思春期の若者のこころの健康についての専門外来
当院では、13歳から22歳くらいの方を対象に、ゲーム症や昼夜逆転、不登校、ひきこもり、うつ、不安、摂食障害、発達障害など、思春期の若者にしばしばみられる心の不調を中心に、適切に対応できるよう診療・支援体制を整えています。
精神科医療の導入時期に、良質な体験としての診療・支援が受けられるよう、対応や環境にも配慮しています。
思春期・青年期に、こころの不調を体験すること、あるいはこころの病気にかかることは、決してめずらしいことではありません。早期に診断治療やサポートを受けることで、早期の回復が可能になっていきます。
ボックリーヌ(思春期・青年期医療)のページへようこそ
今はコロナ禍、世界が変わってしまったように思えます・・・。
とりわけ若い方は、追いつめられたような、つらい状況に置かれているのではないでしょうか。
でも、疲れたこころとからだを休めて、深呼吸すれば、世界や自分自身がちょっとちがって見えてきます。
きっと大丈夫。
松沢病院は、どなたでも受診できます
あなたのお話を聞かせてください。
お悩みを共有して、これからどうしたらよいか、一緒に考えて対応していきましょう。
お悩みの一覧
- ゲーム・スマホ依存(ゲーム・スマホがやめられない)
- 不登校・ひきこもり
- 不眠・過眠(朝起きられない)
- 原因のわからない腹痛・頭痛
- 摂食障害(拒食・過食・嘔吐)
- 不安(人前で話せない)
- 強迫(潔癖症)
- 解離(記憶がなくなる)
- うつ(落ち込みやすい)
- 自傷(リストカット、過量服薬)
- 自殺企図(死にたい気持ちが強い)
- 躁(気分の波が激しい)
- 幻覚(他人には聞こえない声が聞こえる)
- 妄想(監視されている気がする)
- 学習の悩み(学校の授業についていけない)
- 自閉症・ADHD等の発達障害(相手の気持ちを理解できない、授業に集中できない、忘れ物が多い)
- 家庭内暴力
- 性別違和
思春期・青年期のあなたへ
注目情報Q1
(こんなときどうしたら?)
あなたが疲れてしまって、とにかく休みたい気持ちや、ときには死にたい気持ちが出てきてつらいとき。
A1-1
もしあなたにまだ少し元気があるなら。
周りの人と話をしてつらさを分かち合うと、こころが軽くなります。
ちょっとした運動はこころの安定につながります。
家の中では自粛しないで、好きな音楽、推しの動画や大好きなお洒落(しゃれ)を楽しんでください。
こころとからだを動かして気分を変える工夫をしてみましょう。A1-2
あなたが、そんな工夫をしても楽しめない、工夫をする気力もない、苦しくて眠れない、命に関わる危ない行動をとってしまいそう・・・
そんなときは、
「松沢病院 精神科緊急初診窓口」
へ電話をしてください。
まずはお話しを伺い、状況の確認をします。今後について一緒に考えていきましょう。
思春期・青年期の人からこころの相談を受けた方へ
注目情報Q2
(こんなときどうしたら?)
若い人から命に関わるような、こころの相談を受けたとき。A2-1
命に関わる相談を受けたとき、ひとりだけでは適切な対応は難しいものです。必ず複数の方で相談して下さい。
A2-2
命に関わる行動が心配なときには、ためらわずに、相談を受けた方が、
「松沢病院 精神科緊急初診窓口」
へ電話をしてください。
緊急の場合は、緊急性があるとお伝えください。
学校や保健所などからの電話もお受けしています。
自傷他害など緊急性が高いときは、当日の受診もできます。
受診のご案内
受診の際、こちらの問診票に記入をお願いしています。
【ご本人用】思春期専門外来問診票(PDF 653.6KB)
【ご家族用】思春期専門外来問診票(PDF 568.7KB)
あらかじめ、印刷、記入していただくと、診察まで、よりスムーズに進みます。
初めて外来を受診される方は精神科外来をご覧ください。
ボックリーヌ相談支援
注目情報対象
当院に通院されている13歳~22歳くらいまでの方。※主治医の判断によるご利用となります。
注目情報支援内容
ボックリーヌ相談支援は、精神的不調に悩む若者やそのご家族を、インテンシブ(短期集中的)にご支援することを目的とした多職種(看護師、精神保健福祉士、公認心理師)専門チームです。ケアの中心となる担当者が主治医と連携しながら、以下のような支援をご提供します。
◆お困りのことや症状を評価
お困りのことや症状を聞かせていただいた上で、どのようなご支援が適切かを一緒に考えていきます。
◆就労・就学に関する支援
日々の不安や悩みごとなどをうかがいながら、将来に向かって歩んでいけるよう一緒に考えて行きます。
必要に応じて、学校や職場の方との調整を行い、学校生活や進路選択、仕事に関する支援を行います。
◆ご家族への支援
ご家族が感じている不安や疑問を聞かせていただきながら、それらが軽減できるよう一緒に考えていきます
注目情報利用方法
◆当院精神科外来への受診が必要となります。
当院の精神科外来に通院中の方は、主治医にご相談ください
その他お問い合わせは、ボックリーヌ(思春期青年期)相談支援担当者へお電話ください。
☎ 03-3303-7211 (代表)
相談受付時間 平日(月~金)午前 9:00~午後 5:00
◆費用
お問い合わせ・ご相談は無料です。
医師による診察、各種検査、ボックリーヌ相談支援担当者による訪問等は通常の保険診療となります。
入院のご案内
思春期・青年期病棟では、緊急入院から評価入院、休息入院まで、様々な目的の入院に対応しています。年齢や発達段階に応じた診療・支援が受けられるよう、入院環境にも配慮し、多職種による様々な支援を行っています。
<1日の流れ>
6:00 | 点灯 | 12:30 | 昼のお薬 |
---|---|---|---|
7:00 | 朝食・モーニングケア | 14:00 | 入浴・プログラムなど |
7:30 | 朝のお薬 | 17:00 | 夕のミーティング |
9:00 | 朝のミーティング | 18:00 | 夕食 |
9:30 | 検温・回診(月、木) | 18:30 | 夕のお薬 |
10:00 | 入浴・プログラムなど | 20:00 | 寝る前のお薬・イブニングケア |
12:00 | 昼食 | 22:00 | 消灯 |
<週間予定>
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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午前 | ●回診 ●売店注文 | ●入浴:男性 |
|
|
|
午後 | ●ひまわり |
|
| ●入浴:女性 |
※作業療法は、平日午前午後それぞれに、多彩なプログラムが用意されています。
<自分パスポートの作成>
自分パスポートとは、看護師、医師、ソーシャルワーカーなどのスタッフと相談しながら作成するノートです。自分が、どんな時に調子が良くて、どんな時に調子が悪いのかなど「自分の特徴を知り」、うまく対処できるようにすることが目的です。退院後に周囲の人(家族、学校の先生、その他サポートしてくれる人)と一緒に見返すことで、自分が困ったときに助けを得られやすくなります。入院中に自分パスポートの作成をして、退院後の生活に備え、心や体が安定した状態を保てるようにします。
<自分パスポート講座>
自分パスポートとはどんなものなのか、目的や作成の方法など、他の入院患者さんと一緒に楽しく学べる勉強会を行っています。
<心理教育プログラム>:たんぽっぽプログラム
たんぽっぽプロブラムとは、症状や、薬の知識、ストレス対処法、毎日の過ごし方についての勉強会です。
医師・看護師・薬剤師・心理士・精神保健福祉士と一緒に知識を共有し、症状や薬、ストレスと上手に付き合う方法、活動と休息について考えることを目的として行っています。
<ボックリーヌノート>
入院中に看護師と行う交換ノートです。自分のことを会話で上手に伝えられなかったり、話しにくかったことをノートに書いてください。会話とは違ったコミュニケーションを図ることで、新たな自己表現の方法を知ることができます。
<SST>:Social Skills Training(ソーシャルスキルトレーニング)
SSTは社会生活技能訓練のことで、「出来ること」を増やして、より生活しやすくなることを目的としています。人間関係、コミュニケーション、集団行動、自己コントロール、問題解決など学校や職場ではたくさんのスキルが求められます。SSTでは1つずつ順序だてて身につける機会を提供し、「ひとりひとり違った自分なりの対処法」をみつけていきます。
<ひまわり>
体育館や病棟内で行う作業療法です。体育館での運動や、病棟内で創作活動を行う中で、人との交流の仕方や社会的スキルを学び、こころと体の活性化を目指します。
<作業療法>
作業活動を通じて生活のリズムを整える、興味のもてる活動を発見する、社会的・対人的スキルを獲得するなどの援助をしています。広範囲のご希望に応えるため、多彩な活動内容と形式を提供しています。
例えば、パソコン、創作、スポーツ、調理といった様々な活動が選択できます。
<薬剤指導>
退院後の生活に薬の内服は欠かせません。今後も安心して薬を飲み続けていただくため、薬の必要性や効果・副作用をしっかり理解しておく必要があります。薬剤師が個別に対応し、薬について分かりやすく説明します。
<栄養食事指導>
食事や食習慣に関することなど、管理栄養士が分かりやすく説明します。医師または看護師にお申し出ください。
<心理検査>
必要に応じて心理士による心理検査を行い、病状や特徴の評価を行います。
思春期・青年期のこころのケアで大切なこと
- 孤立しない/させない、抱え込まない、他人の力を借りる
- つらさ、病気や障害、特性を理解する
- 長い目で本人の成長を見守り、応援する
- 症状の波に過剰反応しない、一喜一憂しない
- 甘えを助長しない、反抗だけがテーマにならないようにする
- 症状に巻き込まれない、放っておくことが大切なこともある
- 病気や障害があっても、社会的責任や義務を求める(例:暴言暴力を容認しない など)
- 本人の努力を言葉にして評価する
- できているところに目を向けるような言葉かけをする
- 本人の意思や自主性を尊重する
- 尊重されること、排除されないことをメッセージとして伝える
- 夢や冒険も大切にする