遺伝子診療科 - 遺伝性腫瘍外来

遺伝子診療科 - 遺伝性腫瘍外来

【遺伝性腫瘍とは】

遺伝性腫瘍とは、遺伝要因ががんの発生に大きく影響していることが明らかな腫瘍のことで、原因遺伝子が明らかな疾患の総称です。

リンク:駒込コラム『がんと遺伝の関係 ~がんが遺伝する可能性と遺伝性腫瘍について~』

【診療内容】

遺伝性腫瘍外来では、以下の診療を行っています。

・遺伝カウンセリング
・遺伝学的検査
・血縁者診断
・予防的治療
・サーベイランス(早期発見のための定期的な検査)

【対象となる患者さん】

  • ・がんの遺伝が心配であると考えてる方
    ・遺伝性腫瘍が疑われている方
    ・遺伝性腫瘍と診断された方

【主な遺伝性腫瘍】

【遺伝カウンセリング】

遺伝カウンセリングでは、専門のスタッフにより、遺伝性腫瘍の患者さんやご家族またはその可能性のある人に対して、ご要望に対応する遺伝学的情報やその関連情報を提供し、必要に応じて心理的援助を行いながら、治療や生活設計上の選択をご自身の意志で決定し行動できるよう援助いたします。遺伝性腫瘍外来では、個人情報(プライバシー)には十分配慮しております。

【初めて受診される方へ】

遺伝性腫瘍外来の診療にあたって、血縁者の情報はたいへん重要です。可能な限り(少なくとも祖父母やおじおば)ご家族の”がん”の診断・治療について予めお調べいただけますと診療の参考になります。

【費用】

遺伝性腫瘍外来における遺伝カウンセリングや遺伝学的検査は自費診療となることがあります。

【注意事項】

遺伝学的検査では、以下のような限界もあります。

  • 遺伝子の変化がみつかっても、病気の発生に関与するか否かが不明(病的意義不明)であると報告されることがあります。
  • 報告された遺伝子の変化の解釈が、将来、変わる可能性があります。

【よくあるご質問】

Q1. 親族にがんにかかった者が多いのですが遺伝性腫瘍ですか?
A1. 日本人の2人にひとりががんにかかるので、ご親族の中にがんにかかった方がいらっしゃっても珍しくありません。実際、がん患者さんのおよそ25%の方は、ご親族にがんの患者さんがいらっしゃいます。ご親族内にがんの患者さん多く集まる原因は不明であることが多いのですが、一部(全体の数%)は生まれつきの遺伝子の変化を持つことが原因でがんが発生しやすい遺伝性腫瘍であると見積もられています。

Q2. 子どもに遺伝するか心配です。
A2. 遺伝性腫瘍は親から子に遺伝することがあります。遺伝性腫瘍であるか否かの体質は、両親のどちらからか引き継ぐため、親から子へと遺伝する確率は50%となります。この確率に男女差はありません。ただし、疾患によって遺伝する仕組みが異なることがあるため、遺伝する確率が異なる場合があります。また、遺伝性腫瘍の体質が子に遺伝しても必ずがんを発症するわけではありません。

Q3. がんの予防法はありますか?
A3. がんの予防法には、発症予防(一次予防)、早期発見・早期治療(二次予防)、再発防止・社会復帰(三次予防)があります。遺伝性腫瘍の患者さんでは特に一次予防と二次予防が重要です。遺伝性腫瘍ごとにがんの発症しやすい臓器がありますので、がんを発症しないよう治療を行ったり、発症したがんを早期に見つけるよう検査をおこなったりすることがあります。