ダビンチ手術による腎尿管全摘除術〜腹膜を傷つけない後腹膜アプローチ
腎盂・尿管がんの標準治療は腎尿管全摘除です。当科では、原則的に全ての患者さんに対してダビンチSP・Xiを用いた腎尿管全摘除を行っております。
当院のダビンチ腎尿管全摘除の特長として、腹膜を傷つけない後腹膜アプローチで実施しています。腎臓・尿管・膀胱は、腸が収まっている腹膜に覆われた腹腔の外(後ろ側)に位置する臓器であり、腹膜を傷つけない方法で手術が可能です。腹膜に傷がつくと、腸の癒着による腸閉塞のリスクとなります。また、手術の際に万が一がん細胞がこぼれ落ちることがあれば、腹膜が開いていると腹膜播種のリスクとなります。これらのリスクを極力回避すべく、私たちは後腹膜アプローチによるダビンチ腎尿管全摘除を行っています。
ダビンチSPによる腎尿管全摘除では、下腹部に5-6cmの皮膚切開(ポート)ならびに腰部に1個の小さな孔(1.2cm程度)をおき、腎臓・尿管・膀胱の手術操作を行い、一塊となった腎臓・尿管・膀胱の一部をポートから摘出します。ダビンチXiによる腎尿管全摘除では、側腹部と下腹部に5つから7つの小さな孔(5mmから2cm程度)から腎臓・尿管・膀胱の手術操作を行い、一塊となった腎臓・尿管・膀胱の一部を孔の傷を繋げた5-6cmの皮膚切開から摘出します。
手術翌日から食事・歩行が可能で、入院期間の目安は4-6日程度です。
注目情報治療成績(調査対象:2022年11月〜2026年3月にダビンチ腎尿管全摘除(SPならびにXi)を施行した46件)周術期輸血率 0%、術後合併症 (Clavien grade 3以上) 0%、在院日数中央値 5日間
最終更新日:2026年7月31日 腎泌尿器外科 伊藤将也

