糖尿病診療では、医師だけでなく、看護師や管理栄養士など多職種の医療スタッフが連携し、それぞれの専門性を活かしながら、患者さんの状態に応じた最適な医療を提供する「チーム医療」が重要です。
当科では、糖尿病による足のトラブルを予防する「糖尿病フットケアチーム」と、腎機能の低下や人工透析の予防を目的とする「慢性腎臓病・糖尿病透析予防指導チーム」が中心となり、日常診療における包括的なサポート体制を整えています。
糖尿病フットケアチーム

糖尿病のある方は、たとえ症状がなくても、末梢神経の障害や血流障害が起きていることがあり、気づかないうちに足に傷や感染が起こりやすくなります。また、水虫やタコ、ウオノメ、爪の変形などが足のトラブルの原因になることもあります。特に高齢になると皮膚や爪の手入れが難しくなり、重症化するリスクが高まります。
こうした足の異常を放置すると、潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)といった重い病気に進行し、最悪の場合は足の切断が必要となることもあります。
当科では、患者さんの同意のもと、フットケア専門の看護師が定期的に足のチェックを行い、神経障害の評価、皮膚や爪のケア、胼胝(たこ)などの処置を実施しています。異常があれば、皮膚科や整形外科とも連携し、早期に適切な対応を行っています。
足を守ることは、健康な日常生活を守る第一歩です。
慢性腎臓病・糖尿病透析予防指導チーム

糖尿病の三大合併症の一つである糖尿病性腎症が進行すると、腎臓の機能が徐々に低下し、体内の老廃物や余分な水分をうまく排出できなくなります。状態が悪化すると人工透析が必要となり、生活の自由や身体的負担にも大きく影響します。
しかし、血糖・血圧・脂質のコントロールや、食事・生活習慣の見直しによって、腎機能の低下を防いだり、進行を遅らせることが可能です。
当科では、患者さんの同意のもと、医師の診療に加え、管理栄養士による栄養指導、糖尿病療養に精通した看護師による療養指導を組み合わせた「糖尿病透析予防指導プログラム」を提供しています。指導対象の患者さんについては、医師・看護師・管理栄養士による定期的なチームカンファレンスを実施し、病状の共有や、患者さんの生活背景・価値観を尊重した支援を心がけています。
腎臓を守る取り組みは、将来の生活の質を大きく左右する重要な一歩です。早期の予防が何よりも大切です。
最終更新日:2025年8月7日