院内がん登録

院内がん登録

◆ 院内がん登録とは
 院内がん登録とは、各病院で「がん」と診断または治療されたすべての患者さんについての情報(年齢、性別、がんの種類、ステージ、治療方法等)を一定のルールに基づいて収集・登録する仕組みです。
 院内がん登録は「がん登録等の推進に関する法律(平成25年法律第111号)」及び「院内がん登録の実施に係る指針(平成27年厚生労働省告示第470号)」に基づいて、国立がん研究センターが実施する研修を受講し、認定試験に合格した「院内がん登録実務者」が行っています。これらのデータは現在毎年、全国の施設におけるがん医療の実態把握のために、当院が保持する対応表が無い限り個人が識別できない状態のデータとして国立がん研究センターに提出され、毎年「院内がん登録全国集計データ」として公表されています。
 患者さんの個人情報については、「個人情報保護法」や各種個人情報保護に関する決まりにより適切に保護・管理され、個人が特定されるような形で公表されることはありません。

 院内がん登録3つのメリット
 1.病院ごとの特徴や課題が明らかになり医療の質向上や研究の資料になる
 2.国や地方公共団体ががん対策を計画・実施する際の根拠となる
 3.集計を使って受診先選択の参考とすることができる

◆ 院内がん登録全国収集データの二次利用について

  • 国立がん研究センターに提出された院内がん登録データは報告書を作成するだけでなく二次利用としてたとえば、下記のような利用を想定しています。
     [1]データのより詳細な集計や研究解析を行って実態を検討する
     [2]全国規模で対象を選び病院からアンケートをお送りして意見をうかがうなどの活動を通じて、国全体で、より良いがん医療、がん対策に役立てる。
  • 二次利用は、定められた審査を経て行われます。
     なお、個別の研究については、各研究者の所属機関における倫理審査委員会の指示に従い情報公開等が行われます。
  • 二次利用として提供される情報は、発見経緯、病名告知の有無、体のどの部分にどのようながんができたか(例:部位、進展度、病期[ステージ])などの腫瘍に関する情報や外科的治療の有無、放射線療法の有無、化学療法の有無、経過観察の選択の有無等の治療情報などです。

◆院内がん登録のオプトアウトについて
 ご自分の関する情報が、二次利用に使われたくない場合は拒否(オプトアウト)の機会が提供されていますので、下記窓口にお申し出ください。
 当院のデータベースにその旨を記録するとともに、国立がん研究センターと連携して、二次利用を行わないようにいたします。手続きに際し、以下の点についてご理解いただきますようお願いします。

【当院窓口】 1階医事課 医療情報担当
 電話番号 042-300-5111(代) 
  • 小児総合医療センターにおけるオプトアウトは、申出をいただいた当院から国立がん研究センターに提出されたデータ分のみです。他院に受診されてその施設からのデータ提出分も拒否をされる場合は、そちらへ直接お申し出ください。
  • 現在行っている解析課題は国立がん研究センターのホームページで閲覧可能です。
  • 国立がん研究センターで解析のために研究者等にデータを提供する際には、提出元と結びつけられる情報は削除します。そのため、この状態になって提供済みのデータについては、追跡が不可能なため削除できません。
  • オプトアウトを申出されたことによる、患者さんの診療に影響することはありません。
  • データは、小児総合医療センターで行われた診療内容ですので、その内容については、担当の医師に直接お尋ねください。

◆その他
 院内がん登録のデータの管理や制度の詳細については、国立がん研究センターの下記ホームページをご覧ください。
 また、必要に応じて問い合わせフォームもご活用ください。

 院内がん登録について (右のQRコードをご利用ください)            
 https://ganjoho.jp/public/institution/registry/hospital.html(外部リンク)
 がん情報サービス お問い合わせフォーム
 https://contact.ganjoho.jp/form/pub/ganjoho/contact(外部リンク)
 

◆参考
 ポスター(PDF 222.5KB)

院内がん登録集計結果

  • 各集計表において、集計値が10件以下の場合、個人が特定される可能性が高い反面、患者さんやご家族などに対して有用な診療情報を提供するため、1件以上10件未満の場合は、1~3件、4~6件、7~9件として公表し、10件以上は実数で公表します。

男女比

  • 表1 (単位:人)
    2019年5034
    2020年5851
    2021年5739
  • グラフ1(単位:人)

    当院の特色としては、患者さんはやや男児の方が多いです。

年齢別男女比

  • 表2(単位:人)
    0-14歳AYA(15-39歳)
    2019年47341~30
    2020年55451~34~6
    2021年573701~3
    AYA・・・「Adolescent and Young Adult」の略で「思春期および若年成人」という意味であり、15歳~39歳を対象にしています。

  • グラフ2 (単位:人)

    男58%(159例)、女42%(116例)

  • グラフ3 (単位:人)

    男43%(6例)、女57%(8例)

男女別の年齢階級別罹患数(2019~2021年)

  • 表3(単位:人)
    年齢
    0-4歳9470
    5-9歳3826
    10-14歳2720
    15-19歳4~64~6
    20-24歳1~34~6
    25-39歳1~30
  • グラフ4 (単位:人)

    年齢が0-4歳の症例が最も多く、年齢が上がるにつれて少なくなっています。

診断時住所内訳

  • グラフ5 (単位:人)

    多摩北部、多摩南部から来院される患者さんが多いのが特徴です。
    東京都における小児医療の拠点としての役割を果たしているので、近隣の埼玉県や神奈川県にお住いの患者さんも多い傾向が伺えます。

  • 図1

部位別登録数

  • グラフ6 (単位:人)
  • その他(眼、胃、肝臓、口腔、胸腺、卵巣など)
  • 部位別では、脊髄、脳神経、造血器、脳が多い傾向となっています。

診療実績

  • 表4(単位:人)
  • MDS・・(骨髄異形成症候群)赤血球、白血球、血小板などの血液細胞のもとになる造血幹細胞に異常がおき、正常な血液細胞がつくられなくなる病気です。
  • MPD・・小児骨髄異形成症候群
  • CML・・慢性骨髄性白血病
  • ホジキンリンパ腫・・・リンパ球のがんである悪性リンパ腫の種類の1つで、白血球の中のリンパ球ががん化する病気です。
  • 組織球症・・(LCH)ランゲルハンス細胞は樹状細胞のひとつで、病源体などを認識して周囲の細胞に情報を伝えからだを守る免疫システムです。LCHとは、ランゲルハンス細胞と同じ形質を持った異常なLCH細胞が増殖して、皮膚や骨、内臓などさまざまな部位に多彩な症状をきたす病気です。