消化器内科の診療を希望される方へ
臓器ごとにがんに熟練した医師が積極的に対応しています。受診の際には、紹介状と検査結果(病理標本、レントゲンフィルム)などの資料(コピー可)をお持ち下さい。検査を無駄なく進めることができます。
特にセカンドオピニオン外来を受診される場合は、資料をもとに専門医が治療法に対する参考意見をお伝えするので、必ずご用意下さい。
また、治療後に病状が安定した後は、投薬治療や経過観察の検査などは、かかりつけの先生に御願いすることがありますので御了解ください。
がんの診断
がんの診断は、病変をみつけること、がんの進行度を見極めることに分かれます。診断の手段となる検査法は、臓器により異なります。
膵臓、胆道の疾患の診断と治療
膵臓、胆道の良性・悪性疾患の診断と治療に取り組んでいます。具体的な病名として、膵疾患では膵臓癌、膵嚢胞性疾患、自己免疫性膵炎、急性膵炎、慢性膵炎、胆道疾患では胆のう癌、胆管癌、胆嚢ポリープ、胆石、総胆管結石、急性胆嚢炎、膵・胆管合流異常などです。
胆膵疾患の診断と治療に欠かせない検査として、内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)があります。ERCPでは、胆管や膵管を造影剤で映し、病気のために狭くなった胆管や膵管の細胞を採取して細胞の検査をするだけでなく、狭くなった胆管に管を入れて胆汁の流れを良くしたり、胆管炎の原因となる総胆管結石を取り除くなどの処置も行います。ERCPの施行件数は年々増加し、2015年には450件行いました。

もう一つの診断に重要な検査として、超音波内視鏡(EUS)と超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引術(EUS-FNA)があります。超音波のついた内視鏡で胃や十二指腸から膵臓や胆嚢、胆管を見ることにより、多くの詳しい情報を得ることができます。また、超音波内視鏡で病変を見ながら、病変に針を刺して細胞を取ることにより(EUS-FNA)、診断をより確実にすることができます。EUSの施行件数も年々増加し、2015年は199件行い、そのうち55件ではEUS-FNAも施行しました。



膵臓癌や胆嚢癌、胆管癌では、肝胆膵外科、放射線科(診断部門・治療部門)、化学療法科などのグループが毎週集まり検討会(キャンサーボード)を行い、手術や放射線治療の必要性を含めた最善の治療方針を話し合って決めています。
また、当グループでは自己免疫性膵炎を含むIgG4関連疾患の診断と治療も積極的に行っています。自己免疫性膵炎は腫瘍との鑑別が難しい例が多いですが、各種画像診断により総合的に診断し、必要に応じてステロイド治療を行います。