駒込病院 希少がんセンター
最終更新:2025年7月
目次
1.希少がんとは
2.希少がんセンターについて(取組内容)
3.診療実績
4.予約・相談方法
5.診療体制(メンバー)
6.専門的な治療
7.MASTER KEY プロジェクト
1.希少がんとは
希少がんは罹患者数が10万人に6人未満と非常に少ないがんを指します。非常に少ないため、その疾患を診たことがある医師も限られます。そのため、こうした希少がんは、診断することも治療方針を決めることにも、様々な壁が生まれています。
しかし、希少がんに含まれるがん種は約200種類もあり、すべてを合計すると全がん種のおよそ2割を占めています。がん患者の5人に1人が「希少がん」なのです。

注目情報希少がんの情報や解説はこちら
希少がんとは(日本希少がん患者会ネットワーク)(外部リンク)
2.希少がんセンターについて(取組内容)
希少がんは治療法が確立されていないため、診療科を横断した体制で治療を行う必要があります。また、こうした疾患に対しては1つの病院だけで対応するのではなく、国内の希少がんセンターと連携して治療を進歩させていかないといけません。
私たち駒込病院は都道府県がん拠点病院であり、ゲノム医療など専門的な治療基盤がそろっています。診療科を横断してこうした疾患の診療ができるように、駒込病院では2024年1月に「希少がんセンター」を設立しました。
「希少がんセンター」は駒込病院以外にも、都立多摩総合医療センター、都立墨東病院との合同カンファレンスを行い、都立病院全体の組織として活動し、都立病院全体で希少がんについて情報を共有し、治療を進めていく試みを始めています。
施設外への連携として「Master Key プロジェクト(外部リンク)」や「希少がんコミュニティオープンデー」(外部リンク)などの国内ネットワークにも参加し、希少がんの治療開発プロジェクトに参加しています。こうした取組を通して、患者さんのご家族向けに公開講座、医療機関関係者向けの研修勉強会等を企画、希少がんに関する情報発信を行っています。
私たちは既存の情報の中から最適治療を考え、それに加えゲノム医療・治験などの選択肢も提案できるように努めています。「希少がん」に対して診療経験を積み、他の希少がん診療施設との連携を進めることで、この病気に立ち向かっていきたいと考えています。
希少がんセンター長 下山 達
3.診断実績
駒込病院(腫瘍内科)で2023年に診断した希少がんの件数(主なもの)です。

4.予約・相談方法
- 患者さん、ご家族の方
希少がんは病理診断名や検査データ・画像等、正確な医療情報が必要なため、原則、医療機関経由で予約・相談を承っております。
医療機関からの診療情報(紹介状)を事前にお送りいただく必要がありますため、かかりつけ医に下記「医療機関の方」をご確認いただくようご依頼ください。
なお、予約方法などご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。代表電話番号 03(3823)2101 受付時間 月曜日から金曜日:9時から17時まで
土曜日:9時から12時まで
(祝日および年末年始の休みを除く) - 医療機関の方
下記へご連絡のうえ、診療情報提供書(紹介状)をFAXでお送りください。予約日時の調整をさせていただきます。患者・地域サポートセンター(医療連携) 電話番号 03(4463)7534 FAX 03(4463)7537 受付時間 月曜日から金曜日:9時から17時まで
土曜日:9時から12時まで
(祝日および年末年始の休みを除く)
【対応する診療科について】
希少がんの種類や治療内容によって、対応する診療科が異なります。
ご不明な場合は「希少がんセンター」へご紹介ください。
【病理診断についてのコンサルテーション】
受診時には病理標本を取り寄せ、病理診断についても当院で精査します。
5.診療体制(メンバー)
- 【駒込病院】 希少がんセンター長 腫瘍内科:下山 達
内科部門長
腫瘍内科:金政 佑典外科部門長
骨軟部腫瘍科:平井 利英病理診断
病理科:元井 亨遺伝子診断
遺伝子診療科:山口 達郎放射線治療
放射線科治療部:伊藤 慶放射線診断
放射線科診断部:山本 亜也がん薬物療法
腫瘍内科:奥屋 俊宏管轄長
副院長:八杉 利治
【多摩総合医療センター】(希少がんカンファレンス出席)
消化器内科、ゲノム診療科 井上 大 | 呼吸器・腫瘍内科、外来化学療法センター 北園 美弥子 |
病理診断科 岡田 晴香 | 副院長 今村 和広 |
【墨東病院】(希少がんカンファレンス出席)
呼吸器内科部長 小林 正芳 | 腫瘍内科部長、通院治療センター長 淺野 徹 |
6.専門的な治療
患者さんの疾患や症状に合った場合に、駒込病院で行うことのできる特筆すべき専門的な治療を2つご紹介いたします。
CAR-T細胞療法 (B細胞血液腫瘍、骨髄腫)
CAR-T細胞療法は、新しいがん免疫治療です。自分自身の免疫細胞(T細胞リンパ球)に遺伝子改変を行い、がん細胞を攻撃させる治療で「がん免疫遺伝子治療」と呼ばれます。⇒ 詳細はこちら(CAR-T外来)
ルタテラによる治療(神経内分泌腫瘍)
アイソトープ治療のカテゴリに属するルタテラという薬剤による治療です。当院では腫瘍内科、放射線科、病理科の医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師などのスタッフが協力して診療に取り組んでいます。⇒ 詳細はこちら(PDF 394.6KB)
7.MASTER KEY プロジェクト
希少がんはがんの約2割を占め、多くの患者さんがおります。しかしそれぞれの罹患患者数が少ないため治療法の開発が困難でした。当院ではこうした希少がんのがん薬物療法の開発を推進するため、「MASTER KEY プロジェクト」に全国8番目の施設として参加しています。(2024年4月)
MASTER KEY プロジェクトは、希少がんの研究開発およびゲノム医療を推進するため、国立がん研究センター中央病院が中心となって進めている産学共同プロジェクトです。
このプロジェクトは、「レジストリ研究」と「臨床試験治療(副試験)」の2つのパートに分かれます(図)。「レジストリ研究」では、希少がんのデータを蓄積し、それぞれの希少がんの特徴やバイオマーカーを明らかにし、治療開発につなげることを目標としています。レジストリ研究に登録された患者さんは、登録されたバイオマーカーの結果に応じて、臨床試験(副試験)を紹介される機会を得ることが出来ます。
注目情報MASTER KEY プロジェクトに関する説明はこちら
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/masterkeyproject/outline/overview/index.html(外部リンク)
