リウマチ膠原病科

診療内容

リウマチ膠原病科について

1987年の大塚病院開設当初から30年余り、文京区と豊島区の狭間に位置するこの地で地域に根差したリウマチ膠原病診療を行ってまいりました。東京都難病医療協力病院に指定され、現在8人の医師により、専門診療にあたっています。リウマチ・膠原病は多彩な病態を呈する全身性疾患であり、当院の総合診療基盤を活用して各診療科の協力をいただきながら最適な医療を提供しています。

代表的疾患である関節リウマチ対しては、生物学的製剤などの最新医療を推進しつつ、整形外科・リハビリテーション科と連携して患者様のニーズに応じた総合的なリウマチ医療を提供しています。入院診療では外来診療で対応困難な関節リウマチの様々な病態に対しての治療を行う一方で、2014年からは都立病院初のリウマチ教育入院を開始し、患者様が病状や治療内容を十分に理解した上で、より良い日常生活を送っていただくことができるよう、医師、看護師、理学・作業療法士、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーがチームとなって、総合的なアドバイスを行っております。
また2019年7月より関節リウマチの外来リハビリテーションを開始しました。リウマチの治療が進歩し関節炎のコントロールが可能になった現代だからこそ、リハビリテーションの相乗効果が注目されています1)。当院では3か月のプログラムの中で6回の対面セッションと自宅での運動指導を行い、患者様の目標が達成できるようきめ細かいサポートを行っています。また、2020年10月からは、タッチパネル問診を用いたリウマチ診療支援システムを導入しました。関節リウマチの治療では、疾患活動性(病勢)を算出し、その値を目標の値(寛解)にまで治療する戦略が個々の治療薬の選択よりも重要です。また患者様自身がこの治療戦略を理解し、治療方針の決定を医師とともに決めることがガイドラインでも強調されています。タッチパネル問診で、10項目ほどの日常生活動作の困難度を診察前に入力していただくことで、患者様の状態をよりよく把握できると共に、疾患活動性(病勢)を算出することができます。その値を患者様と共有しながら、目標の値(寛解)を目指して治療計画を立てていきます。

1)Exercises to improve function of the rheumatoid hand (SARAH): a randomised controlled trial.Lancet 2015;385:421-9.

全身性エリテマトーデスをはじめとした膠原病系難病に対しては、適切な診断のもとに従来のステロイド剤治療に加え免疫抑制剤や生物学的製剤を上手く組み合わせる事でステロイド剤の早期減量を心がけ、有効かつ副作用や合併症の少ない治療を目指しています。
またリウマチ膠原病は20~30代の女性に発症することが多く、患者さんは結婚・妊娠・出産・育児などのライフイベントに直面することになります。特に妊娠に際しては、多くの患者さんが不安を感じることと思います。当院には母子医療とともに女性医療にも力を入れてきた歴史があり、当科でも2020年1月から膠原病母性外来を新たに開設いたしました。膠原病患者さんが妊娠計画を立てられた時点から、患者さんの状況に合わせて治療方針やお薬を検討し、安心して妊娠、出産を迎えられるよう、産科とも連携して診療を行っております。

対象疾患
関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、強皮症、リウマチ性多発筋痛症、皮膚筋炎/多発性筋炎、混合性結合組織病、血管炎(巨細胞動脈炎、高安動脈炎、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症など)、好酸球性筋膜炎、ベーチェット病、成人スティル病、IgG4関連疾患、サルコイドーシス、乾癬性関節炎、脊椎関節症、痛風、偽痛風など

(注)参考ホームページ:『日本リウマチ財団(外部リンク)』『厚生労働省 難病情報センター(外部リンク)

リウマチ教育入院』はこちら

関節リウマチの外来リハビリテーション』はこちら

膠原病母性外来』はこちら

診療体制

外来
現在、約2250人の患者様にご通院いただいております。多数の関節リウマチ患者様の他に、国、都道府県が指定する難病(特定疾患)の認定を受けた約400名の患者さまが通院加療中です。
初診の患者様は毎日受け付けており、事前に受診予約をいただいておりますが、予約なしで来院いただいた場合にも、当番医により可能な限り当日対応をさせていただきます。

入院
責任病床は18床で、すべての患者様について平日毎日のグループ回診に加え、全医師によるカンファレンス(金曜日)、リウマチ教育入院カンファレンス(患者様毎に不定期開催)、月1回の多職種カンファレンス(火曜日)、内科・リウマチ科・産婦人科による母性内科カンファレンス(火曜日・不定期開催)を開催し、総合的なチーム医療を行っています。

診療実績

疾患別入院患者数

疾患名平成27
年度
平成28
年度
平成29
年度
平成30
年度
平成31
年度
関節リウマチ150159139142147
全身性エリテマトーデス2121273319
全身性強皮症1812152012
シェーグレン症候群132113114
血管炎症候群914121219
皮膚筋炎・多発性筋炎81314152
リウマチ性多発筋痛症51051811
ベーチェット病45887
混合性結合組織病11224
その他3852323031
267308267291256

スタッフ紹介

氏名資格専門分野
立石 睦人
たていし むつと
(部長)
  • 日本内科学会認定内科医・指導医
  • 日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医・評議員
  • 日本リウマチ財団リウマチ登録医
  • 慶應義塾大学非常勤講師
  • 東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター講師
リウマチ膠原病
小笠原 孝
おがさわら たかし
(医長)
  • 日本内科学会認定内科医・指導医
  • 日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医
  • 日本リウマチ財団リウマチ登録医
  • 日本医師会認定産業医
  • 慶應義塾大学非常勤講師
リウマチ膠原病
木村 万希子
きむら まきこ
(医長)
  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
  • 日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医
  • 日本母性内科学会母性内科診療プロバイダー
リウマチ膠原病

花岡 成典
はなおか まさのり
(医長)

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
  • 日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医・評議員
  • 日本リウマチ学会登録ソノグラファー
  • 日本プライマリ・ケア総合学会認定医・指導医
  • 日本医師会認定産業医
  • JMECCインストラクター
  • インフェクションコントロールドクター(日本リウマチ学会推薦)
リウマチ膠原病
森 達男
もり たつお
(医員)
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医
  • 日本リウマチ学会登録ソノグラファー
  • 産業医
  • インフェクションコントロールドクター(日本リウマチ学会推薦)
リウマチ膠原病
栃原 まり
とちはら まり
(非常勤医員)
  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医
リウマチ膠原病
藤﨑 真由子
ふじさき まゆこ
(非常勤医員)
 リウマチ膠原病
入田 泉
いりた いずみ
(シニアレジデント)
リウマチ膠原病
林 佑香
はやし ゆか
(シニアレジデント)
リウマチ膠原病

膠原病リウマチ科に興味をお持ちの学生さん、研修医の先生方へ

当院はこれまで、リウマチ膠原病を志望する若手医師の育成に当たってまいりました。所属医師の出身大学は全国各地に渡っています。都心部の好立地で各種勉強会にも参加しやすい環境です。アットホームな市中病院ならではの環境でリウマチ膠原病診療をしてみませんか?
2021年度シニアレジデント募集
都立病院は、シニアレジデント教育に定評があり、総合内科医の育成と同時に専門医資格を効率よく取得できる研修プログラムとなっています。(詳しくは東京医師アカデミーのホームページ当院シニアレジデント採用情報リンク参照)。
来年度卒後新3年目になる先生方を優先的に募集しますが、それ以上の学年の先生方もご希望に応じ相談させていただきます。また、旧制度にも対応しておりますので、ご興味のある先生方は是非ご連絡ください。お待ちしております!

学会認定施設
日本リウマチ学会教育施設
日本内科学会認定医制度教育関連病院

【お問い合わせ】
病院見学について
東京都立大塚病院 事務局庶務課 臨床研修医担当
メール ot_kensyu(at)tmhp.jp
(注)迷惑メール対策のため、メールアドレスの表記を一部変更しております。メール送信の際は(at)を@に置き換えてご利用ください。
TEL 03-3941-3211 (内線)2243