救命・救急センターの理念

多摩総合医療センターの救命救急センターは府中市、国分寺市及び国立市の一部、小平市の一部などをカバーします。基本的には病院併設型の救命救急センターですが、救急医として救命救急センターでの初療後にも可能な限り主科として入院管理を継続することと、院内重症患者管理を集中治療専門医として行なうことに強いこだわりを持っております。
第一に、昨今の救急医療は病院前診療が業界でのトピックであり、ドクターカー診療やドクターヘリ診療も重要な位置づけとなっております。病院前に早期に医師が患者に接触して医療介入を早めつつ、病院内での診療へ、シームレスな診療を継続することが重要であり、救命率も高くなることが報告されております。
また、一般市民の皆様や多くの医療従事者にとっては意外でありますが、実際に東京都における覚知から患者接触までの時間は全都道府県の中で東京都が最も長く、最下位であることが報告されており、同時に救急隊がカバーする患者数も国内で最多であることから、病院前診療が効果的な地域の一つとされます。
第二に、当救命救急センターは国内屈指のECMOセンターとしての立ち位置もあり、COVIDパンデミック期には国内最多の呼吸ECMO患者の診療を行い、現状でもそれを踏襲して、ECMO診療および病院間ECMO搬送には軸足を置いております。また、院外心肺停止患者への蘇生目的でのECMO導入、いわゆるECPRも積極的に導入して循環器内科と協力して高い脳蘇生率、社会復帰を目指しております。
また、昨今の超高齢化社会を踏まえて、救急・集中治療領域における終末期医療にも全員で取り組み、倫理的な側面や患者および家族中心の医療行為の遂行を目指して議論、多職種カンファレンスを繰り返す努力を行っております。この問題は非常にデリケートな部分も多く、方向性を誤らないように鋭意努力を続けていきたいと考えております。最後になりますが、地域の皆様から高い信頼を得ることができるような救命救急センターを目指し、患者および家族中心の医療行為を遵守することでこの地域を守る最後の砦の役割を果たして行きたいと考えております。
救命・集中治療科の業務内容
当診療科は日本救急医学会専門医、指導医および日本集中治療医学会専門医を中心として構成されます。
救命救急センターとして、20床を有し、都立病院の使命である伊豆諸島、小笠原諸島などの島しょ地域からも患者を受け入れています。
救急関連業務
- 3次救急(救命)対応を中心とした業務
- 重症外傷、重症熱傷等への対応
- 重症呼吸不全、重症循環不全、急性中毒等への対応
- 総合診療科との連携による1-2次救急対応
- ドクターカーやドクターヘリの運用など
集中治療関連業務
- 重症敗血症や多臓器不全の管理
- Mechanical Circulatory Support(MCS)
- Rapid Response System(RRS)
- 心臓血管外科、一般外科などの重症の周術期管理
ECMOセンター
- ECMO導入や管理
- 病院間ECMO搬送
- ECMOコンサルテーション
多職種連携
救命救急センターにおける多職種連携は、患者の迅速かつ適切な治療を提供するために極めて重要です。緊急の状況下では、医師、看護師、救急救命士、薬剤師、理学療法士など、さまざまな専門職が連携し、それぞれの専門知識と技術を活かして患者の治療にあたります。この連携により、初期対応から治療、リハビリテーションに至るまで、患者に最適なケアを迅速に行うことが可能となります。また、多職種の協力によって、患者の状態を総合的に把握し、治療方針の決定や急変時の対応を円滑に行えるため、患者の予後を改善するためにも欠かせません。チーム一丸となって患者の命を守ることが、私たちの使命です。
数字で見る救命救急センター(2023年度)
三次救急応需
0件

心肺停止症例
0件

東京都ドクターヘリ受け入れ件数
0件
ドクターカー出動件数
0件

スーパー母体
0件

ICUへの入院患者数(特定集中治療室管理料1)
0件

Rapid Responce System
(新規入院1,000人あたり11.0件)
0件

数字で見る救命救急センター(累計版)

ECMO件数
0件
Primary Transport
0件