成人移行支援について

 成人移行支援という言葉を聞かれたことがありますか?

 当院では、小児期発症の慢性疾患を持つお子さまも治療しています。お子さまが成人年齢に達するその時までに、自立した健康管理が培われるよう支援し、準備をして成人診療施設につなげたいと考えています。ちょうどこれは、子どもが自立して親から離れていくことに似ています。この過程で行う自律・自立に向けた支援を成人移行支援といいます。

 なぜ、このように成人診療科への転科、転院が必要なのでしょうか?第1に、成人期特有の合併症や併発する疾患を適切に診療するためです。当院の施設では成人期に多い、がんや脳梗塞などの生活習慣病に対応することは困難です。第2に、成長・発達を踏まえた診療から、ひとりの成人として接する診療への変化が必要なためです。一般社会で主体的に参加できるように成人診療科と連携し支援することは、小児の慢性疾患すべてに共通する大きな目標です。

 成人移行支援の重要性は、最近、国内でも注目されています。当院の成人移行外来では、医師と成人移行担当看護師、多職種による支援体制を構築しています。

 こうした支援の中核は、お子さまにとって必要なセルフケアの自立と、病気を理解し、自分で治療の選択をする力を促すための自律支援です。成人移行外来では、移行プログラムに則り、計画的に支援しています。また、診療においては、「家族中心の診療スタイル」から「患者中心の診療スタイル」に移行し、発達に応じた病気の説明をしております。お子さま・ご家族の方には、自律・自立支援の重要性を特に理解していただくために成人移行支援のリーフレット(PDF 640.3KB)を用意しております。

 当院は、これからもより成人移行支援の推進に力を入れてまいります。

                                                                              

(図1)成人移行支援のプログラムとタイムライン(注)下記よりダウンロードいただけます。
成人移行支援のプログラムとタイムライン(PDF 289KB)

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