令和6年度 東京都立駒込病院 医療の質指標

掲載日:2025年9月30日

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表の凡例は病院指標のページをご覧ください。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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指標分母:肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数分子:分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数割合
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率1435133492.96%

肺血栓塞栓症は、下肢の静脈などでできた血のかたまり(血栓)が肺の動脈に詰まり、呼吸困難や胸痛を引き起こし、死に至ることもある疾患です。手術後やがんの治療中、病状による長期臥床などで発症することが多く、その発症予防が重要となります。手術の際には弾性ストッキングや手術中の下肢空気圧迫装置の装着などの予防対策を実施しています。

血液培養2セット実施率

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指標分母:血液培養オーダー日数分子:分母のうち、血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数割合
血液培養2セット実施率4008386196.33%

2024年度の血液培養の複数セット採取率は96.33%で、2020年以降95%以上の高水準を維持しています。終末期ケア中の患者さんの発熱評価や、菌血症の治療効果判定(陰性確認)を目的とした血液培養などの際に1セット採取がみられました。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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指標分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数割合
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率1125100889.60%

2024年度も89.6%と高い水準を維持していましたが、前年度より若干の低下が見られました。以後、より高い水準を達成できるように、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を中心に広域抗菌薬開始前の培養検査提出状況の把握と啓発を進めてていきたいと思います。

 転倒・転落発生率

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指標分母:退院患者の在院日数合計分子:退院患者の転倒回数合計割合
転倒・転落発生率1345067125.29%

入院中の患者の転倒やベッドからの転落は少なくありません。病気の影響、入院に伴う環境の変化や歩行時のふらつき、治療に伴う症状などが影響することもあります。転倒転落に伴い思わぬ傷害や入院期間の延長などが生じる可能性もあり、その発生率を指標とし転倒転落患者の事例を分析する事で、環境改善への取組み強化や転倒転落患者の減少につながることが期待されます。

 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

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指標分母:退院患者の在院日数合計分子:3b以上の転倒回数合計割合
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率134506610.45%

転倒転落発生率の調査と共に、それに伴う傷害の発生率を調査する事で、転倒防止アセスメントの質向上や環境リスクの低減につなげることが期待されています。また、傷害発生事例分析により、転倒予防に関する患者家族への適切な案内や、より質の高い予防対策への取組みが可能となります。

 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

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指標分母:全身麻酔手術で、予防的抗菌薬投与が実施された手術件数分子:分母のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数割合
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率2470243398.50%

外科手術後感染症を適切に予防するためには、適切なタイミングでの手術開始前の抗菌薬投与が推奨されています。昨年度は98.5%と高い水準を達成していました。今後も高い水準を維持できるように抗菌薬適正使用支援チーム (AST) を中心にモニタリングと啓発を行なっていきます。

 d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

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指標分母:退院患者の在院日数合計分子:褥瘡の発生患者数割合
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率1307001980.15%

当院では治療上、ベッド上安静や体力の低下などが起こりやすく、麻薬など鎮痛・鎮静剤使用者や浮腫など皮膚の脆弱性など褥瘡発生リスクが高い患者が多く入院しています。毎年褥瘡発生リスクが高い患者の入院数が増えており、褥瘡歴や褥瘡保有患者も増加傾向です。そのため、対策用品を活用しながら褥瘡発生予防と早期発見に取り組んでいます。

 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

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指標分母:65歳以上の患者分子:分母のうち、栄養アセスメントが実施された患者割合
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合7320560976.63%

入院時、入院診療計画書に基づき、3日以内に栄養スクリーニング・アセスメントを実施して、患者さんの栄養管理に努めています。

 身体的拘束の実施率

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指標分母:退院患者の在院日数合計分子:分母のうち、身体的拘束日数合計割合
身体的拘束の実施率13450685836.38%

身体の自由を妨げる身体的拘束は、患者さんの尊厳に係る重大な行為です。
急性期医療を担う病院では治療を中心とした疾病管理が優先され、患者さんの生命と安全確保を目的に身体的拘束を行わなければならない「やむを得ない状況」があります。拘束の実施に際しては代替方法を充分に検討し、できる限り早期の解除に努めています。
身体的拘束の実施率の改善は、安全で質の高い医療ケアの提供の指標となります。