胃内視鏡検査のすすめ
胃の検査を受けていますか?
胃癌の数は減少傾向ですが、まだまだ安心はできません。
ここでは胃癌を見つけるために胃内視鏡検査のお話させていただきます。
胃内視鏡検査とは
10分程度で胃の状況を直接確認できる、最も信頼性の高い検査です。内視鏡を口や鼻から挿入して直接胃の中を見ることで、病気の診断を行います。必要に応じて生検検査を追加します。

どんな人にうけてもらいたいか
- 胃もたれや胸やけが続いている
- ピロリ菌を言われたことがある(もしくは治療したことがある)
- 血縁に胃癌の方がいる
- 健康診断で要精密検査と言われた
そのような方に検査をお勧めしています。
検査の流れ
前日の夕食は午後9時までに軽めに済ませていただきます。
そのあとは絶食としていただき、当日午前中の検査になります。
検査前に喉の麻酔(必要に応じて鼻の麻酔や眠り薬を使用するために点滴を行います)を行います。
検査時間は10分程度です。ただ、精密検査が必要になった場合にはお時間をいただきます
検査を楽に受けるために
胃の内視鏡検査はつらいという方がいらっしゃいます。それは確かにその通りです。
そのため、検査のやり方を工夫することでつらさを和らげるように心がけています。
まず、胃の内視鏡検査を大きく分けると以下の二種類があります。
・口から内視鏡を入れる
・鼻から内視鏡を入れる
さらに、これに加えて、鎮痛剤や眠り薬を使用して検査を行うこともできます。
口から内視鏡を入れて検査を行うやり方が一番オーソドックスです。
ただ、どうしても口の中を通る時につらさ(嘔吐反射)が出てしまいますので、追加で痛み止めや眠り薬を使用して検査をすることができます(この場合、検査後に薬が抜けるまで休んでいただきます)。
鼻からの内視鏡検査は口の中を通らないため、その分、嘔吐反射は少なくなります。ただ、鼻孔が細い方には不向きです(痛みや鼻血を起こすことがあります)。
また、内視鏡が細い分、口からの内視鏡に比べて画質が悪いです(昔に比べるとだいぶ良くなりましたが・・・)。そのため、精密検査には不向きです。

このように胃の内視鏡にはいろいろな方法がありますので、自分にあった方法を相談していただき、少しでも検査のつらさが和らげることができればと思います。
もし胃のできものが見つかったら
胃のできものの大半は、様子を見ていて大丈夫なポリープです。しかし、中には切除が必要なできもの(症状のあるポリープ、良性腫瘍、悪性腫瘍 など)もあります。
胃のポリープ切除は基本的には入院が必要となります。(大腸ポリープ切除は検査の時にそのまま行うことが多いという違いがあります。)
もし、手術を必要とする病気が見つかった場合には、当院の外科と連携し、いち早く手術を行えるように対応させていただきます。
(→胃癌の外科治療については 胃がんについて をご覧ください。)
内視鏡による治療

内視鏡的胃ポリープ(胃粘膜)切除術(胃EMR)
スネア(金属のわっか)を使用してポリープを切除する方法です。主にキノコのような形のポリープに対して行います。ポリープの根元に薬液を注入して、その部分をスネアで締め上げ、通電して切除します。
当院では、主に3泊4日での入院で治療を行っています。

内視鏡的胃粘膜下層剥離術(胃ESD)
高周波ナイフ(電気メス)を使用して胃のできものを切除します。胃EMRでは切除が難しいと考えられる病変に対して行います。(胃のできもので切除しなければいけないものは、キノコのような形よりも、平坦やそれに近い形のものが多く、こちらで切除することのほうが多いです。)
病変の周囲に薬液を注入して胃の壁に厚みを持たせます。そこに高周波ナイフで切れ込みを入れて、さらに病変の下に薬液を追加し、切れ込みを入れた部分から高周波ナイフを使用して病変の下をはがしてくりぬくことで病変を切除します。
当院では4泊5日での入院で治療を行っています。
(入院期間は一般的なものです。病変の状況、お身体の状況、経過によって変化します。)

他にも高周波ナイフで周囲に切れ込みを入れた後にスネアで切除する方法(hybrid ESD)など、病状に合わせて一番良い方法を選択して治療に臨みます。

