炎症性腸疾患（IBD）センター

炎症性腸疾患（IBD）センター長からのごあいさつ

炎症性腸疾患（IBD）センター長
細井　賢二 

東京都立小児総合医療センターでは、これまでも炎症性腸疾患のお子さんに対して消化器科を中心に外科、臨床遺伝科、心療内科などの診療科や看護師、栄養士、心理士、ソーシャルワーカーなどの医療従事者による包括的診療を行ってきましたが、今回、小児総合医療センターの特色をより効果的に提供するために炎症性腸疾患（IBD）センターを開設いたしました。
IBDとは、クローン病と潰瘍性大腸炎に代表される消化管に慢性炎症を生じる疾患です。クローン病と潰瘍性大腸炎の原因・病態の全容はいまだ解明されておらず、指定難病や小児慢性特定疾病の対象疾患です。IBDは世界的に増加傾向にあり、日本においても年々増加しています。IBDは、慢性に経過し再発を繰り返すことから、お子さんにおいては学校、部活動などの社会生活に支障をきたし、生活の質が低下することも少なくありません。成長発達段階において、学校生活や部活動などの果たす役割は大きく、これらの問題を解決するためには病気の治療だけでなく、疾患に対する理解や心理的な支援、適切な栄養管理、地域医療・福祉・教育機関との連携が不可欠であり、多職種による総合的な関わりが重要となります。このように多様な医療的ケアを必要とする小児IBD診療に対応するため、炎症性腸疾患（IBD）センターでは先進医療を提供するだけでなく、小児の総合病院である特色を活かし、多職種が連携し包括的な医療・支援をIBDの子どもたちに提供できるチーム医療を実践して参ります。

医師紹介

炎症性腸疾患（IBD）組織図