胃がんについて
胃がんの原因の多くはピロリ菌です。ピロリ菌感染の減少や除菌の普及により、胃癌は減少傾向にあります。ですが、ピロリ菌の除菌をしても胃癌になる可能性がゼロにはならず、油断はできません。特に、ピロリ菌を指摘されたことがある人は、定期的な胃カメラを受けていただけたらと思います。
症状
早期の段階では自覚症状はほとんどありません。進行して大きくなると下記のような症状が出ることが多くなりますが、大きくなっても症状がないこともあります。
- 胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振
- 貧血の症状(めまい、たちくらみ、息切れなど)
- 黒い便(タール便)
- 食事がつかえる、体重が減る
このような症状がある方は、胃カメラの検査を受けてください。
検査(診断から治療方針決定まで)
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
直接胃の中を確認でき、病気が見つかった場合には組織検査などの精密検査がその場で行えます。ピロリ菌感染が疑われるかどうかもわかります。内視鏡は、口から入れる以外にも、鼻から入れる方法や、眠り薬を使用して検査をする方法もあります。自分にあった方法を相談していただき、少しでも検査のつらさを和らげることができればと思います。
詳しくは消化器内科ページをご覧ください。

組織学的検査(顕微鏡検査)
内視鏡検査の時に、病変から組織を少し採取し、顕微鏡で観察します。これによりがんの診断が確定します。
胸部、腹部CT検査
がんの広がりを調べます。リンパ節や、肝臓、肺、腹膜、骨など胃ではない遠隔の臓器への転移を主にみます

MRI検査(肝臓)
CTでわかりにくかった肝臓への転移をさらに詳細に調べることができます。
超音波検査
造影剤を使用したCTやMRI検査ができない患者さんなど、肝臓への転移があるかどうかを超音波検査で確認することができます。
PET検査
他の検査で診断がつかない転移を疑う病変などの判断のために行う検査です。
治療方法
原則として、最新の胃癌治療ガイドライン(2025年3月改訂)に沿って治療方針を決定しています。しかし、年齢、基礎疾患、体力、ライフスタイルなどさまざまなことを考慮し患者さんと話し合い、一緒に方針を決定しています。胃がんの治療には主に内視鏡治療、手術、化学療法(抗がん薬治療)などがあります。
内視鏡治療
早期のがんで、リンパ節転移がなく、壁の深さが浅いと診断されたがんが適応になります。内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)という方法で、胃カメラを使用して病変を切除します。治療後も胃の大きさ自体は変わりませんので、体への負担は小さい治療になります。当院では4泊5日で行っています。組織学的検査の結果によっては追加で手術が必要になることがあります。
詳しくは消化器内科ページをご覧ください。
手術治療
ステージI-III期のうち、内視鏡治療の適応にならない場合は手術治療になります。がんの発生した場所によって、胃を切除する範囲が変わります。主な術式として幽門側胃切除、噴門側胃切除、胃全摘があります。

また、胃がんの根治手術では、転移の有無に関わらず、転移しうる場所にある胃の周りのリンパ節は胃とともに切除します(リンパ節郭清)。
当院では胃がんの手術も腹腔鏡で行っています。小さな傷で、腹腔鏡というカメラを使用しながら行う手術です。高度な技術を要しますが、より緻密な操作が可能となります。傷も小さいので術後の痛みも少なく、また整容面にも優れます。ただし、がんの進行度によっては開腹手術の方が良い場合もあり、安全で確実な手術を行うため、最適な方法を選択しています。術後の入院期間は患者様ごとに異なりますが、順調であれば1~2週で退院可能となります。
詳しくは消化器外科ページをご覧ください。
化学療法(抗がん薬治療)
胃がんの化学療法には、手術後の再発を防ぐ目的で行う補助化学療法、切除不能・再発胃癌に対して行う化学療法、手術を前提に手術の根治性を上げるために行う術前化学療法があります。
補助化学療法は手術でがんが取りきれたステージII/IIIの胃がんの患者さんが適応になり、手術後1年間を目安に化学療法を行います。
進行再発胃がんに対する化学療法にはたくさんの種類があります。患者さまひとりひとりの胃癌の組織検査の結果に基づいて、抗がん薬や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを組み合わせて治療を行います
入院までの流れ
当院では初診の当日から可能な検査はなるべく早く行い、確定診断、ステージ診断を行います。外科、内科で検査結果を共有しカンファレンスで検討し、治療方針を決定しています。
手術までの期間は、進行がんでは早くて初診から2週間程度、遅くても必ず1か月以内に行います。早期がんの患者さんもなるべく早く治療を予定しますが、お仕事やご家庭の状況も含めて日程を相談して決めております。
令和8年4月17更新

