耳鼻咽喉科・睡眠呼吸障害センター

診療科のご案内

当科について

当科は聴覚、嗅覚、味覚などの感覚器や平衡バランス、呼吸、発声、嚥下などの機能にも関連した領域であるため、QOL(生活の質)にも直結します。
以下の疾患について取り扱っています。専門外来として睡眠呼吸障害センター、小児耳鼻科、補聴器外来を行なっています。

耳疾患

  • 突発性難聴
    突然に発症する原因不明の内耳性感音難聴であり、適切な早期治療が大切です。難聴が高度の場合は、安静も含めて入院加療が必要になります。発症後2週間経過すると治療成績も低下しますので、早期の受診が必要です。
  • 慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、滲出性中耳炎、伝音難聴
    鼓室形成術、鼓膜形成術、鼓膜チューブ挿入術など手術により 聴力改善を図ります。補聴器装用で対応することもあります。
  • 耳鳴り
    いろいろな要因によりおこりますが、聴覚検査と併せて聴神経腫瘍など器質的疾患の鑑別が必要になります。

めまい・ふらつき

末梢性めまいには、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎、内耳炎などがあります。平衡機能検査、重心動揺検査、聴覚検査などにより診断して、治療を行います。

鼻・副鼻腔疾患

  • 慢性副鼻腔炎
    マクロライド療法(内服治療)で軽快しない場合や鼻茸や鼻中隔彎曲症などで鼻腔換気が障害されている場合には、ESS(内視鏡下鼻副鼻腔手術)を行います。
    血性鼻漏、頬部腫脹、疼痛などを伴う場合は、悪性腫瘍との鑑別が必要です。
  • 好酸球性副鼻腔炎
    手術と内服治療の併用でかなり良くなりますが、再発しやすく、難治性の副鼻腔炎です。
  • アレルギー性鼻炎
    RAST(血清特異的IgE抗体検査)により、原因となる抗原を調べます。
    薬物治療のほか、スギ花粉症・ダニ(ハウスダスト)アレルギー性鼻炎に対して舌下免疫療法、CO2レーザーによる手術治療(日帰り)を行っています。

咽頭・喉頭疾患

  • 慢性扁桃炎
    反復する扁桃炎、溶連菌感染症の原因となる場合は手術治療を行います。
  • アデノイド肥大、扁桃肥大
    いびき、無呼吸の原因になる場合は手術治療を行います。
  • 声帯ポリープ、ポリープ様声帯、声帯結節
    保存的治療で改善がない場合は手術治療(顕微鏡下喉頭微細手術)を行ないます。
  • 声帯白板症
    喉頭がんとの鑑別のため、生検を含めた手術治療(顕微鏡下喉頭微細手術)を行います。

顔面神経麻痺

Ramsey Hunt症候群(水痘帯状疱疹ウイルス)、Bell麻痺(原因不明)などがあります。麻痺の程度により、内服、点滴治療を行います。中等度以上の麻痺ではリハビリ科と連携して顔面マッサージも行います。高度の麻痺の場合は 手術治療(顔面神経減荷術)が必要になることがあります。

頸部疾患

  • 頸部のう胞
    画像検査(CT、MRI)にて悪性疾患との鑑別を行い、必要に応じて手術治療を行います。
  • 唾液腺腫瘍(耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍)
    画像検査(CT、MRI)、穿刺吸引細胞診検査(超音波を併用)などで診断し、手術治療を行います。
  • 頸部リンパ節腫脹
    血液検査、超音波検査、細胞診などで診断しますが、必要に応じて頸部リンパ節生検を行います。

スタッフ紹介

常勤医 2名(医長1名、医員1名)、非常勤医 5名、検査技師(非常勤)1名

氏名資格専門分野
井出 里香
いで りか
(医長)
  • 日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医
  • 日本気管食道科学会気管食道科専門医
  • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
  • 日本耳鼻咽喉科学会補聴器適合判定医
  • 音声言語機能等判定医
  • 東京都指定身体障害者福祉法第15条指定医
  • 東京都指定難病指定医
  • 日本登山医学会専門医、国際山岳医
  • 日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門研修指導医
  • 厚生労働省臨床研修指導医
  • 慶應義塾大学医学部客員講師
  • 医学博士
耳鼻咽喉科一般
神経耳科学
めまい平衡医学
高所医学
渡部 高久
わたべ たかひさ
(医員)
  • 日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医
  • 日本耳鼻咽喉科学会補聴器適合判定医
  • 東京都指定身体障害者福祉法第15条指定医
  • 日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門研修指導医
  • 臨床遺伝専門医

耳鼻咽喉科一般
神経耳鼻科

大熊 敦子
おおくま あつこ
(非常勤医員)
  • 日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医
  • 日本気管食道科学会気管食道科専門医
  • 日本医師会認定産業医
耳鼻咽喉科一般
井上 貴博
いのうえ たかひろ
(非常勤医員)
  • 日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医
  • 日本気管食道科学会気管食道科専門医
耳鼻咽喉科一般
神経耳科学
頭頚部疾患
猪狩 和子
いかり かずこ
(非常勤医員)
  • 日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医
  • 日本医師会認定産業医
耳鼻咽喉科一般
永田 美也子
ながた みやこ
(非常勤医員)
  • 日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医
  • 日本気管食道科学会気管食道科専門医
  • 日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医
  • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
  • 日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴担当医
耳鼻咽喉科一般
めまい平衡医学
慶應医師
(非常勤医員)
 耳鼻咽喉科一般

専門分野・特色

睡眠呼吸障害センター(毎週月曜日午後、第1・第3金曜日午後)

呼吸器内科、口腔科と連携してSASのスクリーニングから診断・治療まで一貫した診療をおこなっています。通常のSAS患者さんだけでなく、COPDなどの呼吸器疾患のあるSAS患者さん、軽度のSASでいびきがひどい患者さんなど、多様なSAS患者さんに対応しています。

問診後、喉頭ファイバースコピー検査で上気道狭窄の有無を評価します。携帯型睡眠時無呼吸検査機器(アプノモニター)を貸出してスクリーニング検査を行います。SASが中等度以上の方には、1泊2日入院で終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査を行います。
SASの原因や重症度により、CPAP(持続陽圧呼吸療法)、手術、スリープスプリント療法、減量・生活指導から選択、組み合わせて適切な治療をおこないます。

小児耳鼻科(第1・第3月曜日午後、第2・第4金曜日午後)

小児の睡眠時無呼吸症候群、難治性滲出性中耳炎、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、上気道疾患など小児の耳鼻咽喉科疾患に対応しております。小児の睡眠時無呼吸症候群の多くは、口蓋扁桃肥大やアデノイド(咽頭扁桃)肥大が原因になっており、この場合は手術治療が優先されます。当科では小児を対象とした鎮静剤を使用しないABR検査(他覚的聴力検査)も行なっておりますので、小児難聴の疑いがある場合はご相談下さい。

補聴器外来(毎週木曜日午後)

補聴器を利用される方が年々増えています。日常生活で補聴器を有効に使用して頂くため、補聴器の適応判定や適切な機種選択・調整(フィッテイング)を行っています。補聴器適合検査による客観的評価やアフターフォローも一貫して行っております。補聴器が合わない方にはご相談にも応じております。

主な医療設備

検査機器
  • 電子スコープ(NBI対応 小児用)
  • ファイバースコープ(新生児用)
  • 喉頭ストロボスコープ
  • 標準純音オージオメータ
  • インピーダンスオージオメータ
  • 耳管機能検査
  • 耳音響放射検査
  • 補聴器適合検査
  • ABR検査
  • 赤外線眼振検査
  • 重心動揺検査
  • アプノモニター(簡易検査)
  • 終夜睡眠ポリグラフィー
手術機器
  • 鼻内内視鏡手術システム(4K対応)
  • マイクロデブリッダー
  • ナビゲーションシステム
  • 顕微鏡下耳科手術機器
  • ラリンゴマイクロ手術機器
  • CO2レーザー機器

診療実績

手術実績(全麻)

 令和1年度
(件数)
令和2年度
(件数)
令和3年度
(件数)
内視鏡下鼻・副鼻腔手術302923
LMS(顕微鏡下喉頭微細手術)12106
扁桃摘出術(アデノイド切除も含む)544430
鼓室形成術(乳突削開術も含む)731

(注)令和2年度の手術実績は新型コロナ(COVID-19)により一部待機手術になっています。

高所登山・登山者検診の相談

高所医学、高所順応に関連した研究に携わっておりますので、富士登山、標高4000m以上の海外登山、高所登山における相談 にも応じています。
詳細は<富士山測候所を活用する会>をご覧ください。(外部リンク)