
病院は機能の違いにより役割が異なりますが、外見からではその違いは分かりづらいです。病院の役割の違いを理解することで、目的に合った病院に相談することができます。
病院の機能の違いについて、都立病院の医療ソーシャルワーカーが解説します。
病床の種類と機能
病院の病床は、医療法で以下の5種類に分類されています。
- 一般病床
- 療養病床
- 精神病床
- 感染症病床
- 結核病床
一般病床と療養病床を持つ医療機関は、さらに病棟ごとに以下から1つの機能を決めて届出を行います。
- 高度急性期
- 急性期
- 回復期
- 慢性期
病棟ごとに機能を明確にするのは、それぞれの病棟機能を持つ医療機関同士が連携することで、地域の限りある医療資源を有効に活用していくためです。
「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の機能はどのように違い、それぞれ具体的にどのような病棟があるのか、みていきましょう。
高度急性期機能
高度急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能です。「診療密度が高い」とは、言い換えると医療資源を多く投入しているということです。
注目情報高度急性期
急性期治療を必要とする患者さんの中でも特に重症で、緊急性の高い疾患に対し、高度な医療機器を用いた治療や、専門的な医療を提供する。
具体例
救命救急病棟、集中治療室(ICU)、ハイケアユニット(HCU)、新生児集中治療室(NICU) など

急性期機能
急性期の患者に対し、状態の早期安定に向けて、医療を提供する機能です。
注目情報急性期
急性発症の病気やけが、重篤な病状・症状に対して、集中的に手厚い治療やケアを行う。急性期の治療が終わり、病状が安定すれば退院となり、基本的には長く入院することはできない。
(出典:医学書院「医療福祉総合ガイドブック」)
具体例
(急性期)一般病棟

回復期機能
急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能です。
注目情報回復期
日常生活動作の向上と社会復帰を目的としたリハビリテーションを集中して行う時期。
(出典:医学書院「医療福祉総合ガイドブック」)
具体例
- 回復期リハビリテーション病棟
対象となる疾患が決められており、急性期治療が終わった後、自宅や社会に戻るリハビリを行う病棟です。疾患ごとに最大入院期間が決められています。
- 地域包括ケア病棟
急性期治療を終えた患者が在宅復帰の準備を行う病棟で、40日程度の入院期間が目安となります。

慢性期機能
長期にわたり療養が必要な患者が治療やケアを行う機能です。重度の障害者、筋ジストロフィー患者又は難病患者等が対象となります。
注目情報慢性期
急性期の治療は終了し、症状は比較的安定しているものの、引き続き医学的な管理や医療処置が必要な状態。
具体例
- 医療療養病棟
急性期治療を終えても引き続き医療の必要度が高い患者が、療養目的で入院する病棟。
厚生労働省が定めた医療区分のうち、医療区分2,3に該当する患者が主な対象となります。医療区分2,3は、中心静脈栄養や酸素投与を必要とする方や、指定難病に該当する方等が該当し、それ以外の状態にある方は医療区分1に分類されます。 - 障害者病棟
重度の肢体不自由や意識障害となられた方、神経難病や筋ジストロフィーの方等が療養目的で入院する病棟。

その他の病床・病棟
- 精神病床
精神科の治療やリハビリテーションを目的とした病床 - 結核病床
結核患者の治療を行う専門病床 - 感染症病床
1類感染症や、2類感染症といった感染症に対応する病床 - 緩和ケア病棟
苦痛緩和を必要とする悪性腫瘍等の患者に対し、病気によって生じる身体的な痛みのコントロールや精神的、スピリチュアル、社会的なケアを行うための病棟

ご相談は、患者・地域サポートセンターへ
都立病院では全病院に「患者・地域サポートセンター」を設置しております。
地域の病院の機能の違い、地域の病院にどのようなことを相談できるか等をはじめ、社会福祉制度や、療養中の不安や、退院先のこと等の心配事がありましたら「患者・地域サポートセンター」へどうぞご相談ください。

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最終更新日:令和7年11月5日


