救命救急センター

特色・専門領域

当センターは救急・災害医療、島しょ医療に携わり、救急救命センターICU(130病棟)8床、HCU(120病棟)22床のベッドコントロールを行い、入院管理をしています。渋谷、目黒、品川、港などの都区域に加えて、伊豆諸島、小笠原諸島からの航空医療搬送に対応しており、入院管理はICUから入院病棟まで、多発外傷、ショック、呼吸不全、敗血症、薬物中毒、熱傷、各種感染症など多岐にわたり、ERでの標準化した初期診療から専門診療にスムーズに移行できる体制となっています。
 2002年の東京ER開設以後、東京消防庁からのホットラインでの収容要請は常に高い応需率を維持しています。

離島救急については、年間200件を超える航空機搬送の受け入れだけでなく、島しょ医療機関との画像伝送ネットワークによる診断補助や救急医師派遣なども行っています。また東京23区唯一の広域基幹災害拠点病院として、多数傷病者対応訓練やCBRNE(chemical, biological, radiological, nuclear, explosive)災害対策訓練を毎年行っています。

3次救急だけの研修ではなく, 1・2次救急や一般病棟管理, ドクターカーによるプレホスピタル活動, 島しょ医療への関わり, 災害研修, などで総合診療能力を養いつつ, 島しょ医療機関のような限られた医療資源の環境でも役立てる救急医の要請を目標にしています。

救急救命センター
救急救命センター
救急救命センター
救急救命センター

主な医療設備

2017年にERを改築しました。ERおよびセンターICUと同フロアーに、救急専用の放射線画像撮影室(一般撮影、320列ADCT)、島しょ画像伝送室があります。救急初療室には人工呼吸器、麻酔器、緊急手術器具、血液ガス分析装置、超音波診断装置、急速輸液/輸血加温装置等、 膜型人工心肺(ECMO)、内視鏡装置などを配置しています。基幹災害病院として屋上ヘリポート、NBC対応除染テントや防護服、検知キットなども有しています。

主な医療設備
主な医療設備

ドクターカー

2020年よりドクターカーの運用を開始しました。東京消防庁への119番に入電した救急車要請のうち, 重症と判断された場合に救急車と同時に当院からドクターカーが出動します。当院から概ね半径3キロメートルの区域に医師がドクターカーで現場へ出向き, 患者さんの診察・処置を行い, 緊急度や重症度が高い患者さんについては, 救急車に医師・看護師が同乗し, 医療処置を行いながら近隣の医療機関へ搬送します。救急現場において医師・看護師を含めた救急チームが直接, 診察や処置等を行うことにより, 救命率の向上や, 地域の救急医療の充実・強化に貢献することを目的としております。

ドクターカー

DMAT

DMATとはDisaster Medical Assistance Teamの略で、災害に対応する医療チームです。当院には多くの東京DMAT隊員が在籍しています。東京DMAT()隊員の中でも, 「NBC(nuclear, biological, chemical)災害に対する専門的な知見を有している」「東京消防庁とNBC災害に対する連携訓練を行っている」という要件を満たす医師は, NBC特殊災害チームとしての指定を受けます(都内5病院で指定)。NBC災害のような特殊なケースにおいても, 東京消防庁と連携し, 現場での速やかな医療救護活動に関わっていくことが期待されているのです。このため, 例年積極的にNBC災害に係る訓練にも参加し, 消防等の連携強化や技能の向上に努めています。また統括資格を有する日本DMAT隊員も複数おり, 全国規模の災害に備えています。

東京DMAT・NBC特殊災害チーム
東京DMAT・NBC特殊災害チーム

過去の災害派遣(2011年以降)

  • 2011年3月~7月 東日本大震災 東京DMAT 1隊4名, 羽田空港SCU派遣 23名, 医療救護班 10班38名, こころのケアチーム 1班2名
  • 2013年10月~11月 伊豆大島土石流災害
    東京DMAT 1隊4名, 医療救護班 1班4名, 避難患者受入 15名
  • 2016年 4月~5月 熊本地震 DMAT 1隊4名, 医療救救護班 1班7名
  • 2017年9月 メキシコ地震 国際緊急援助隊 医師1名派遣
  • 2019年9月 台風15号 DMAT 1隊3名
  • 2020年2月 COVID-19(クルーズ船対応) DMAT 1隊3名
  • 2020年4月〜2022年5月 東京都福祉保健局新型コロナ入院調整本部 東京DMAT医師2名継続派遣

関連リンク

最終更新日:2024年2月29日