脳神経外科の診療内容(患者さんへ)

脳神経外科の概要

2017年-2021年の5年間の脳神経外科の手術総件数は1,669件でした。その内訳をみると1) 脊椎・脊髄系疾患が815件(49%)、2) てんかんの外科治療が184件(11%)、3) 不随意運動の外科治療の件数が352件(21%)にのぼり、この3分野の合計1,351件(81%)で当院脳神経外科の医療内容の際だった特徴になっています。神経病院脳神経外科は、日本脳神経外科学会の定めた専門医研修プログラムのうち東京大学の研修プログラムの連携施設の一つですが、同時に他の大学病院の研修プログラムの関連施設でもあります。また、日本脊髄外科学会および定位機能的脳神経外科学会の指定訓練施設にもなっております。

神経病院脳神経外科に受診するには

東京都の多摩医療キャンパスには3つの脳神経外科があります。多摩総合医療センター、小児総合医療センターと神経病院です。神経病院は外来を持たない入院専門病院ですので、当院の医師は同時に多摩総合医療センター及び小児総合医療センターに兼務しており、外来患者さんの初診・再診は年令に応じて多摩総合医療センターまたは小児総合医療センターの外来で行います。
別々の脳神経外科があってややわかりにくい仕組みなので、患者さんの受診時の混乱を避けるため、救急医療以外は、原則予約制をとっており、それぞれの医師個人宛の紹介状をお持ちの方を御指定いただいた医師が拝見する仕組みになっています。ただ誰に紹介して良いのかわからないので多摩総合医療センター脳神経外科宛、あるいは小児総合医療センター宛とされた紹介状をお持ちの方は、原則多摩総合医療センターないし小児総合医療センター脳神経外科の医師が拝見する取り決めになっています。神経病院脳神経外科宛の外来紹介状をお持ちの方の場合は、多摩総合医療センターないし小児総合医療センターの外来でも原則神経病院の医師が拝見します。
いずれの施設も脳神経外科の医療領域全体を扱い独自に活動していますが、多少の専門性の違いがありますので、別の施設の方が患者さんの抱えた問題の解決により向いていると考えられる場合は、相互に紹介する場合もあります。

てんかん外科治療

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不随意運動を呈する疾患の外科治療

自分の体が思い通りに動かないという情況にはいくつかの種類があります。自分の意志を体に伝える神経が途中で途切れたために体が動かせない場合は、「麻痺」と呼び「不随意運動」には含みません。不随意運動とは、自分の意図する動きとは別の変な動きが起こって自分のやりたい運動が障害される情況を総称したものです。
不随意運動を呈する疾患には、様々なものがあります。脳神経外科だけで診断から治療までを完結できる「片側性顔面けいれん」のような比較的単純なものから、小児神経科、神経内科、精神神経科領域の疾患に伴う原因がよくわかっていないものまでいろいろです。しかも、症状の出方が互いに似通っている場合があるので、正確な診断を下すことそのものがなかなか困難な作業になる事もあります。神経病院では不随意運動治療グループを作り複数科の協同で問題に対処しています。
外科手術で改善が見込まれる不随意運動には、パーキンソン病・本態性振戦・ジストニアなどがあります。詳しくは下記を参照して下さい。

小児科のジストニアについてはこちら
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脊椎・脊髄外科

脊柱管狭窄症についてはこちら
脊髄腫瘍についてはこちら
脊髄静動脈奇形についてはこちら

難治性疼痛の外科治療

神経根引抜き損傷後の痛みについてはこちら