腎泌尿器外科 - 副腎腫瘍・後腹膜腫瘍

ロボサージャン・ガスレス・シングルポート手術または腹腔鏡手術による副腎摘除術・後腹膜腫瘍摘除術

ほとんどの症例で腹腔鏡手術またはロボサージャン・ガスレス・シングルポート手術(3D-HMDシステムによるミニマム創内視鏡下手術)による副腎摘除術・後腹膜腫瘍摘除術を行います。術式はご病状に合わせて選択しています。
腹腔鏡手術は、お腹に小さい孔を開け、そこからカメラや手術器具を挿入し、拡大したモニター画面を見ながら手術を行う方法です。従来の開放手術よりも傷が小さく体への負担が軽く、早期の退院・社会復帰が可能となります。拡大視野下に精密な手術操作ができ、従来の解放手術よりも出血量は少なく抑えられます。胃や腸が収まっている腹膜の中から手術を行う腹腔鏡下手術と、背中側の腹膜外から手術を行う後腹膜鏡下手術の2つの方法があり、病状に合わせて手術方法を選択しています。腹腔鏡手術の対象疾患のほとんどはロボット支援手術(ダビンチXi /ダビンチSP)に移行しましたが、疾患に応じた適切な術式選択の上で現在でも一部症例において腹腔鏡手術を実施しています。

副腎腫瘍・後腹膜腫瘍

腹腔鏡手術の場合、3D高精細または4K内視鏡を用いて、側腹部に4つか5つの小さな孔(5mmから1cm程度)から手術を行います。ロボサージャン・ガスレス・シングルポート手術の場合、比較的小さい腫瘍であれば、側腹部の3~4cm程度のシングルポートから内視鏡と手術器具を挿入し、腫瘍を摘除します。いずれの術式でも入院期間の目安は4-7日間程度です。

副腎腫瘍・後腹膜腫瘍の診断

副腎腫瘍では悪性腫瘍(がんや悪性褐色細胞腫など)は比較的まれですが、良性腫瘍でもコルチゾールやアルドステロン、あるいはカテコラミンといった種々のホルモンを過剰に分泌することがあります。これらのホルモンの過剰により、高血圧や糖尿病といった疾患が発生することがあります。CTやエコーなどの画像上、偶然副腎腫瘍が発見されるか、高血圧や糖尿病の原因検索で副腎腫瘍が発見された場合には、様々な条件下での血液検査や尿検査が必要です。さらに疑われる疾患によっては副腎静脈サンプリング(血管カテーテル検査)や、副腎シンチグラフィー(アイソトープ検査)が必要になります。
後腹膜腫瘍では、脂肪肉腫や平滑筋肉腫といった悪性腫瘍であることがあるほか、副腎腫瘍と同様にホルモンを過剰に分泌することもありますので、副腎腫瘍と同様の検査を行うこともあります。
副腎腫瘍、後腹膜腫瘍とも、ホルモンに異常がある場合や、異常がなくても、大きい場合(4~5cm以上)では悪性腫瘍の可能性があり、手術をお勧めすることになります。これらの疾患では主に糖尿病・内分泌内科、骨軟部腫瘍科、病理部と連携して診断・治療にあたります。

最終更新日:2026年7月31日 腎泌尿器外科 伊藤将也