生体腎移植とは

当院では平成21年4月より生体腎移植を開始しました。

生体腎移植と献腎移植の違い

腎移植を行うためにはドナーといわれる腎臓の提供者が必要となります。生体腎移植の場合、ドナーとなる方は一般的には健康な親族の方で、自ら提供の意志のある方が候補となります。最近は夫婦間での腎移植が増加傾向にあり、また血液型不適合でも移植可能となっています。外来や人間ドックにおいて様々な検査を行い、医学的に問題がないことを確認します。手術に関しては、当院では内視鏡による手術を行っています(図 1) 。従来のお腹を開ける手術と比較すると、筋肉を大きく切開する必要がないので痛みが軽くて済み、術後も 3-4 日で退院可能です。

レシピエントの方はドナーとの相性を判断するクロスマッチ検査を行いますが、これに関しては東京女子医科大学に依頼しています。クロスマッチ検査に大きな問題がなければ、ドナーと同様に外来において様々な検査を行い、移植が安全に施行できるか確認します。ドナーから頂いた腎臓は一般的には右の下腹部 ( 腸骨窩と呼ばれるところ ) に移植します(図 2) 。通常、移植後すぐ尿が出始めますので、重大な合併症がなければ透析をやめることになります。

腎移植の一番の長所は透析療法と比較して長生きできる点と、生活の質が改善される点です。逆に短所はドナーという健常人の方から腎臓を頂く点と、拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を終生内服する必要があるということです。末期腎不全の治療は透析療法か腎移植の 2 つの治療法しかありません。どちらの治療を選択していくか腎臓内科医、透析医、移植医等とよく相談し、治療法を選択していくことが重要です。

これから移植を考えようとする方でご不明な点がありましたら、遠慮なく当院外来を受診して頂ければと思います。

生体腎移植