通院治療センター

通院治療センター

通院治療センターの概要

 通院治療センターではがん患者さんに対するがん薬物療法、リウマチなどの膠原病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に対する分子標的薬治療を行っております。従来は外来化学療法室の名称でしたが、令和4年7月の地方独立法人化を機に通院治療センターと改称して運用を行っております。
がん治療の3本柱は、手術(外科的治療)、薬物療法(抗癌剤等による治療)、放射線療法ですが、近年、各種分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場によりがん薬物療法は飛躍的な進歩を遂げております。治療効果の改善、生存期間の延長に伴いがん薬物療法を受けられている患者さんの数も増加の一途をたどっているのが現状です。また、従来は入院して治療を受けられることが多かったですが、患者さんの日常生活の一部にがん薬物療法が組み込まれるという考えから最近は外来で治療を行うことが主体となってきており通院治療センターの需要は年々高まってきています。令和4年5月からは従来午前10時であった治療開始時間を9時半に早め、同年7月からはこれまでの16床を20床に増床して需要増加に対応しています。

通院治療センターにおける治療実施件数
通院治療センターにおける年度別治療実施件数
通院治療センターにおける新規患者人数
令和4年4月以降利用患者内訳
令和4年度以降利用患者数内訳
令和4年4月以降利用患者内訳
現利用患者 臓器別内訳
画像なし

施設

 通院治療センターは新棟2階にあります。窓も大きいことから明るくて清潔な印象を与えるスペースとなっています。ベッドとリクライニングチェアがあり、患者さんの状態やご希望によりいずれかにて治療を受けていただきます。ベッド(リクライニングチェア)はカーテンで仕切られたスペースとなっており、プライバシーを確保した配置とすることで治療を受けている間も患者さんが少しでもリラックスして過ごしていただけるよう配慮しております。各ベッド(リクライニングチェア)には小型テレビも設置されており、患者さんには好きな時に自由にテレビ番組を視聴することで、長時間の治療でも気分転換を図っていただくことができます。患者さん自身のスマートフォンやタブレットを使用していただくことも可能です(テレビ、タブレットなどを使用する際にはイヤホンを使用していただきます)。通院治療センター内でのスマートフォンや携帯電話での通話はご遠慮いただいております。
 また、治療中に患者さんご自身で用意していただいた軽食を取っていただくことも可能です(においの強い食品の持ち込みはご遠慮いただいております)。

通院治療センター1
通院治療センターの様子
通院治療センター2
通院治療センターに向かう渡り廊下には、葛飾北斎の版画も飾られています

通院治療センターでの薬物療法の流れ

通院治療センターでの治療の流れは以下のようになります。

  1. 初めて通院治療センターを利用される患者さんは予め(もしくは初回治療当日)DVDなどを用いたオリエンテーションを受けていただきます。
  2. 治療日に来院したらまず各科の外来にて医師の診察を受け(必要に応じて診察前に血液検査、レントゲン検査などがあります)、当日の薬物療法実施に支障がないことを確認します。
  3. 各科の医師の診察が終わったら新棟2階、通院治療センターに移動していただきます。
  4. 通院治療センターにて薬物療法を実施します。必要に応じて輸血や抗生剤投与などの治療も受けていただくことがあります。
  5. 全ての治療が終了したら、会計をして帰宅します(治療終了が17時を過ぎる場合には次回診日に会計していただくこととなります)。

通院治療センターにおける多職種による管理

通院治療センターで治療を受けていただいている間には看護師による全身状態管理だけでなく、薬剤師による服薬指導も行っており、患者さんの訴えや有害事象などの情報を各科主治医にフィードバックし情報の共有を行っております。また、がん患者さんの栄養状態は治療継続可否に大きな影響を及ぼすことから栄養士による栄養指導も行っております。「食べること」に関してお悩み事がありましたらスタッフにご相談ください(当日の状況によってはその日に栄養指導を受けられないこともあります)。

薬物療法によるB型肝炎ウイルス再活性化予防の取り組み

 薬物療法を受けることによりB型肝炎ウイルス(HBV)に現在感染している(現感染)、あるいは過去に感染したことがある(既感染)患者さんにおいてHBVが再活性化する危険性があることが報告されています。特に既感染者において再活性化した場合には適切な対策が取られない場合には重篤な肝障害を来すことが知られています。薬剤によって再活性化が起こる頻度が高いものとそうでないものがありますが、通院治療センターでは薬剤科とも協力して全ての患者さんに対してHBV感染の有無を調べ、現感染もしくは既感染の患者さんにおいては各科の主治医と連携してHBV再活性化予防の取り組みを行っております。

 図3)免疫抑制・化学療法により発症する4B型肝炎対策ガイドライン

2024年4月11日 最終更新