研修案内(糖尿病内科)
当科での研修をご検討いただいている方へ
当院は、がん・感染症について専門診療を行う総合病院です。当科は、それに併存しているまたは新たに合併した、代謝内分泌領域の診療を行っています。2025年10月から2025年3月までの半年間、遺伝子診療科を除く全診療科から当科への院内紹介がありました(図1)。遺伝子診療科へも、遠からず、当科からご紹介させていただくはずです。

当科の特徴
当科の診療患者数は、2025年01月現在、1日あたり平均で約35名(入院併診患者と外来患者がほぼ半々)、1か月あたり約400名です。直近半年間、月ごと次第に増加しています(図2)。入院併診患者さんの多くは糖代謝異常ですが、当科に併診依頼があるのは糖代謝異常の一部に限られ、現状であれば依頼の必要は特にないと判断されれば各科で継続管理されます。当科に院内紹介となりやすいのは、インスリン皮下注射を要する患者さんの血糖管理についてですが、一般総合病院と比較すると当院では、糖尿病ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群などの急性代謝失調は少数です。当院では、各種のがん化学療法に伴うステロイド性糖尿病が半数~2/3、次が周術期血糖管理で、免疫チェックポイント阻害薬による内分泌障害、それ以外の下垂体-副腎皮質機能低下症や甲状腺機能異常、そして膵切除後の膵性糖尿病は多いです。

他診療科との連携
現在、多発性内分泌腫瘍は消化器内科に、下垂体腫瘍に関連した内分泌管理については脳神経外科に、甲状腺腫瘍は頭頚部外科と放射線治療科に、皮膚癌の各種治療における内分泌障害は皮膚腫瘍科に、性腺は各当該科に、骨密度関連は整形外科に、それぞれお願いしていますが、多臓器の中で内分泌代謝連関を統合的に理解しようとする姿勢(“Network Medicine”)は、極めて重要です。
研修制度
当科の臨床研修は現在、当院の初期研修医(ジュニアレジデント)のみを対象としています。近年、糖尿病内科、腎臓内科も躍進めざましく、その最新の統合的代謝管理を、内科系・外科系によらず、初期研修期間中に”糖内・腎内合同”の臨床研修(初期研修)1か月間プログラムで学んでいただくことができます。
都立病院機構医師アカデミーにおける内科系後期研修(専攻医・シニアレジデント)では、機構内の他の総合病院で、糖尿病・内分泌内科や代謝内分泌内科を選択していただくことをお勧めしています。がん・感染症の専門病院での短期研修を望まれる方は、当院でも、日本専門医機構 糖尿病・内分泌領域を選択していただけますので、当院までご連絡ください。
最終更新日:2025年7月