9月21日は認知症の日
9月は「認知症月間」です
人生100年時代と言われている中、平均寿命と健康寿命の間に差があることがわかっています。
その差は、男性で8.9歳、女性で11.4歳です。健康な100歳を理想と考える方も多いと思いますが、そうするためには日ごろから何かしら努力が必要です。
認知症は加齢に伴い誰しもが発症する可能性があります。
80歳以上では3~4人に1人、90歳台では7割、100歳以上では9割といわれています。
世界保健機関(WHO)は2019年、「認知機能低下および認知症のリスク低減(Risk Reduction of Cognitive Decline and Dementia)のためのガイドライン」を公表しました。
ガイドラインでは、WHOは認知機能低下と認知症予防のために、以下の12項目の対策を推奨しています。
- 身体活動の向上
- 禁煙
- バランスの取れた栄養
- アルコール
- 認知トレーニング
- 社会活動
- 体重
- 高血圧の管理
- 糖尿病の管理
- 脂質異常症の管理
- うつ病
- 難聴
つまり、運動や食事、日々の生活習慣が認知症の発症リスクと深くかかわっているわけです。
海外でも高齢者を対象にした研究がいくつかなされ、運動量の多いグループのほうが、少ないグループより認知症の発症リスクが明らかに下がっていると報告されています。
今回は、認知症と運動の関係について、都立病院のリハビリ部門より解説します。
どうして運動が認知症にいいのでしょう。運動するとどうなる?
運動に関連するたんぱく質が放出され(BDNF脳由来神経栄養因子など)、脳の神経細胞の増殖や成長にプラスの役割を果たすことが知られています。
さらに運動には、筋肉を動かす、動作を覚える、見る、聞く、ものに触れるなど、五感がフル活用できる要素がたくさんあり、脳が活性化されます。
脳が活性化するとどうなる?
全身の血流がよくなることで脳にも酸素や栄養がいきわたります。
運動して脳が活性化して昼間の活動と夜間の休息という生活リズムが整います。
基本的な生活習慣が整うことで、認知症発症リスクを高める高血圧や糖尿病を回避することができます。
ではどんな運動がいいでしょう。
筋肉には白い筋肉(速筋)と赤い筋肉(遅筋)があります。
前者を鍛える代表が筋トレ、後者を鍛える代表が有酸素運動です。バランスよく鍛えるようにしましょう。
具体的な運動を、ごく一部ですが紹介します。
① ストレッチ
痛みのない範囲で呼吸を止めず、反動つけずに20秒くらいじわじわっと伸ばします。
② 筋力をつけて足腰を鍛える
運動に欠かせない下半身の筋力を強化しましょう。転倒防止にもつながります。
③ 有酸素運動
軽めの負荷で一定時間運動を続けます。筋肉を動かすときに酸素を使います。1回30分程度を週1回くらいから、慣れてきたら週3回程度できるといいでしょう。
ちょっと待って!なんだか大変そうじゃない?
ちょっとやれるか自信ないなって思った人のために。
大切なのは続けること。自分に無理しては続きません。
1人で無理なことも、仲間と楽しく過ごす時間の中ですると、活動量も上がるし、おしゃべりも脳の活性化につながります。
地域で集まれる場所があったらちょっと覗いてみましょう。
地域ではどんなことをしているんでしょう。
楽しく体操!
筋力鍛えることが苦手な人はこんなのはいかが?
① 後だしジャンケン負けるが勝ち
これからジャンケンをしますが
私はパーを出すので負けてください。
② 足踏みしながら手をたたく
例)
足踏みしながら数を数えます。
3がつくときには手をたたきましょう。
ワイワイ皆さんとできると楽しいですよね!
運動は認知症の予防が期待できます。
もし認知症になったとしても運動は進行を抑える効果があります。
人生健康100歳にむけて、みんなで支えあえる東京でありたいですね。
最終更新日:令和6年8月16日