スマートフォン依存・ゲーム依存の専門治療
スマートフォンの爆発的な普及により、その使い過ぎによる弊害が「スマートフォン依存」として取り沙汰されています。「スマートフォン依存」の他にも、「インターネット依存」、「ゲー厶依存(正式病名:ゲーム行動症)」がアカデミック領域やメディアで注目されています。
これらはうつや不安といったメンタルヘルスの問題と関連することがわかってきています。
当院の調査では、思春期外来を訪れた新規患者の約半数にスマートフォン依存の傾向があると判定され、さらにスマートフォン依存と社交不安との関連も示唆されました。この調査は、2022年の日本精神神経学会学術総会にて優秀発表賞に選ばれました(詳しくはコチラ)
さらに2025年には、高校生を対象にスマートフォン利用の実態を調査し、ゲーム・動画・SNSそれぞれの依存傾向と心理的特徴の違いを明らかにしました。本研究成果は国際学術会誌『Psychiatry and Clinical Neurosciences Reports』に掲載されています。(詳しくはコチラ)
また、スマートフォンゲームの「ガチャ」とギャンブルの類似性が危険視されています。この点に関して当院では英語論文を発表しました。(詳しくはコチラ(外部リンク))
東京都立松沢病院では、「スマートフォン依存」「インターネット依存」「ゲーム依存」について、特に、入院診療に力を入れて取り組んでいます。お気軽にご相談ください。
入院診療
生活リズムを整えたい、スマートフォンの使い方を見直したい、スマートフォンから離れて生活を送りたいなどの希望がある場合は、一ヶ月程度の入院治療が可能です。入院中は、スマートフォンやインターネット、ゲームの使用状況とそれに関する悩みをお聴きします。次に身体検査を実施して、身体の健康を確認します。続いて、心理検査を実施して、性格傾向や発達障害の有無、知的機能水準を調べます。これらの情報に基づき、個々の目標を立て、現在の生活を少しでも改善する方法を共に考えていきます。さらに、スマートフォン依存に関するオリジナル教材や、スポーツ・クラフトなどの作業療法に集中的に取り組むことで、リアルな活動を取り戻せるように援助します。
入院診療で期待できること
- 規則正しい生活リズムが身につけられる
- スマートフォン・ゲームをやめられない事に関する知識が得られる
- やめられない背景にある問題を一緒に考えられる
- スマートフォンやゲームの使用をコントロールする練習ができる
- 人間関係や社会生活を練習できる
- より良い生活について一緒に考えられる

