めている仕事で、診療科の先生や手術室と連携して医療器具などの材料を変えたらコスト削減に繋がった例もありますし、医事課や経営企画部門でデータを分析して改善の提案をしたら収益が増えるということもあります。
もちろん医療器具などを変える際はコスト面だけでなく、使いやすさや耐久性なども考慮するため、使用する現場の意見を聞いてより良いものを選択します。これら全てが病院の健全な運営に繋がりますので、その成果に大きなやりがいを感じます。

法人職員として将来進めていきたい仕事
都立病院のメリットを活かし都民のための体制づくりを
今の広尾病院では事務局長として、総務課、計画課、医事課の3部門をまとめています。情勢的に経営の厳しさを感じていますので、3つの課で連携し合ってコスト削減にも取り組んでいるところです。
長いスパンで見て進めていこうと思っていることは主に3つ。1つが都立病院として都民の役に立つ病院づくりに尽力したいです。2つ目は、日ごろ実感していることに、医療スタッフ全員が患者さんのためにどうしたらより良いのかを考えながら動いているということです。そんなスタッフたちの真摯な気持ちに応え、スムーズに業務を実現できるよう思いや人を繋ぐ仕事をしていけたらと思います。3つ目はまだまだ病院事務をまとめるものとして、医療系の知識、経験が不足していますので、勉強してスキルアップをしていきたいですね。その一つで診療情報管理士の勉強も始めています。
公務員か法人か迷っている人へ
人の役に立ちたいなら社会貢献を身近に感じる機構へ
都庁職員だった私は、法人職員へ身分移行して希望する都立病院に勤務しています。これは独法化のためにできたことなので、公務員からの転籍は今後ありませんが、公務員か法人か就職先を迷っている人には、ぜひ病院という選択肢も考えてほしいですね。
公務員を目指す方は人の役に立つ仕事、社会貢献できる仕事をしたい人が多いと思うのですが、都立病院はそういうことが実感できる組織です。病院で働くことがピンとこないならぜひ説明会や見学会に参加してください。多くの先輩方が充実した仕事ぶりを話してくれるでしょう。
14の都立病院はそれぞれ特色があり、民間病院にできない医療や役割をもっていたりします。それらの機能や医療サービスをいかに都民に提供できるか考え、企画を練ることの楽しさを知ってほしい。私もますます視野を広げ、多岐に渡る事案にも冷静にそして柔軟に対処して都民や社会貢献に繋げていきたいと、身を引き締めているところです。