大腸がんかなと思ったら

大腸がんについて

大腸がんは大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、日本で最も罹患者数が多く、死亡者数も多い悪性腫瘍です。
しかし早い段階で診断できた場合、適切な治療で根治が目指せるがんでもあります。ぜひ定期的な健康診断を受けて、便潜血検査などの異常があれば、大腸内視鏡検査を受けましょう。

症状

早期の段階では自覚症状はほとんどありません。進行して大きくなると症状が出ることが多くなります。大きくなっても症状がないこともあります。

  • 便に血が混じる
  • 貧血の症状(めまい、たちくらみ、息切れなど)
  • 便秘や下痢、便が細くなる
  • 便が残る感じがする
  • 腸閉塞(便やおならが出なくなる、腹痛や嘔吐)

便に血が混じるなどの症状は、痔かな、と放置する方も多く、肛門の診察を避けたい気持ちもあって受診を控える方も多いです。
しかしそのままにしておくとがんが進行してしまいます。できるだけ早くがんを発見するため、気になる症状がある方はぜひご相談ください

検査(診断から治療方針決定まで)

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

直接腸の中を確認する事ができるので、病気が見つかった場合に組織検査などの精密検査がその場で行えます。さらに、その場でポリープを切除することもできます。また大きさや形などから癌の深さが診断できます。

大腸カメラ

組織学的検査(顕微鏡検査)

内視鏡検査の時に、病変から組織を少し採取し、顕微鏡で観察します。これによりがんの診断が確定します。

胸部、腹部CT検査 

がんの広がりを調べます。リンパ節や、肝臓、肺、腹膜、骨など大腸ではない遠隔の臓器への転移を主にみます。

大腸CT検査

MRI検査(肝臓、骨盤)

CTでわかりにくかった肝臓への転移をさらに詳細に調べることができます。また直腸がんでは骨盤の中で周囲の臓器に広がっていないか、また骨盤のリンパ節に転移がないかなどをみます。

超音波検査

造影剤を使用したCTやMRI検査ができない患者さんなど、肝臓への転移があるかどうかを超音波検査で確認することができます。

PET検査

他の検査で診断がつかない転移を疑う病変などの判断のために行う検査です。

治療方法

基本的に大腸癌治療ガイドライン(2024年版)に沿って治療方針を決定しています。しかし、年齢、基礎疾患、体力、ライフスタイルなどさまざまなことを考慮し患者さんと話し合い、一緒に方針を決定しています。
大腸がんの治療には主に内視鏡治療、手術、抗がん薬、放射線療法などがあります。

 内視鏡治療

早期のがんで、リンパ節転移がなく、壁の深さが浅いと診断されたがんに対して内視鏡(大腸カメラ)で病変を切除することができます。内視鏡的大腸粘膜切除術(EMR)、内視鏡的大腸粘膜下層剥離術(ESD)などの治療法があります。手術と異なりお腹を切る治療ではありませんので、患者さんへの体の負担が少なく、ほぼ根治が可能です。組織学的検査の結果によっては後に手術が必要になることがあります。

詳しくは消化器内科ページをご覧ください 

手術治療

ステージ0-III期のうち、内視鏡治療の適応にならない場合は手術治療になります。がんができた場所によって大腸の切る範囲など(術式)は異なります。手術の原則はがんを含めた前後の腸管と、リンパ節の切除です(リンパ節郭清)。

当院では大腸がんの手術を腹腔鏡で行っています。腹腔鏡とは、おなかを大きく開けて行う開腹手術と異なり、小さな傷でお腹の中を腹腔鏡というカメラを使用しながら行う手術です。高度な技術を要しますが、より緻密な操作が可能で出血量も大幅に少なくすみます。ただし、患者さんの病状や周囲の臓器との関係などの要因で、開腹手術の方が良い場合もあります。安全で確実な手術を行うため、最適な方法を選択します。術後の入院期間は患者様ごとに異なりますが、順調であれば1週間程度で退院可能となります。 

詳しくは消化器外科ページをご覧ください。

化学療法(抗がん薬治療)

大腸がんの化学療法には、手術後の再発を防ぐ目的で行う補助化学療法と、切除不能進行がん、再発大腸がんに対して行う化学療法があります。
補助化学療法は手術でがんが取りきれたステージIIIの大腸がんの患者さんが適応になり、化学療法を行う期間も決まっています。
進行再発大腸がんに対する化学療法はたくさんの種類があり、期限は決まっていません。治療の流れの中で効果と副作用、患者さんのライフスタイルなども考慮して薬剤を変更しながら継続していきます。

放射線療法

がんが骨盤内などで再発し、手術などの適応にならない場合、出血や疼痛の緩和目的に放射線照射を行うことがあります。

入院までの流れ 

当院では初診の当日から可能な検査はなるべく早く行い、確定診断、ステージ診断を行います。外科、内科で検査結果を共有しカンファレンスで検討し、治療方針を決定しています。
手術までの期間は、進行がんでは早くて初診から2週間程度、遅くても必ず1か月以内に行います。早期がんの患者さんもなるべく早く治療を予定しますが、お仕事やご家庭の状況も含めて日程を相談して決めております。

令和8年4月17日更新