(isCGM)の選定療養について
フリースタイルリブレ2を用いたCGM検査とはどのようなものですか?

「フリースタイルリブレ2」は、上腕部に貼付したコイン大の大きさのセンサーで、皮下組織のグルコース濃度(血糖値とほぼ同様の数値となります)を持続的に測定する医療機器です。
本機器は間歇スキャン式CGM(isCGM)と呼ばれ、センサーに専用リーダーやスマートフォンをかざすことで、リアルタイムのグルコース値および最長14日間連続で血糖の変動パターンを確認できます。これにより、従来の血糖測定では把握が難しかった「日内変動」や「日差変動」「無自覚低血糖」などの傾向を可視化することが可能になります。
この検査の目的は、日常生活における血糖の推移を詳細に把握し、治療や生活指導に役立てることです。
特に、食後高血糖、夜間低血糖、日内変動の大きさなど、自己血糖測定(SMBG)では把握しづらい血糖パターンを可視化することで、より適切な治療方針の検討が可能になります。

フリースタイルリブレセンサーは1分毎にリアルタイムで皮下グルコース値を測定し、あらかじめ専用アプリ(FeeStyleリブレLink)をインストールしたご自身のスマートフォンにBlue tooth接続で血糖データを転送します。
*スマートフォンをご使用されない方は専用リーダーを使用することも可能です。ただし本測定システムの、アラートシステムの使用やデータ取得率向上の観点、初期費用の点、などから、可能であればスマートフォンでの使用をお勧めします。
選定療養でフリースタイルリブレ2を使用するって、どういう意義があるんですか?
「選定療養」とは、国が認めた制度のもとで、一部の診療に限り保険診療と自費診療を併用できる仕組みです。2024年4月から、インスリン治療を行っていない糖尿病患者に対しても、isCGMを用いた検査が選定療養として実施可能となりました。これにより、日常の血糖変動をより詳しく評価し、今後の治療方針や生活習慣の見直しに役立てることが期待されます。なお、isCGM検査当日に行う他の診療(診察・採血・処方など)は従来通り保険診療として取り扱われます。
実際の検査の内容について教えてください。
上腕部に専用センサー(コイン大の大きさ)を貼付し、14日間連続で皮下グルコース濃度を測定します。スマートフォンをお持ちの方は自身のスマホにグルコースデータ管理アプリであるFreeStyleリブレLink(無料)をインストールいただきます(スマホをお持ちでない方は専用リーダーをご使用いただけます)。測定中はセンサーよりBluetooth接続により1分毎にスマートフォンに血糖データが転送されます。(専用リーダー使用の場合やBluetooth接続が遮断された状態では一定時間毎にセンサーにかざしてデータを取得していただく必要が生じます)
センサー貼付は外来診察時に行い、その日から14日間が測定期間となります(2回目以降はご自身でセンサー貼附いただけます)。センサーは防水仕様ですが、剝がれたり、破損リスクがあるようなコンタクトスポーツなどの激しい運動や過度の圧迫を避ける必要があります(入浴シャワー、軽い運動、水深1m未満の30分以内の水泳は可能とされています。サウナは避けてください)。14日目以降に再来院いただき(センサーはご自身で外してください)、データ解析を行います。(スマホ利用の方は、リブレLinkインストール時にクラウドデータ管理システムであるリブレViewにアカウント登録いただくことで医療機関側とデータが共有されます。専用リーダー使用の方は、別途解析が必要になりますので受診当日必ずリーダーをご持参ください)
FreeStyleリブレLinkにより1分毎に測定される膨大なグルコース値データを、1)各日の血糖値推移・日内変動のグラフ化、2)14日をとおした日差変動の血糖変動パターン(AGP)のトレンド解析表示、3)全解析期間における低血糖(TBR)、目標血糖(TIR)、高血糖状態(TAR)が占める時間比率、4)解析期間の血糖変動がHbA1c値に換算するとどの程度に相当するか(GMI)、などの解析指標として表示し、自身の血糖管理に役立てることが可能になります。



FreeStyleリブレViewにより、クラウドを通してあなたのグルコース値データを医療機関と共有することで、あなたの血糖管理上の課題を“見える化”することができ、診察時に医療者との情報共有のもと、より具体的な治療計画を検討することができます。
検査に伴う合併症・注意点などありますか?
本検査は身体への侵襲が少なく、安全性の高い検査です。ただし、以下の点にご注意ください。(1)センサー装着部にかゆみ、赤み、かぶれなどの皮膚反応が起こることがあります。異常を感じた場合は速やかに医療機関へご相談ください。(2)MRI、CT、X線撮影などの医療機器と干渉する可能性があります。検査期間中に当院・他院で画像検査を予定している場合は、事前にご相談ください。当該検査時期をずらして着用をお願いします。(3)センサーがはがれたり、破損した場合、その他センサーの不具合による取替については、ケースバイケースのメーカー対応になりますのでアボット社フリーダイヤルへご相談下さい。(4)航空機ご利用の際には保安検査係員にリブレ2着用中の旨を申し出、X線検査を避けてボディチェックや金属探知機検査で対応いただくよう依頼してください。航空会社によりポリシーが異なる可能性あり事前に利用航空会社にご確認いただくことをお勧めします。
検査料金について
内容 | 検査導入時 | 2回目以降 | |
---|---|---|---|
リーダー、センサー | センサーのみ | センサーのみ | |
請求料金 | 12,950円 | 8,950円 | 7,950円 |
ご興味のある患者さんは当科主治医まで気軽にお問い合わせください。
最終更新日:2025年9月1日