検査科 (技術部門)
基本方針
検査科は安全で質の高い患者本位の医療を提供するため、日々正確で迅速な検査結果の提供に取り組んでいます。
臨床検査は、患者さんに直接おこなう生理機能検査と患者さんから採取された血液や尿・便などの検査材料(検体)を検査する検体検査に分かれます。各部門は下記のように配置されています。
病棟2階:生理機能検査室と尿などの検査を行う一般検査室、病理検査室、外来患者さんの採血を行う中央採血室が設置され、臨床検査技師と看護師が採血業務に従事しています。
診療棟3階:検体検査部門の輸血検査室、細菌検査室、血液検査室、生化学検査室があります。
各検査室の業務内容に関しては、以下をご覧ください。
業務内容
生理機能検査
生理機能検査は心電図、ホルター心電図、運動負荷心電図、CPX(心肺運動負荷試験)、脳波検査、呼吸機能検査、腹部・体表超音波検査、心臓超音波検査、聴性脳幹反応(ABR)、神経電導検査、尿素呼気試験等を実施しています。
生理検査室では多くの検査を予約制にすることで待ち時間の短縮を図っています。加えて、診療の要望にあわせて予約外の検査も積極的に受け入れています。職員一同、患者さんが安心して検査を受けられるようにサービスの向上に努めています。
また、各診療科と連携し、エコーガイド下生検や経食道心臓超音波検査、運動負荷心臓超音波検査、CPX等の検査を取り入れ、医療チームの一員として役割を果たすべく、取り組みを行っています。


一般検査
一般検査室は尿・糞便を検査材料として尿検査、便潜血検査・寄生虫検査を実施しています。2022年からは尿トリプシノゲン検査を開始しました。また、採血室・採尿室の管理・運営、血液ガス検査及び院内に整備されている血液ガス分析装置のメンテナンス・管理も担当しています。
血液ガス分析装置に関しては、院内の装置をLAN回線で結んだ監視システムを導入することで総合的なメンテナンス体制を構築しています。


病理検査
病理検査室は、病理医とともに組織診検査、細胞診検査、術中迅速診、病理解剖等を行っています。検査結果の迅速な報告を心がけ、生検は平均4日で結果を報告しています。
地域の開業医も参加するCPCは、ほぼ2ヶ月に一回、1年で計6回開催しています。
中央採血室
中央採血室は臨床検査技師と最大7系列で対応しています。検査科全体の協力で採血応援体制を構築し、化学療法を受ける患者さんの緊急採血や、診察前検査に対応するとともに、接遇向上に努めています。また、日本臨床検査標準化協議会が提唱する「標準採血法ガイドライン」GP4-A3に則った採血方法を取り入れ、より安全な採血を心がけています。


輸血検査
輸血検査業務につきましては、輸血科のページをご覧ください。
細菌検査
各種検査材料の顕微鏡検査(グラム染色・抗酸菌染色)や培養を実施し、一般細菌、抗酸菌、真菌等の同定・感受性検査を行い、臨床細菌情報を提供しています。各種迅速検査や結核・非結核性抗酸菌の遺伝子検査、血液、呼吸器や髄液検体の病原体核酸検査を実施し診断の迅速化を図っています。
日常検査と同時に耐性菌のサーベイランスに努め、MRSAなどの耐性菌や結核菌の検出状況、インフルエンザ抗原検査陽性率などの週報および月報、6ヶ月毎に検出菌に対する感受性率(アンチバイオグラム)などを発信しています。これらの情報は院内感染予防対策委員会に定例報告するほか、電子カルテの掲示板を活用し、リアルタイムに情報提供しています。また、JANIS(厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業)に参加し、電子カルテに還元情報の掲示を行い、情報の共有化を図っています。また、感染制御認定臨床微生物検査技師を中心にインフェクション・コントロール・チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)、感染管理室のメンバーとして、院内感染予防対策に参画しています。


自動化部門(生化学・免疫・血液検査)
当院の採血管のラベルはICチップが入っているものを使用しており、採血から検査結果報告までシステムで管理しています。生化学・免疫検査は検体搬送システムを導入しており、生化学分析装置と化学発光酵素免疫測定装置を接続することで、迅速かつ安全で効率的な検査が行われています。血液検査では、各種装置を用いて血球計測、血液像検査、血液凝固検査などを実施しています。また、骨髄検査では、血液内科医とともに迅速な結果報告を心がけています。末梢血幹細胞移植では、幼若細胞表面マーカーであるCD34を院内測定することで、輸血科へのサポートを行っています。
ERやNICU、病棟のPOCT検査機器(CRP、ビリルビン、血糖、アンモニアなど)のメンテナンスや出張検査を担当するほか、遺伝子診療科や治験事務局との連携を通じ、チーム医療の推進に貢献しています。
なお、日本臨床衛生検査技師会が実施する精度保証施設としての認証を取得しております。




休日・夜間の業務体制
休・祝日・夜間の検査は少人数の技師で検体系検査、輸血検査、新型コロナウイルスのPCR検査や抗原定量検査、結核菌塗抹検査、インフルエンザ迅速検査などに対応しています。
施設認定
- 精度保証施設認証(日本臨床衛生検査技師会)
- 研修施設認定証(認定臨床微生物検査技師制度)
- 研修指定施設認定証(日本脈管学会認定)
- 施設認定証(日本臨床細胞学会)
- 指定施設認定証(日本輸血細胞治療学会認定医制度)
- 研修施設指定証(日本超音波医学会認定超音波専門医制度)
2025年10月9日 最終更新