院長あいさつ

 東京都立松沢病院のホームページをご覧いただきありがとうございます。

 松沢病院の歴史は1879年(明治12年)に創立された東京府癲狂院に始まるとされ、松沢病院はわが国に現存する最古の公立精神科病院です。現在では、「大都市東京を医療で支える」という理念のもとに2022年7月に設立された地方独立行政法人東京都立病院機構の一翼を担い、都民のための精神科医療センターと位置付けられています。私は2025年4月に松沢病院 第二十代院長に就任いたしました。

 国内外を見渡せば、相次ぐ気候変動や甚大な災害、終わりの見えない国際紛争など、目を背けることができない現実があり、われわれの日常に重苦しい影を落としています。精神の病を患う方々にはそれらがさらに大きな重圧となっていることは想像に難くありません。今後一層厳しさを増すと思われるこの時代にこそ、個々の力は小さくても、われわれがいかに結束して与えられた使命を果たすことができるかが問われている、と感じられます。

 松沢病院の最も重要な使命は、「誰ひとり取り残さない精神科医療の提供」にあります。言葉を変えて申しますと、東京都における「精神科医療の最後の砦」としての機能を堅持することです。これを当院の理念に掲げ、理念の実現に向けた目標・方向性を示す以下の5つの基本方針に沿って誠心誠意尽力いたします。

  •  ◇都民のための精神科医療センターとしての役割を果たします
  •  ◇質の高い精神科及び身体科医療を提供します
  •  ◇患者中心の医療・看護を実現します
  •  ◇社会に開かれた医療を行います
  •  ◇地域住民に親しまれる病院をめざします
  •  精神科医療では、細分化された専門分野に注力するだけではなく、地域医療やチーム医療の観点あるいは全人的医療の観点から広い視野を持つことが求められます。当院すべてのスタッフが互いを尊重しつつ活発に意見交換することはもちろんですが、都民の皆様のお声にも耳を傾けてより良い松沢病院をつくっていきたいと考えておりますので、ご提言・ご要望をお寄せくださいますようお願いいたします。
  •  どうぞよろしくお願い申し上げます。
  •                                                2025年4月 院長 布村 明彦