研究題名：Noninvasive visualization of neutropenic enterocolitis using capsule endoscopy
令和７年６月
研究者所属・氏名
消化器内科 柴田理美
平易な要約
本報告は、好中球減少性腸炎（NE）に対して世界で初めて小腸カプセル内視鏡による粘膜直接観察を行い、非侵襲的に病態を可視化した症例である。従来、NEは画像診断や外科的所見に依存していたが、カプセル内視鏡によりびまん性黄白色付着物、出血、ケルクリング襞の肥厚といった粘膜変化を捉えることに成功した。本手法は、出血や穿孔リスクから従来内視鏡が困難とされたNEに対し、安全に病態把握と早期診断を可能にする新たな選択肢を提示する。
研究者のコメント
本症例は、従来の内視鏡では高リスクとされ診断が困難であった好中球減少性腸炎に対し、カプセル内視鏡で世界で初めて小腸粘膜を非侵襲的に可視化した報告です。NEは、抗がん剤治療や免疫抑制に伴い発症しうる重篤な腸炎であり、早期診断や病態把握は多くのがん診療において重要です。本報告は、診断戦略に新たな視点を提供すると考えます。
関連URL
https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/html/10.1055/a-2598-4885（外部リンク）