外科(胃)

駒込病院 胃外科

胃外科

 食道胃接合部がんを含む胃がん治療において、駒込病院は専門性の高い医療を提供しています。
 日本ではピロリ菌感染の減少や除菌治療の普及により、将来的な胃がん発生率は低下すると予想されています。しかし、幼少期から長期間ピロリ菌に感染してきた高齢者を中心に、依然として年間10万人以上が胃がんを発症しています。
さらに近年は、胃と食道の境界部に発生する「食道胃接合部がん」が増加しており、通常の胃がんとは異なる特性を持つため、より高度で専門的な治療判断が求められます。

 当院では、胃がん・食道胃接合部がん・胃粘膜下腫瘍などを対象に、年間300症例以上を合同で検討する「胃キャンサーボード」を開催し、多職種の専門医が治療方針を精密に検討しています。病状や進行度に応じて、内視鏡治療、外科手術、化学療法を組み合わせながら、患者さん一人ひとりに合った治療を提案しています。

 近年は、複数の治療を組み合わせる集学的治療が主流になりつつあり、私たち胃外科では低侵襲で安全性の高い外科治療を重視しています。
 2018
年から導入しているロボット支援下胃切除は拡大視効果と高精度な操作が可能で、高齢の患者さんにもメリットの大きい治療法です。特に従来は開胸・開腹を要した食道胃接合部がんの手術でも、ロボット手術により小さな創で治療が行えるケースが増えています。

胃外科 部長 長晴彦