リハビリテーション科

診療内容・特色

当科は入院中の急性期患者を主な対象としており、院内ほぼ全ての診療科より依頼を受けています。脳卒中を中心とした脳血管疾患、骨折・変形性関節症などの整形外科疾患、リウマチ膠原病、呼吸器、循環器、内科的疾患、外科術後等幅広い疾患の患者に対し早期から関り、機能回復・社会復帰を目指した総合リハビリテーションを行っています(当院で手術を受け継続が必要な方のみ外来でリハビリテーションを行っています)。昨今のコロナ禍においてはCOVID-19に罹患された患者(中等症~重症患者)さんへのリハビリ対応も行っています。

当科では急性期病院の位置づけから、救命救急センターやICU・HCUなどの集中治療室に入室中の患者さんに対する早期リハビリテーションに力を入れている一方、入院生活等による廃用症候群に対し必要に応じて予防や指導も行っています。症状が安定し継続訓練が必要な方には、円滑に回復期リハビリに移行し一貫したリハビリを受けられるよう、回復期リハビリ病院をはじめとする地域の医療機関と連携を図りながら、スタッフが一丸となって診療に当たっています。

また、理学療法・作業療法・言語聴覚療法を実施している他に、院内の糖尿病教室での運動療法の指導や、嚥下サポートチーム・栄養サポートチーム・呼吸ケアチーム・緩和ケアチームなどのチーム活動にも協力しています。また、各専門職種間の連携を図り、カンファレンスを定期的に行い、治療中の問題点の検討や治療方針の確認をしながら訓練を実施しています。

さらに地域がん連携拠点病院としての役割を果たそうと、平成30年度より入院中のがん患者に対するリハビリ介入を開始し、できるだけ術前からがんリハビリテーションを始めるようにしています。

当科は医師5名及び、理学療法士19名、作業療法士7名、言語聴覚士4名の体制で診療を行っています。

理学療法

運動療法を用いて、起き上がる・座る・立ち上がるなどの基本動作や車いす・歩行などの移動手段の獲得を目指します。必要に応じて杖や装具の選択・調整を行います。

歩行のリハビリを行う様子
リハビリテーション室内
救命救急センターにて早期リハビリ介入(ECMO装着患者)
救命救急センターにて
早期リハビリ介入(ECMO装着患者)

作業療法

機能訓練や各種作業活動を用いて、身体(主に腕や手)や精神機能に働きかけを行います。機能回復や日常生活能力の向上を目的としたお手伝いをします。

:機能訓練を行う様子
腕を動かし機能回復を向上させている様子
人工関節置換術を受けた後に装着する装具 装着期間は6-8週間、患者さんの手に合わせて担当者が作成します 人工関節置換術を受けた後に装着する装具
人工関節置換術を受けた後に装着する装具 装着期間は6-8週間、患者さんの手に合わせて担当者が作成します

言語療法

食物がうまく飲み込めない嚥下(えんげ)障害、言葉が不自由になった(失語症、構音障害)などの障害に対して、飲み込みの訓練や食事の環境調整、言語・発音の訓練を行います。

発音の訓練を行っている様子

主な医療設備

運動療法室・作業療法室・言語聴覚室をはじめ、家事動作訓練のための日常生活動作室を配備しております。急性期患者のリスク管理のため、心電図モニターやパルスオキシメーター(動脈血酸素飽和濃度測定器)を配備しております。