診療科のご案内
当科について
大塚病院整形外科では、整形外科に関節疾患治療センターを併設しており人工股関節、人工膝関節、脊椎の手術経験が豊富です。筋肉を切らない最少侵襲手術(MIS)と術中術後の多角的疼痛管理により痛くない手術を行っています。
「関節疾患治療センター」についての詳細こちらをご参照ください。(PDF 130.4KB)
大塚病院整形外科の目標は、安全で安心できる質の高い医療を提供することです。6名の整形外科医により、関節疾患、脊椎疾患、手外科、足の外科などを中心にあらゆる部位の整形外科診療に従事しています。
紹介予約制でありますため、通院中の整形外科やかかりつけの内科の先生から紹介状をいただいてご来院ください。ご紹介状をお持ちの場合は、予約がない場合もお受けいたします。外傷などの緊急の場合は、即時対応いたしますのでお問い合わせください。地域の医療機関と連携し、外傷から慢性疾患まで幅広い整形外科疾患の手術、保存療法を行っています。
2人かかりつけ主治医へのご理解。当院へお越しいただいた患者さんの術後経過は大塚病院で責任をもって診療させていただいております。当院での診察治療の後に、ご紹介いただいた病院や地域のクリニックの先生方のもとで包帯交換やリハビリ・投薬継続など保存的な治療を当院と合わせて「2人かかりつけ主治医制」として診療させていただいております。
臨床実績(手術件数)
項目 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|---|
総手術件数 | 634 | 697 | 673 | 574 | 498 |
脊椎 | 29 | 29 | 25 | 18 | 50 |
上肢手 | 36 | 42 | |||
下肢 | 175 | 184 | 212 | 124 | 157 |
外傷 | 313 | 298 | 273 | 343 | 208 |
リウマチ | 38 | 20 | 33 | 14 | 12 |
スポーツ | 7 | 6 | |||
小児 | 26 | 18 | |||
腫瘍 | 6 | 5 |
人工関節手術実績(手術件数)
項目 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|---|
人工股関節置換術 | 55 | 52 | 78 | 70 | 71 |
人工膝関節置換術 | 94 | 99 | 105 | 50 | 68 |
外来診療日
午前中は一般整形外科診療を行っております。
特殊専門外来:
関節疾患治療センター(月木午前)担当:三部順也
膝と足、スポーツの専門診(第1、3木曜午後)担当:豊島洋一
脊椎脊髄病診(第2、4火曜午後)担当:松岡彰、伊藤博
時間帯 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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9:00~12:00 | 三部 | 松岡 | 岡本/松岡 | 三部 | 伊藤/豊島 |
伊藤 | 岡本 | 古閑 | 豊島 | 三部 | |
午 後 | 第2, 4 脊椎脊髄病診 | 第1,3 膝と足(スポーツ)診 |
スタッフ紹介
氏名 | 資格 | 専門分野 |
---|---|---|
三部 順也 みべ じゅんや (副院長) |
| 関節リウマチ 人工関節 関節外科 脊椎外科 |
豊島 洋一 とよしま よういち (医長) |
| 足の外科 人工関節 関節リウマチ |
松岡 彰 まつおか あきら (医長) |
| 脊椎外科 |
岡本 怜士 おかもと さとし (医員) |
| 骨折外傷 関節外科 |
伊藤 博 いとう ひろし (医員) |
| 骨折外傷 関節外科 |
古閑 恒輝 こが こうき (医員) | 整形外科 |
専門分野・特色
- 人工股関節置換術、人工膝関節置換術
毎年全国で6万件以上行われています。当科で最も多く、専門的に行っている手術です。最小侵襲手術(MIS)を導入しています。人工股関節置換術(THA)は股関節前方から8cmの皮膚切開創でアプローチします。筋肉を切離しないため術後の回復が早く、脱臼のリスクもほとんどありません。手術の翌日から歩行練習を開始し、1週間程度の入院で自宅退院が可能です。正座やスポーツも可能となり、原則的に日常生活に制限はありません。人工膝関節置換術(TKA)では両側同時手術も多く行っています。両膝の痛みを一回の手術で治療でき、ドレーンクランプ法により出血を抑え、両側例でも輸血はほとんど必要ありません。術後の疼痛対策にも力を入れており、痛みのない手術を目指しています。また症例に応じて内側のみを置換する、より低侵襲の膝関節片側置換術を行っています。いずれの手術も正確で合併症を起こさない手術を心がけています。
- 頚椎、腰椎の脊椎疾患
まずはブロック治療や薬物療法などの保存的治療を試みます。保存的治療に抵抗する場合は手術的治療を行っています。腰部脊柱管狭窄症に対しては、局所麻酔下の脊椎制動術や開窓術、固定術など症例に応じた一番よい手術を選択しています。脊椎圧迫骨折の新しい治療法BKP治療(バルーン カイフォプラスティ)も行っています。脊椎圧迫骨折によってつぶれてしまった椎体を、骨折前の形に近づけ、椎体を安定させ、痛みをやわらげる治療法です。腰椎椎間板ヘルニアに対しては、ヘルニコアという薬剤を用いて局所麻酔下で椎間板を構成する髄核を融解することで、脱出したヘルニアの圧を下げて、疼痛を緩和させる椎間板(髄核)融解術を行っています。
- 関節リウマチ(RA)
薬物治療が大きく変化してきましたが、薬物治療のみならず専門的な外科的治療を併用することで日常生活動作の向上を目指します。大塚病院は関節リウマチの拠点病院として、長年の関節リウマチの治療に関して実績と経験が豊富です。人工股関節置換術、人工膝関節置換術だけでなく、手指の機能再建術、人工肘関節置換術、肩関節の鏡視下手術、足趾の関節温存手術など、新しい時代のリウマチ手術にも力を注ぎ、手術法の改良や研究活動を行っています。
- 足の外科
外反母趾の手術や一般の病院でなかなか診断がつかないような足の疾患を専門的に診察治療しています。最小侵襲で行う外反母趾手術や足関節鏡を併用した足関節の靭帯手術再建手術も行っています。
豊島区で唯一日本足の外科学会の病院情報ページに掲載されている病院です。 - 関節温存手術、関節鏡手術
自分の関節を残す関節温存手術を適応となる患者さんには積極的に取り入れています。O脚変形のために内側(内側大腿―脛骨関節)に偏った過重なストレスを、自分の骨を切り少し角度を変えることにより、比較的きれいな軟骨の存在する外側(外側大腿―脛骨関節)に移動させる脛骨近位骨切り手術を行っています。この手術により脚の形はO脚からX脚に変わります。自分の関節が温存できますので、正座が引き続き可能であり、スポーツや農業などの仕事へ復帰された患者さんが多くいらっしゃいます。術後は、骨癒合が完了するまでは痛みが多少続くことや機能回復にはリハビリをしっかり行うことが必要です。
前十字靭帯(ACL)損傷や半月板損傷に対しては、関節鏡を使用して再建手術を行っております。 - 骨折などの外傷症例
当院は2次救急病院でもあり、肩、肘、手などの上肢外傷、股、膝、足などの下肢外傷の患者様も多く搬送され、必要に応じて入院、手術治療を行っています。重症度や適応に応じて当日もしくは数日以内に、さらに地域の中核病院として、近隣医療機関との医療連携の強化も力を入れています。
- 手術時の疼痛対策として
麻酔科医の協力により全身麻酔と腰椎麻酔に加えて、ほぼ全症例に神経ブロック併用麻酔を取り入れています。今までの手術と比較して術後の痛みが軽減され、術後早期に運動開始が可能になりました。

整形外科スタッフ

手術の様子
三部副院長公開講座・招待講演
- 「リウマチ膝に対して人工膝関節が果たしてきた役割」 平成30年4月
- 「高齢者慢性疼痛疾患の管理と対策」 平成30年12月
- 「変形性関節症、関節リウマチの痛み」 平成31年1月
- 「肘関節外傷に対する人工肘関節置換術の機種選択」 平成31年2月
- 「リウマチ股・膝関節手術のあゆみと最近の動向」 平成31年3月
- 「関節の痛み、腰の痛みに潜む神経障害性疼痛」 平成31年3月
- 「関節の痛みをなくし楽しく歩こう」 令和元年5月
- 「関節リウマチの腰下肢痛と手術」 令和元年9月
- 「関節の痛み、腰の痛みに潜む神経障害性疼痛」 令和2年1月
- 「関節リウマチにおける足病変と治療」 令和2年2月