呼吸器内科

診療科のご案内

当科について

私たちは呼吸器の病気を扱っています。呼吸器とは気管から気管支、肺に至るまでが含まれます。
ヒトは鼻もしくは口から気管・気管支を経て一分間に7.5Lの空気を取り入れて呼吸をしています。それをテニスコート1面にも及ぶ薄い膜でガス交換しているのが肺です。空気中に存在する様々な外的から守る機構がヒトには備わっていますが、その一部が破綻もしくは過剰に反応することにより様々な病気が生じてしまいます。病変は様々ですが、結果として出る症状は咳・痰・呼吸困難などであり、診察や検査を手掛かりに病気を診断して治療につなげるため日々努力をしております。お気軽にご相談いただければと思います。

当科で診療している疾患
肺がん
間質性肺炎
肺非結核性抗酸菌症
気管支喘息
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性呼吸不全
睡眠時無呼吸症候群 など

スタッフ紹介

氏名資格専門分野
藤江 俊秀
ふじえ としひで
(部長)
  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器指導医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本アレルギー学会 アレルギー専門医
  • ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター(ICD)
  • 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 結核・抗酸菌症指導医
呼吸器内科一般
清水 郷子
しみず きょうこ
(医員)
  • 日本呼吸器学会 呼吸器指導医
呼吸器内科一般
杉浦 真貴子
すぎうら まきこ
(医員)
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
呼吸器内科一般


間質性肺炎について

肺は実質と間質という部分に分かれます。実質は肺胞と呼ばれる空気の袋で、間質は肺胞と肺胞を取り巻いている血管の間の空間を満たす荷物に使用される緩衝材のような役目を果たしている場所です。様々な原因で間質周辺に炎症をきたす病気が間質性肺炎です。肺胞と血管の間でガス交換(酸素を取り込み。二酸化炭素を吐き出している)を行っているので、間質に炎症をきたすとガス交換に支障をきたします。間質性肺炎には原因がわかっているものとわからないもの(特発性といいます)に区別されます。
〈間質性肺炎の原因〉
膠原病によるもの 薬剤によるもの
環境要因によるもの(真菌(カビ)、鳥糞などの吸入曝露)
職場環境によるもの(石綿、珪肺など)
全身性の病気によるもの(サルコイドーシスなど)
喫煙によるもの
原因不明のもの(特発性)

診断や治療のために気管支鏡検査や胸腔鏡検査により肺の組織を採取したり、生理食塩水というきれいな水で肺を洗い回収し検査(気管支肺胞洗浄;BAL)を出したりすることもあります。
治療に関しては原因となる病気によって変わりますが、抗線維化薬を使用する場合があります。

肺非結核性抗酸菌症について

抗酸菌は一般にみられる細菌とは違い、脂質に富んだ暑い壁に覆われた菌です。この仲間の代表選手が結核菌です。結核菌はヒトからヒトに感染する病気で世界ではまだたくさんの方が亡くなっている病気で、日本でも減少はしていますが、欧米並みになるにはもうしばらく時間がかかります。対照的に増えているのが非結核性抗酸菌症です。名前は長いですが、結核ではない抗酸菌という意味です。性質は結核と似ていますが、ヒトからヒトには感染しないといわれています。土の中や水の中に潜んでいて、何らかの原因で吸い込んで発症します。
圧倒的に女性に多い病気です。診断には、画像検査とともに喀痰検査や気管支鏡検査で菌をとらえる必要があります。治療は抗菌薬を3種類組み合わせて行いますが、効果が十分でない場合には注射薬を使用します。最近は吸入療法も追加されました。手術療法を選択することもあります。

気管支喘息について

気管支の粘膜には口から吸いこまれた空気とともに様々な物質が吸入されます。アレルギーの素因のある人がハウスダストやダニなどのアレルギーの原因となる物質を吸い込んだ場合にアレルギー性の炎症が起こり、気管支粘膜に変化が起こります。例えば気管支粘膜がむくんだり、気管支の収縮の関与している筋肉が収縮したり、粘液の分泌が盛んになったりします。それによって気管支が狭くなり、呼吸困難や気道が過敏になり咳が続いたりします。採血検査、肺機能検査などを利用して診断と治療の最適化を目指します。以下の治療薬を選択して治療します。
〈治療薬〉
◎ステロイド(吸入・内服)
○長時間作用型β刺激薬(吸入)
○抗コリン薬(吸入)
○抗ロイコトリエン受容体拮抗薬
テオフィリン
○生物学的製剤(難治性もしくは重症の方に使用)
漢方薬

慢性閉塞性肺疾患(COPD)について

主にタバコの煙を吸い込むことで起こる病気です。タバコにより肺の袋(肺胞)が壊れて大きな袋(嚢胞)になり(肺気腫)、また気管支に慢性的な炎症(慢性気管支炎)が起こることにより、気管支が狭くなり呼吸困難をきたす病気です。咳、痰、歩く時の息切れなどが主な症状です。“年のせい”として見過ごされがちですが、タバコを吸っていたことがある人はCOPDの可能性があります。画像検査や肺機能検査で診断ができます。早めの診断治療のために相談されることをお勧めいたします。
〈治療薬〉
◎抗コリン薬(吸入)
○長時間作用型β刺激薬(吸入)
○吸入ステロイド
テオフィリン
去痰薬、鎮咳薬
漢方薬