感染症科 診療内容

診療内容

目標

 感染症の診断、治療、予防に関する診療に関して、各科と連携して最適な医療を行います。病院内の感染対策や抗微生物薬の適正使用を行い、質の高い安全な医療環境を整備することに努めます。

特色

1 世界標準の感染症診療

感染症は、ほぼすべての小児領域で生じる疾患です。重症の病気、免疫が弱くなる病気のあるお子さんでは、感染症の診断が難しく、治療や予防も高度な専門知識が必要となります。 病院内のあらゆる診療科と一緒になって、小児感染症の専門家が感染症に関する診療を併診することで、チーム医療による質の高い感染症診療を提供しています。

主な疾患

髄膜炎(PDF 341.6KB)脳炎(PDF 93.8KB)、 脳膿瘍(PDF 363.4KB)、重症肺炎、肺膿瘍、腹部感染症、複雑尿路感染症、腎膿瘍、 関節炎(PDF 325.7KB)骨髄炎(PDF 309.8KB)、 感染性心内膜炎(PDF 341.8KB)、 敗血症(PDF 367.2KB)、肝炎、 反復性皮膚感染(PDF 342.2KB)、 リンパ節炎(PDF 313.3KB)、 多剤耐性菌感染症(PDF 350KB)、 医療器具関連感染症(PDF 329.4KB)、 先天性感染症(PDF 448.6KB)、 A型肝炎(PDF 354.3KB)B型肝炎(PDF 332.1KB)、 C型肝炎(PDF 317.3KB)、 免疫不全感染症(PDF 330.1KB)、 造血幹細胞移植後感染症(PDF 307.8KB)、 臓器移植後感染症(PDF 322.3KB)、外傷後感染症、 HIV感染(PDF 367.7KB)、 不明熱(PDF 325.4KB)、非定型抗酸菌感染症、真菌感染症、性感染症、輸入感染症、 寄生虫感染症など。

2 感染対策と予防

 感染症はうつることで周囲に拡がっていく病気です。患者さんに医療を安全に受けてもらうために、病院内で感染症が拡がるリスクを可能な限り低くする必要があります。 感染対策では、感染が生じにくい業務の仕組みやマニュアルを作って導入し、感染が起きても早期に気付けるサーベイランスを行い、起きてしまった感染症はできるだけ速やかに収束させる対策を行います。 感染症科は、感染対策と予防で病院全体を安全に機能させる役割を担っています。病院職員は、ワクチンによる予防接種や抗体価の確認を行い、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、B型肝炎、百日咳菌、インフルエンザウイルスなどのワクチン接種を義務付けています。新型コロナウイルスワクチンも接種できる場合には推奨しています。 病院職員から患者さんにワクチンで予防できる疾患に感染するリスクを少なくしています。

3 抗微生物薬の適正使用プログラム

 当院では、感染症の治療で使用する抗微生物薬(抗菌薬、抗ウイルス薬、抗新真菌薬など)を適正に使用するように組織的な介入を行っています。 これらの全ての薬剤の使用量はモニターされていて、広域と呼ばれる多くの菌に効く薬剤は、感染症科の許可がないと処方できません。また使用した場合も使用終了まで監査を行っています。 感染症の専門家が関わることできちんと治療するだけでなく、薬剤耐性の微生物を増やさないことも重要です。 薬剤耐性の微生物がこのまま増え続けると、効く薬がなくなってしまうことが心配されており、未来の子ども達にも安心した医療を提供できることも目指しています。

一般の方向け
医療者の方向け
啓発用のリーフレットとポスター(ご自由にお使いください)

4 微生物検査の診断

 感染症の診断では、感染を起こしている微生物を突き止めることが治療方針を決める上で重要です。感染症の専門家が診療にあたることで、最適の検査方法を用いて、確実な診断を行います。 当院では、微生物の遺伝子を検査するPCRを導入して、小児の多くの感染症を同定できます。

5 感染症教育

 医師や医療スタッフに対して、定期的に感染症教育を行い、感染症診療や感染対策の能力向上に寄与しています。院外セミナーなども開催し、医療関係者や一般の方への普及啓発も行っています。 また日本小児感染症学会専門医の教育施設、日本環境感染症学会の教育施設であり、国内および海外からの医師の臨床研修も受けています。

感染症科の紹介および医学生・医師の見学・研修について

見学・研修のお問い合わせは、下記のファイルをご参照ください。

6 感染症研究

 感染症分野の医学の発展に貢献することは重要で、競争的な研究費を取得し、将来により良い医療を提供するための研究を行っています。 主な研究対象は、研究成果は、国内や海外の学会、学術誌に発表しています。 臨床研究支援センターとも連携し、小児の新しい薬や診断薬の開発や承認申請にも協力しています。

外来について

 毎週水曜と金曜の午後が外来日になります。緊急の場合は、主治医から感染症科の医師にご相談頂ければ、ご相談に応じます。

こんな症状のお子さんが対象です。

 感染症の診断、治療、予防などあらゆる側面について診療を行います。主に下記のようなことに対して、専門家として診療にあたります。またセカンドオピニオンもお受けしています。

  • 重症感染症や薬剤耐性菌感染症
  • 診断や治療に苦慮されている感染症
  • まれな感染症
  • 先天性感染症(トキソプラズマ、サイトメガロウイルスなど)
  • B型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎
  • HIV感染症
  • 海外から持ち込まれた感染症
  • 繰り返す感染症の原因検索
  • 新型コロナウイルス感染症および後遺症(PDF 390KB)
  • ワクチンの相談(健康なお子さんの定期接種は、かかりつけ医でお願いしています)