心機能検査
【安静時12誘導心電図】
心電図は、心臓の電気的刺激の伝わり方と、その刺激によって心臓が収縮した際に生じる活動電位を、安静時に四肢と胸部に付けた10個の電極で測定し、波形として記録する検査です。
心調律の評価、不整脈の診断、伝導異常の診断、心疾患の推定、心臓の器質的異常の推定、心臓の機能的異常の推定、電解質異常の判定、薬物効果の判定、体内植込み機器の評価などを目的として行います。
【ホルター心電図】
機械を携帯してもらい24時間分の心電図を記録する検査です。
不整脈の検出、胸痛や胸部圧迫感などの狭心症様症状の評価、薬の薬効、ペースメーカー機能の評価などを目的として行います。
【12誘導ホルター心電図】
ホルター心電図と同様に、機械を携帯してもらい24時間分の心電図を記録する検査です。
ホルター心電図より多くの電極(10個)を装着し、12誘導で記録することで、より詳しい検査を行います。
不整脈の検出、胸痛や胸部圧迫感などの狭心症様症状の評価、薬の薬効、ペースメーカー機能の評価などを目的として行います。
【24時間血圧測定検査(ABPM)】
携帯型自動血圧計を装着して24時間、自由行動下の血圧測定を行う検査です。
昼間は30分おき、夜間は1時間おきに血圧測定を行います。
治療抵抗性の高血圧の評価、降圧治療中の薬効評価、短期変動性や夜間血圧の評価を目的としています。
【エルゴメーター運動負荷試験】
運動しながら心電図と血圧の変化を見る検査です。
運動して心臓に負荷をかけることにより、狭心症の診断や、心疾患の重症度や予後の推定などの目的で行われます。
【LP心電図】
通常の心電図では記録困難な微小電位をかさねて記録します。
心筋梗塞などで心臓の筋肉に傷がついたり炎症や変性が起こると、その部分で心臓刺激が伝わらなかったり、伝わりにくくなります。すると心室頻拍などの不整脈を起こしやすくなり、突然死の危険性を伴います。
その危険性があるかどうかを調べる検査です。
呼吸機能検査
【呼吸機能検査(VC+FVC)】
スパイロメーターという機械を用いて、鼻から空気が漏れないようにクリップでつまみ、マウスピースという筒をくわえて、検査者の指示に従って息を吸ったり吐いたりする検査です。息を吸う力、吐く力、酸素を取り込む能力などを調べます。
ぜんそく(喘息)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患をはじめとする、呼吸器の病気が疑われるときや、その状態をみるときに行う検査です。
【特殊呼吸機能検査】
通常の呼吸機能検査に加え、検査用ガスを使用し、肺の機能をより詳しく調べる検査です
神経機能検査
【脳波検査】
頭皮・耳たぶに電極をつけ、脳の細胞が働くときに出る電気信号を、波形として記録する検査です。脳血管障害や脳炎、てんかんなどの診断や治療効果の判定を目的に行います。脳血管障害や脳炎、てんかんなどの診断や治療効果の判定を目的に行います。
【誘発筋電図(神経伝達速度)】
手や足の末梢神経を皮膚上で電気刺激し、誘発された電位を記録し、伝導速度、振幅などを測定する検査です。
MCV(運動神経伝達速度)とSCV(感覚神経伝達速度)の2種類があります。
伝導速度、振幅などを測定することによって、神経・筋の障害の有無、病変の種類、病変の範囲、重症度を評可することを目的として行います。
【聴性誘発電位(ABR)検査】
聴覚神経の伝導を音刺激で調べる検査です。
ヘッドフォンを両耳にあて、カチカチと大きめの音を聞いて、脳の音を聞く働きのどの部分に問題があるのかを推定する検査です。
超音波検査
検査装置のプローブ(超音波出力装置)から超音波と呼ばれる高い周波数の音(人の耳に聞こえない高い音)を出し、その反射で臓器の形や質、動き、血流などを見る検査です。
レントゲン撮影と異なり被曝することがないため、繰り返し検査しても体への影響がない安心な検査方法です。
【心臓超音波検査】
胸部にプローブを当てて検査をします。
心臓の形態や働きを見る検査です。心臓のそれぞれの部位(心房・心室)の大きさや壁の厚さ、弁の形などを見ます。また、心臓のポンプ機能も評価をします。
心臓超音波検査はリアルタイムで心臓の動きを見ることができる検査です。
【経食道心エコー検査】
胃カメラのように細い管を口から食道に挿入し、心臓を食道側から観察する検査です。
通常の心臓超音波検査では見えにくい心臓の奥や、心臓の弁の状態、血栓の有無などを詳しく調べる検査です。
【腹部超音波検査】
腹部や腰部にプローブを当てて検査をします。
肝臓や腎臓、胆嚢、膵臓、脾臓、大動脈等の内臓を観察する検査です。
臓器の形や大きさ、質的変化、腫瘤性病変の有無などを観察します。
【血管超音波検査】
腕や足の血管にプローブを当てて検査をします。
腕や足の閉塞性動脈硬化症の有無、深部血栓症の有無、シャント閉塞の原因などを観察します。
【頚動脈超音波検査】
首の両側の動脈にプローブを当てて検査をします。
頸動脈の動脈硬化の有無や程度、脳血管疾患の原因などを観察します。
【乳腺超音波検査】
乳房・腋窩にプローブを当てて検査をします。
乳房・腋窩の形態変化、腫瘤性病変の有無などを観察します。
血管系検査
【baPWV(上腕動脈-足首動脈間脈波伝播速度)・ABI(足関節上腕血圧比)】
四肢に血圧測定カフ、両手首に心電図の電極、胸に心音マイクを装着し血圧や脈波、心電図を同時に測定する検査です。
ABIは、足関節収縮期血圧を左右の上腕収縮期血圧の高いほうの圧で除した値です。
baPWVは上腕動脈-足首動脈の2カ所で記録した脈波を、2点間の距離と脈動の時間差から算出した値です。
閉塞性動脈硬化症(ASO)等の末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)の診断および重症度評価を目的に検査を行います。
その他検査
【尿素呼気試験検査】
診断薬を服用し、服用前後の呼気を集めて測定する検査です。
胃粘膜へのピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染の有無や除菌後判定に検査を行います。
【体成分分析検査】
四肢に電極を装着し、横になって検査を行います。
体を構成する体水分量、体筋肉量、 体脂肪量などを分析し、栄養状態や体のむくみ、身体バランスなどを評価把握できます。
【睡眠時無呼吸検査(簡易)】
機械を持ち帰り睡眠前にご自身で装着してもらい、1日分又は2日分の睡眠時の記録を行います。睡眠時呼吸障害の有無を簡易的に記録する検査です。
【終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)】
一晩の睡眠中に、呼吸が止まったり(無呼吸)、喉の空気の流れが弱くなったり(低呼吸)する状態が1時間に何回起こるのかを、複数のセンサーを装着し、記録を行います。
結果から睡眠呼吸障害の有無を判定します。